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発達特性に合わせた『学習支援』と『豊かな地域体験活動』で、子どもたちの未来の選択肢を広げる

学習サポートと豊かな地域体験活動で子どもの未来を広げるプロ

田村俊司

田村俊司 たむらしゅんじ
田村俊司 たむらしゅんじ

#chapter1

一人一人の「分かった」「できた」を積み重ね、子どもたちの自己実現力を高める

 静岡市の向敷地・手越原・鷹匠で、三つの放課後等デイサービス「すまいる」を運営する「すまいるべーす」。代表の田村俊司さんは、発達特性や学習上の困り感を抱える子どもたちが、自分に合った方法で学び、「やってみたい」という気持ちを育める環境づくりを大切にしています。

 室内では、さまざまな学年の子どもたちがノートやテキスト、タブレットを広げ、子ども同士やスタッフと話し合いながら、それぞれのペースで学習に取り組んでいます。

 「勉強は不得意でも、学ぶことを嫌いにならないように、一人一人の理解度や状況に応じて、適切な課題を設定し、学習の進め方を工夫しています。まずは宿題を仕上げることをサポートし、小さな『できた』を次の学びにつなげていきます」

 そうした理念を共有する元教員や保育士、心理職、看護師など、異なる経験や専門性を持つスタッフが、互いに学び合いながら子どもたちの成長をサポートします。

 さらに力を入れているのが、地域体験活動の時間です。地域とのつながりを生かし、農業体験と連動した食育活動、果物狩りやお茶畑再生プロジェクト、高齢者施設での交流、お寺での座禅体験などを実施。さまざまな仕事や人々の暮らしに直接触れる機会を通じて、子どもたちの興味の幅を広げ、社会性を育んでいます。

 子どもたちだけでなく、保護者が抱えている我が子の学校生活や日常生活、将来への不安にも耳を傾け、今までの長い教職での経験を生かし、進路についての具体的な相談にも対応。子どもたちがホッとできる安心して過ごせる、家庭や学校とは別の「第三の場所」を目指しています。

#chapter2

子どもたちの学習面のつまずきや体験格差に向き合う

 田村さんは31年間にわたり、中学校や特別支援学校、発達通級指導教室などで教育に携わってきました。社会科の教科リーダーとして若手教員の指導に当たるほか、帝国書院の中学校地理の教科書の執筆・編集や常葉大学保育学部で公認心理師として「子どもの発達論」の講義も担当し、地域の教育に尽力。そのような多様な活動の中で、子どもたちの学びを取り巻く課題を強く意識するようになりました。

 支援の場づくりを考えた背景には、子どもの不登校や心のケアへの問題意識もありました。田村さんは、当時の静岡市では20歳未満の自殺死亡率や不登校率が政令指定都市の中でも非常に高いという情報に触れ、子どもたちが安心して学び、相談できる環境の必要性を改めて感じたと言います。「いのち支える自殺対策推進センター」の事例資料にも、同様の状況が記されています。

 「学習面のつまずきが、学校生活そのものへの不安につながるケースもあります。とりわけ、発達特性のある子どもたちには、一人一人に合った方法で学べる環境が必要ではないかと考えました」

 また、家庭の経済状況などによって、子どもたちが得られる体験の機会に差が生じることも、以前から気に掛けていたそうです。「体験格差」という言葉が社会的に取り上げられるようになる以前から、その現実を身近に見てきました。

 「家庭の経済状況にかかわらず、丁寧な学びの場が必要な子どもたちの受け皿になりたい。何より私自身が、ずっと子どもたちと触れ合い続けたかったんです」

 これまで培った経験や人脈に加え、地域の多様な人材や文化資源も田村さんの背中を押しました。子どもたちの学習と体験を支え、心にも寄り添う場づくりへと、新たな一歩を踏み出したのです。

田村俊司 たむらしゅんじ

#chapter3

誰もが自分の力で「笑顔の未来」を切り開けるように

 「長く『先生』と呼ばれてきましたが、学生時代はそれほど優秀ではありませんでした。大人になって、心のバランスを崩してしまったことも、一度ならずあります。ただ『知りたい、学びたい』という気持ちと、その都度、差し伸べられた手が、弱い自分を奮い立たせてくれました」

 教員時代は「熱血教師」とも呼ばれていた田村さんですが、自らも苦しい思いをするたび、周囲に支えられてきた一人。個々の保護者の悩みに寄り添う姿勢には「誰も孤立させたくない」という思いがにじみます。

 「社会に出れば、思うようにいかないことや、周囲の理解を得られないこともあります。子どもたちが将来、困難に直面したときにも、自分に必要な情報や支援を選び取り、自分の力で歩んでいけるようになってほしいのです」

 その思いを「学習・体験・心理面の支援」という活動の三本柱に込め、子どもたちや保護者に寄り添っています。2027年4月の開所に向け、葵区瀬名で、室内運動施設も備えた大規模な事業所の準備を進めています。さまざまな専門性や経験を持つ仲間と力を合わせ、地域の学校や医療機関、他の事業所とも連携しながら、より多くのニーズに応えられる体制づくりを進めています。

 「関わる人たち全てを笑顔に」が、株式会社すまいるべーすのミッション。子どもたちが学びや体験を通じて自分の可能性に気づき、将来の選択肢を広げていけるよう、地域とともに成長を支えています。

(取材年月:2026年10月)

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専門家プロフィール

田村俊司

学習サポートと豊かな地域体験活動で子どもの未来を広げるプロ

田村俊司プロ

児童発達支援・放課後等デイサービス運営

株式会社すまいるべーす

31年間の教員経験と公認心理師の知識を生かし、発達特性や学習上の困り感を抱える子どもを支援。一人一人の「できた」を育む学習支援や心理支援、地域と連携した体験活動を通じて、将来の選択肢を広げます。

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