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不登校や引きこもりに向き合い、親が子どもを受け止めるカウンセリングで好転に導く

不登校や引きこもりを専門的に扱うカウンセラー

今村心音

今村心音 いまむらここね
今村心音 いまむらここね

#chapter1

人間関係の基盤である親子関係にアプローチし、グループによる勉強会も開催

 「お子さんの不登校や引きこもりでお悩みの方は、心の内をお聞かせください」と呼びかけるのは、「マザーアース」の代表であり、の今村心音さん。カウンセラーとして二十余年の経験を持ち、延べ2万1000人以上の声に耳を傾け好転へと導いてきました。

 「当方の特徴は、お子さんではなく、親御さんに対するカウンセリングに重きを置いていることです。外に出たり、人に会ったりすることに抵抗があるご本人を連れ出すのは至難の業ですし、人間関係の基盤は親子関係にあると考えているからです」

 例えば、20歳から25年間引きこもっていた人が45歳で正社員として就職したケースでは、本人に会うことなく、両親と面談を重ねました。

 今村さんは、成育歴や今の生活で困っていることなどを詳細に聞き取り、子どもへの接し方をアドバイス。ただ、接し方とは決してスキルではないと指摘します。

 「『子どもの話を否定せず受け入れましょう』とよく言われますが、心が伴っていなければ、子どもたちはすぐに分かるんです。大事なことは、こうあるべきという思い込みをリセットし、本人の心に起きていることを理解しようとする姿勢。子どものことを丸ごと受け止める覚悟が腹に据わった時に、子どもに変化が起こり始めるのです」

 カウンセリングのほか、グループによる勉強会も開催。家族同士が顔を合わせて悩みを共有することで学びも多いと語ります。

 「初回無料のオンライン相談も承っております。相性もありますから、一度話をしてみてから、継続してカウンセリングを受けるかどうかご判断ください」

#chapter2

実母と養母、2人の母を持つ自身の葛藤に気づき、カウンセラーの道へ

 今村さんは、2人の子を育てながら司会業や講師業などに従事。ビジネスマナーを担当する中で顧客心理の観点から捉える必要があると、1992年に40代でカウンセラー養成講座を受講します。

 「心について勉強すればするほど、自分自身の問題とリンクすることが多いと感じました。私は実母を3歳で亡くし、4歳からは養母に育てられたんです。複雑な家庭環境に葛藤を抱えていたことに気づかされました」

 講座を開設していたのは、東京に本社を置くメンタルヘルスサービスの草分け的な会社。不登校、引きこもりの問題にも取り組んでいる同社で、カウンセラーの活動を始めました。
 「家族関係でストレスを受ける子どもの気持ち、わが子を心配する親の気持ち、どちらも実体験をもって知る私にとって、現職は使命であり天命であったのだと思います」

 同社が大阪から撤退したのを機に移籍し、不登校や引きこもりに専門的に携わるように。当初は、面談や居場所の提供、コミュニケーションなどを通じた当事者へのアプローチに力を注いでいたそう。

 「当時は、本人の心の問題に帰する考えが主流だったんです。やがて、真摯(しんし)に子どもに向き合う家庭は断トツに回復が早いことに気づき、親御さんへの働きかけに舵を切りました」

 親の心持ちを整えることで、本人が元気になるだけではなく、家族全体の再生に繋がることを実感しました。
 「最初はどうしてわが家だけがこんな目に遭うんだろうと思っていたけれど、今はこの子に感謝しているとおっしゃる方も多いですね」

今村心音 いまむらここね

#chapter3

障がい者のためのグループホーム事業も立ち上げ、子どもたちの自立を支援

 今村さんは2017年、60代の時にグループホーム事業を創業。きっかけは、石川県に住む養母を約8年にわたり遠距離で介護したことでした。

 「大阪から通いながら介護ができたのは、母が入居していたグループホームの職員さんが良くして下さったお陰です。三回忌が過ぎた頃から、自分も何か役に立てないかと考えるようになりました」

 娘や息子からは「そろそろ仕事を整理してリタイアを」と終活を勧められていたそうですが、知的、精神障がい、軽度身体障がい者を対象にした施設を、寝屋川市内で4カ所運営(2024年10月現在)。大事にしているのは、一人一人の尊厳を守りながら自立を支援すること。

 「自宅では親御さんに頼っていた洗濯や掃除、片付けなど身の回りのことを自分でする習慣を養い、できないことはできるようにサポートします。また順番を守るといった集団生活のルールも自然と身に付きます。ご家族からは、自分の時間が持てるようになったと喜ばれています」

 今後は、引きこもりから社会復帰への第一段階として、グループホームのスタッフとして働いてもらうことも構想しているそう。

 「就活の際にネックとなるのが職歴です。学校などになじめなかった子たちは心優しく感性が豊かで、お世話をする仕事に向いているのではと。施設を足掛かりに、やりたいことを見つけてもらえたらうれしい限りです。カウンセリングとグループホーム、二つの事業をつなげSDGsとして役に立ち幸せになっていただくためにも、まだまだリタイアできませんね」と笑顔を見せます。

(取材年月:2024年10月)

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今村心音

不登校や引きこもりを専門的に扱うカウンセラー

今村心音プロ

カウンセラー

一般社団法人マザーアース

親が変われば子どもの心も変わります。不登校や引きこもりに専門的に携わり、のべ21000人以上のサポート実績があるカウンセラーが、家族全体を再生に導きます。寝屋川市内で障がい者のグループホームも運営。

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