感動力を高めるピアノ教師
平田晶子
Mybestpro Interview
感動力を高めるピアノ教師
平田晶子
#chapter1
「日本人は3拍子が上手くないといわれています。クラシック音楽は西洋の文化であるため、幼少期から土台を作る事が大切だと思っています。英語の早期教育が推奨されるように、ピアノも早期教育が重要ではないかと考えています」
と話すのは、ひらたピアノ教室の平田晶子さんです。
グレンツェンピアノ研究会主催のコンクールで指導者賞を受賞するなど、実力と人気を伴う指導歴20年のピアノ教師です。テクニックだけでなく、感動力や表現力を重視し絵画や折り紙を取り入れた独自のメソッドで指導を行っています。
「2歳半は、いきなりピアノに向かうのは難しいので、お絵かきや折り紙から入ります。遊びの中から自然と音楽に結びつけ、気が付いたらピアノの前に座っていたという状況を目指しています」
ピアノは、途中で嫌いになってやめてしまうことが多い習いごとですが、平田さんは音楽を色で表現する色彩音楽をベースに、独自のメソッドを加えた「音の絵」や、リズムをブロックで表すなど、ピアノを好きになる工夫をしています。
「私自身、工作が大好きなので子ども目線でピアノを楽しむ方法を常に考えています。また、楽しむだけでなく、お絵かきや折り紙で遊ぶことで指を使い、ピアノに必要な指の動きや握力を鍛えていきます」
とくに重視をしているのは、それらの遊びから感動力や表現力を磨くこと。
「ネット社会になり、感動力や表現力が乏しい子どもが増えているように感じています。表現豊かに曲を演奏するためにはイメージする力が重要で、それを養うには感動することが大切だと考えています。はじめは折り紙1枚でも、カワイイって感動してくれたら、それでいいんです」
感動力はいわばインプット、表現力はアウトプットです。感動することでイメージが広がり、それを音にのせて表現し、人々に再び感動を届けます。感動力と表現力は音楽を演奏する人には、重要な力で、それは幼い子どものころから養っていきたいと平田さんは考えています。
「音をイメージして色を塗る、絵を描く、または何かを食べてその味を色や絵にするなどのワークショップを不定期に行い、このような遊びの中から感動する力や表現力を身に付けていきます。(ワークショップの参加は生徒のみ)」
#chapter2
「実力がついてきたり、本格的に取り組みたいという生徒さんのために、『伴奏ピアニスト研究生制度』を設けています。このコースは通常のレッスンとは別に伴奏の実践的なメソッドを学びます。一般的なピアノ教室で、本格的な伴奏を教えるところは少ないと思います」
平田さん自身も伴奏ピアニストとして活躍し、ソロのアーティストや吹奏楽団との共演伴奏を行っています。そのつながりを利用して、生徒さんにプロの演奏者やオペラ歌手の伴奏する機会をつくっています。
「音楽大学で伴奏法という授業があるくらい、伴奏は難しいジャンルです。ピアノは主役になることが多い楽器ですが、伴奏はソリストの呼吸を感じ取り、その楽器の性質も知っておく必要があります。どんなに演奏のテクニックがあっても、ソロと同じ弾き方や考え方では伴奏は出来ません」
伴奏ピアニスト研究生は、小学生から社会人までさまざまです。プロを目指す生徒も、アマチュアで追及する生徒も同じように、プロの演奏家と共演ができることが特長です。
#chapter3
入門から音大受験、コンクール出場をめざす生徒まで幅広く指導する平田さんは、障がいがある幼児及び児童の指導も行っています。音楽心理士の資格を取得し、場面緘黙症、吃音、発達障がい、不登校などの生徒さんのピアノの指導も行っています。
「吃音がひどかったある幼稚園生の生徒さんには、歌を重点的に指導しました。歌は脳にストレスを与えないので吃音がでることはありません。チューリップの歌を大きな声ではっきりと歌えるようになった時はお母さまが号泣されていました。そのお子さんも今では小学生ですが、まったく吃音がでなくなり、ピアノも上達しています」
場面緘黙症のお子さんはお稽古場に入ることも難しいようですが、話さなくても折り紙や工作で会話をすることから始めていくそうです。
生徒に暖かい心で接する平田さん。その気持ちは趣味で習う大人にも向けられています。
「趣味で習っている社会人の方もいらっしゃいますが、こちらが驚くほど一生懸命がんばっていらっしゃいます」
平田さんの生徒さんは受験や就職でいったんお休みしても、まだ戻ってくるそうです。そのため今年度は空いたのがたった2枠で、空き待ちの生徒さんで埋まってしまっている状況だとかです。まずは単発コースで通い、レギュラー待ちをすることがオススメです。
(取材年月:2019年4月)
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Profile
感動力を高めるピアノ教師
平田晶子プロ
ピアノ教師
ひらたピアノ教室
2歳半から大人まで幅広い年齢層や障がいがある方にピアノ教育を行っています。ピアノのテクニックだけでなく、表現力が豊かになるよう折り紙や絵画をレッスンで行い、五感を刺激する教育を行っています。
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