生成AIを活用したFAQシステムで業務効率化を支援する専門家太田実秀

生成AIを活用したFAQシステムで業務効率化を支援する専門家

太田実秀

FAQ＋生成AIチャットボットを自動作成できる独自システムを開発

　「毎日、同じような問い合わせが大量に届いて困る」。そんな課題を、生成AIで解決しませんか。システム開発会社「sollo（ソロ）」代表取締役社長の太田実秀さんは、オリジナルのFAQシステム「SHELP（シェルプ）」のサービスを展開しています。

　特徴は、生成AIチャットボットを実装したFAQを簡単に構築できることです。社内資料やURLをアップロードするだけで、AIがユーザーからのよくある質問や疑問に答えるFAQを作成。さらに、FAQに連動したチャットボットも自動で生成されます。直接の問い合わせの数を減らし、利便性が高まることで顧客満足度の向上も導きます。

　「生成AIを使ってみたいけど、自社の業務にどう活用できるかわからないという企業は多いでしょう。生成AIに対するハードルを下げ、便利に使ってもらえるツールを提供したいと思い、開発に至りました。人手がかかる問い合わせ対応を、AIに置き換えることを提案します」

　2024年11月のリリース以来、現在200社の導入を誇ります。導入後に、電話やメールでの問い合わせ数が減少した例は多く、利用企業から、使いやすさを評価する声が寄せられているそうです。
　「テンプレートを選んで自由にレイアウトや色を変更できるので、製品やサービスのイメージに合わせて、自社ならではのFAQを構築できます。高い操作性や、チャットボットの応答速度など、初めてでも使いやすいように開発段階から追求してきました」と太田さん。ほかにも、複数人での管理やSEOの自動設定、ヘルプページの分析など、実務に役立つ機能が充実しています。

カスタマーサポートの人材育成に役立てるなど、広がる活用法

　「SHELP」は、問い合わせ対応のみにとどまらず、社内文書や仕様書として活用する企業も少なくないそうです。作成したFAQは、非公開設定にもでき、一元化した回答集として、カスタマーサポ―トの人材育成に役立つと喜ばれたケースも。「当初の想定以上に、活用シーンが広がりうれしいですね」と太田さんは話します。

　より多くの中小企業に使ってもらうため、料金も利用しやすい価格帯に設定。また、同サービスのWEBサイトからの会員登録ですぐにサービスにアクセスできる仕組みにしています。
　「生成AIをはじめ、ITをもっと身近に感じてほしいと始めたサービスなので、導入までWEBで完結できるようにしています」

　また、顧客からの「こうしてほしい」という声にも積極的に対応。例えば〝AIの精度を高めたい〟〝セキュリティ強化のためIPアドレスで制御したい〟など、これまで寄せられた要望にもできるだけ応えてきたとか。
　「フットワークの軽さは強みです。お客さまの声をもとに進化し続けるサービスでありたいですね」と語ります。

　柔軟な対応が可能なのは、同社がもともと技術者集団として、企業のDX支援を多く手掛けてきたから。システムやアプリの開発、WEBサイト制作など、幅広い支援実績があります。
　「現在5人のエンジニアが在籍し、技術力の高さには自信があります。ITに関するお困りごとに対しては何らかの提案ができますので、どんなことでもご相談ください」

独学のホームページ制作を原点に、新しいIT技術を誰でも使えるように

　起業以前、太田さんは父が営む内装会社でキャリアをスタートさせました。CADを用いた設計を担当し、パソコン周りに強かったことから、WEBサイト立ち上げを任されたことも。
　「一からホームページの仕組みなどを勉強しました。独学で一通り理解でき、サイトを開設した経験が、後にITの道に進む原点になりました」と振り返ります。

　代替わりで父から事業を引き継いだものの、リーマンショックの影響もあり、思うようにいかず、やむなく廃業することに。通信関連の企業に身を移し、営業に従事しました。
　「先代に申し訳ない気持ちが強く、いつか会社経営に再挑戦したいという思いがありました。ちょうど、IT業界の成長が著しく、ホームページ制作の経験を生かせるかもしれないと、独立を決意しました」

　2017年に、「sollo」を設立。当初は、知り合いの会社から頼まれたWEBサイト制作を軸に、常に新しい技術を取り入れながらサービスの幅を広げてきました。
　「IT技術は日進月歩で進化しているので、スピード感を大事にしています。生成AIに着目した『SEHLP』も開発から3カ月でリリースしました。新たな技術をサービスとして、誰でも使える形にして役立てることが私たちの役割。作っているときが楽しいですね」と語ります。

　「AIは難しそう」とためらう経営者に向けてこう呼び掛けます。
　「無料でお試しができますので、まずは、使ってみてください。『こんな機能があればいいのに』というリクエストも歓迎です」

（取材年月：2025年5月）

問い合わせ業務を生成AIで効率化するFAQシステムを手軽に構築

FAQ＋生成AIチャットボットを自動作成できる独自システムを開発

カスタマーサポートの人材育成に役立てるなど、広がる活用法

独学のホームページ制作を原点に、新しいIT技術を誰でも使えるように

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