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世界屈指の透明度を誇る沖縄の海で、障がいの有無や年齢にかかわらずダイビング

障がいや年齢に関係なく楽しめる場を提供するダイビングのプロ

山田幸村

山田幸村 やまだゆきむら
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#chapter1

顧客一人一人の障がいや体力に応じ、ベテランスタッフがきめ細やかにフォロー

 「エメラルドグリーンに輝く沖縄周辺の海域は、ダイビング愛好家にとって楽園と言える場所。世界でも屈指の透明度を誇る海に潜り、カラフルな熱帯魚と戯れて心をリフレッシュしませんか」

 こう呼び掛けるのは、那覇市の「マリンハウスおきなわ」代表の山田幸村さん。各種ダイビングメニューをはじめ、フィッシングクルーズを展開しています。

 「那覇空港に程近い三重城港から自社船で出航します。慶良間諸島をはじめとする無人島の周辺から数々の穴場を熟知していますので、その日の海況を見ながらお客さまのレベルに合ったポイントをご案内します」

 山田さんのもとでは、年齢や経験、障がいの有無にかかわらず海と触れ合えるのが特徴。初心者や家族連れ、ブランクダイバーや高齢者、障がいのある方も受け入れています。

 「一口に肢体の障がいと言っても、片まひや下肢まひ、四肢まひなど、人によってさまざまです。またシニアも体力や運動能力は人それぞれ異なります。弊社にはベテランスタッフも在籍しており、一人一人のコンディションに合わせてフォローしています。マンツーマンで指導もしておりますので、気軽にバリアフリーダイビングを楽しんでください」

 お昼にはスタッフ手作りの料理を提供し、他愛のない会話で船上を楽しませているそう。
 「1日コースの場合、約7~8時間の時間を共有します。そのうち水中にいる時間は2時間半程度。弊社独自のサービス、手作りご飯(昼食)も1日のダイビングの中で人気の一つになっています。マリンハウスおきなわ流におもてなしをスパイスして、お客さまの思い出づくりをお手伝いしてます」

#chapter2

四肢まひの少年や87歳の女性とダイビングし、バリアフリーのサービスを実践

 山田さんの父が創業したマリンハウスおきなわ。顧客のほとんどが県外のダイバーで、約9割がリピーターとのこと。満足度の高さが固定客の多さに表れています。

 「ある日父の元に、目の不自由な方のダイビングをガイドしてほしいと依頼がありました。これを機に適切なケアのもと障がいのある方を受け入れるようになり、父はNPO法人日本バリアフリーダイビング協会を立ち上げるまでに至りました」

 山田さんも子どもの頃から海に親しみ、高校卒業後に家業に入って以来、数多くの顧客と海に潜ってきました。中でも、約20年前に出会った少年は、特に思い入れがあると話します。

 「彼は四肢まひで、マンツーマンでサポートしていたのですがなかなか上達せず、本当にダイビングできるようになるのかと思ったこともありました。それでも毎年のように沖縄に通い、5年目ぐらいにふとしたきっかけで潜れるようになったのです。その後も継続して訪問していただき、今では酒を酌み交わす仲。外国の海にも一緒に行くんですよ」

 高齢者に対しても、入水前から個々に合わせた細かいフォローを行っています。リタイア後の趣味として始める人が多く、年に5~6回来沖する人も。顧客の中には87歳の女性ダイバーもいるそうです。

 「障がい者や高齢者を受け入れることについて、最初は怖かったというのが正直なところです。しかし30代に差し掛かった頃から使命感のほうが強くなりました。今では『このサービスは私どもにしかできない』と自負しております」

山田幸村 やまだゆきむら

#chapter3

初心者からライセンス取得、上級者、釣り愛好者まで、幅広いメニューを用意

 個々の体の状態や習熟度に応じたプランを提供する山田さん。各種レンタル器材をそろえ、初心者向けの体験コースから、ダイビングのCカードライセンスの取得講習を開講。最も一般的な「ファンダイビング」では、午前8時に出発して30~50分の潜水を約3回実施し、午後3時ごろに帰港します。

 「上級者向けに、船上で泊まる2日間のクルーズキャンプダイビングも用意しています。水平線に沈む夕日を眺めながら夕食をとったり、頭上に広がる満天の星を眺めたり、大自然を満喫できます。また、冬は沖縄とは言え肌寒く、1~3月頃は温暖な海外へのツアーも催行しています」

 手軽なシュノーケリングも可能で、浅い水面に浮かびながら魚やサンゴ礁を観察することができ、ファミリーに好評を博しています。
 釣り人に向けては、沖縄の県魚のグルクンや沖縄三大高級魚の一つであるアカジンなどを狙います。釣った魚を居酒屋に持ち込んで調理してもらう観光客がいるほか、クルージングしながらバーベキューを堪能できるプランもあると言います。

 「障がい者のダイビングイベントを年に1度開催しています。年々規模が拡大し、100人を超えるまでに成長しました。今後もマリンレジャーをきっかけに沖縄の海を好きになっていただき、ダイビングを始める人が増えたらうれしいですね」と笑顔を見せます。

(取材年月:2024年9月)

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山田幸村

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山田幸村プロ

ダイビングショップ

マリンハウスおきなわ

長年にわたり障がい者、シニアのダイバーを受け入れており、体力や運動能力に応じてきめ細やかにフォロー。ベテラン向けの1泊2日のダイビングや釣り船も展開し、幅広いレジャーに対応しています。

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