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マンションの住環境と資産価値を守るため、管理組合運営や大規模修繕の進め方についてアドバイス

住環境と資産価値を守るマンション管理士

森﨑琢磨

森﨑琢磨 もりさきたくま
森﨑琢磨 もりさきたくま

#chapter1

管理組合の自治を機能させ、老朽化・高齢化といった課題解決をサポート

 「わが国の経済成長とともに増加してきたマンションですが、建物の老朽化と住民の高齢化という『二つの老い』に直面しており、早急な対処が求められます」と話すのは、大阪府高石市の「森﨑マンション管理士事務所」の代表、森﨑琢磨さん。理事会に参加して懸念事項などを把握し、管理組合運営に必要な改善点等のアドバイスを行っています。

 「修繕積立金を適切に積み立てしてこなかったために、大規模修繕費が不足している物件は少なくありません。特に近年は資材や人件費が高騰し、コストが上がっています。一時金を徴収して工事に充てようとしても、生活費を年金に頼っているご高齢の入居者にとっては負担が大きく、合意形成が取りにくいのが現状なのです」

 歴史の長いマンションの中には、理事会が高齢化で、機能不全に陥っていたり、互助機能が失われつつあったりするケースも。森﨑さんは長期修繕計画の作成を補助するほか、コミュニティーの育成も支援しています。

 「マンションの課題を解決するには、区分所有者全員で現状を共有し、管理組合の自治を機能させるのが近道です。近所づきあいが希薄な住民に対しても、同じ目線に立ってじっくり対話を重ね、当事者意識を持ってもらうことを心掛けています」

 弁護士や建築士等の士業とも連携し、快適な住環境をかなえる仕組みを法令に則して整備できるのも強みです。
 「『マンションは管理を買え』と言われており、定期的に手入れし、健全なコミュニティーを形成することで資産価値を維持・向上ができます。大切な住まいと暮らしを守るため、私ども専門家の知見をご活用いただくことをお勧めします」

#chapter2

“マンションのかかりつけ医”として、理事会の運営方法などをアドバイス

 一口にマンションといっても、1棟だけの「単棟型」や複数の棟から成る「団地型」などがあり、管理についても一部、もしくはすべてを外部に任せたり、住民が自主管理したり、それぞれに異なります。

 森﨑さんは現場の実情に応じてフォロー。理事会の運営方法を見直すほか、管理会社が適切に業務を行い、業務委託料が妥当かをチェックします。困難な案件でも、粘り強く対応するのが自身の持ち味だとか。

 「大阪府南部のある物件では、団地型にもかかわらず単棟型の規約を定めていたことから、改正をお手伝いすることになりました。理事会の下に専門委員会を置き、住民たちの手でつくることになったのですが、主導していた理事長がワンマンだったこともあり突然解任されてしまったのです。草案から練り直し、4年掛けてやっと改正することができました」

 建物のメンテナンスに関する内容では、大規模修繕を続けていくか、建て替えた方がよいのか意見を請われる場面が多く、施工業者と利害関係なく、公平、公正な立場から見解を述べています。

 その他、「マンション内の集会場で茶話会を開きたいので力になってほしい」「植物のプランターを設置して、花や緑でいっぱいにしたい」といったソフト面で相談を受けることも多くなっているそうです。

 「年々、私どもの仕事の守備範囲は広がっています。住民に身近な“マンションのかかりつけ医”として、一つ一つの声に丁寧に向き合い、助言・提案していきたいと思っています」

森﨑琢磨 もりさきたくま

#chapter3

保険、法律、相続など、培ってきた知識をマンション管理士の仕事に生かす

 森﨑さんは大学を卒業後、カーリースの法人営業を経て、不動産をはじめ登記関係を主業とする司法書士事務所に勤務。1995年に発生した阪神・淡路大震災が現職への転機になったと言います。
 「多数のマンションが倒壊、破損し、建て替えや改修、補強など今後について住民の合意を得るのが難しいというニュースを聞き、再建も売却もできない状況に心を痛めました」

 2001年にマンション管理士の資格が新設されることを聞き、第1回の試験に挑戦。合格率7.4%の狭き門を突破し、2004年に森﨑マンション管理士事務所を開業しました。

 マンション管理士の傍ら、会計事務所に所属して相続分野に従事。
 「相続とマンション管理は、財産を守るために必要なスキルや仕事のプロセスが似ています。カーリースでは保険について、司法書士・会計事務所では法律や会計の知識を養い、現在の職務で役に立っています」

 資格取得の予備校で専任講師を務め、大阪府内、兵庫県内の私立大学では非常勤講師を歴任。不動産会社では社内研修を担当して資格取得の指導に当たりました。
 2024年に仲間と立ち上げた和歌山県マンション管理士会でもセミナーを開き、2022年に創設された管理計画認定制度の概要などを分かりやすく解説しています。

 「私のモットーは、広く平らな心を意味する『虚心坦懐』。言葉の通り、先入観を持たず、柔軟な視点でアドバイスをしていきたいですね。今後は管理組合で終活や相続に関するセミナーを開催するなど、生活に関するトータルサポートができればと考えています」

(取材年月:2024年9月)

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森﨑琢磨

住環境と資産価値を守るマンション管理士

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マンション管理士

森﨑マンション管理士事務所

住民一人一人に耳を傾けることで、区分所有者による問題の共有を促し、課題解決につなげます。さまざまな士業と連携したワンストップ対応も強み。マンションのかかりつけ医として、住環境と資産価値を守ります。

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