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自分の考えを整理し、気持ちを的確に「伝える力」を育み、世界へ羽ばたく人材を育成

子どもが安心して話せる場を整え、言葉と自信を引き出すプロ

津波章太

津波章太 つはしょうた

#chapter1

テーマに沿ってプレゼンする「コミュプレゲーム」で論理的思考力や表現力をアップ

 「『人前で話すのを怖がる』『引っ込み思案でうまくおしゃべりできない』など、わが子のコミュニケーションに不安を抱く親御さんは少なくないでしょう。当方は、子どもたちの内なる声を引き出し、堂々と、臆することなく自信を持って話す力を育てます」

 そう話すのは、那覇市古島にある「コミュプレStudio」代表講師の津波章太さん。年長から小学6年生を対象に、コミュニケーション力とプレゼンテーション力を高める教室を開催。4~6人の少人数制で、一人一人のペースに合わせてきめ細やかに指導しています。

 「単なる話し方教室ではなく、自らの思いを語れるしなやかな思考とたくましい心を養います。自分の考えを整理し、相手に伝わる言葉で気持ちを届けられるよう導きます」

 1コマ70分の授業で、カリキュラムには自身で開発した教材「コミュプレゲーム」を活用。提供されるテーマに沿ってプレゼンを行うと加点されるもので、合計得点を競います。遊びの中で構成を組み立て、分かりやすく話す練習を重ね、語彙力や表現力を磨きます。

 「授業の前半は対話トレーニングで、好きな本や図鑑などお題をもとに楽しくディスカッションしながら論理的に話す力や、他者の意見を受け止める力を身につけます。後半は、思い描くイメージやアイデアを形にするパソコンスキルの習得に当て、資料が作成できるパワーポイントなどの使い方を学びます」

 発表会では自分で作ったスライドを用い、80人以上の前でプレゼン。話す力(ソフト)とツールを使う力(ハード)、この両輪を回すことで、現代社会で通用する実践力を育みます。

#chapter2

人間関係などに悩む生徒と向き合った高校の教員時代に「伝える力」の重要性を痛感

 以前は高校の英語教師として教べんを執っていた津波さん。「伝える力」の重要性に気づいたのは、ある生徒の相談に乗ったことがきっかけです。
 
 「人間関係や進路に悩みを抱える生徒を数多く見てきました。原因の多くは、言葉足らずで自分が意図する通りに相手が受け取っていないことにあります。日頃から対話が大切だと説いていたのですが、やり方を教授しているわけではなく。『コミュニケーションの取り方なんて誰も教えてくれなかった』という切実な訴えにドキッとしました」

 当時3歳の息子も人前に出たがらず、人の目を見て話ができない様子に胸を痛めていた津波さん。改めて子どもたちの「伝える力」に懸念を覚え、海外の教育事情に着目します。

 「こうしたい、こう感じていると、個々の意思を重んじる海外では、幼い頃から『あなたはどう思う?』と問われます。意見を求められる機会が日常的にあり、自分が言いたいことをきちんと主張する力がおのずと備わりますが、相手の心情を推し量る日本では自己発信の経験が圧倒的に足りません。幼少期から表現する場を用意すれば、コミュニケーションの質も変わるのではと思いました」

 津波さんは、活発な発言を促すべくコミュプレゲームを考案。音楽やアニメーションに合わせ、ランダムに提示されるテーマで語らう時間は家族の団らんとなり、息子も上手に気持ちを言えるように。「適切にトレーニングすれば子どもの力は確実に伸びる」と確信し、教室を立ち上げました。

#chapter3

多様性を受け入れるインクルーシブな環境と、安心して発言できる心理的安全性を確保

 「話すのが好きで強みとして伸ばしたい子、会話のキャッチボールが得意ではない子など、さまざまなお子さんが通っています。それぞれの個性や違いを尊重し合う人間性豊かな人材を育成するため、多様性を受け入れるインクルーシブな環境のもと、各クラス2~3人の指導員をつけ、柔軟に対応しています」

 話すことへの苦手意識は「笑われる」「否定される」などの恐怖心がベースになっていることが多く、津波さんは、自らの考えや感情を自由に述べる心理的安全性の確保に努めています。

 「伝わる話し方だけでなく、良い聞き手の条件も教えています。合言葉になっているのが、『聞いてあげる・認めてあげる・肯定してあげる』。頭文字をとって“キミコ”と名付け、生徒も『今はキミコの時間だよ』と呼び掛け合っています」

 保護者からは「授業中に発言できるようになった」「家庭以外でもスッと言葉が出るようになった」「自信がついて何事にも積極的になった」といった声も。「何を言っても大丈夫」という安心感の中でこそ、言葉が生まれると実感しています。

 「大学入試でもプレゼン能力が重視され、グローバル化が進むいま、理解や共感を呼ぶコミュ力は必須です。いずれは各地に教室を展開し、『伝える力を鍛えるインフラ』として当たり前の存在となり、世界へ羽ばたく人材を輩出していきたいですね」

 今後は志を同じくする企業と協力することも展望。オンライン授業も視野に入れ、子どもたちの成長をサポートしたいと意欲を見せます。

(取材年月:2025年11月)

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津波章太

子どもが安心して話せる場を整え、言葉と自信を引き出すプロ

津波章太プロ

教室運営

コミュプレStudio

子どものコミュニケーション力とプレゼンテーション力を伸ばす教室。ゲーム性のある対話トレーニングと、伝えたいことを形にするPC・ICTスキルを高め、社会で通用する表現力を磨きます

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