PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

地元備前市への思いを胸に国道2号の維持管理に50余年

確かな技術と高い専門性を持つ道路舗装工事のプロ

上田喜海也

道路工事のプロ集団「上田組」代表の上田喜海也さん
社員全員が道路工事における高い専門性と技術を持つ

#chapter1

確かな技術で強度が高く、長持ちする道路をつくる

 「郷土を愛する気持ちを大切に、道をつくり、守っています」と話すのは、「上田組」(岡山県備前市東片上)代表の上田喜海也さん。主に国道2号(浅越~船坂峠間)の道路工事、道路パトロールなどの公共工事を手がけ、実績を重ねています。

 道路工事では、創業者の先代から受け継いだ技術力を生かし、強度が高く長持ちする道路をつくることを信条としています。
 「端部に大きな石などがまじると仕上がりに影響するため、砂分の多い粒がそろったアスファルト材を用い、道路の品質向上を図っています。また、補修工事においては、下地調整という工程にこだわります。下地のアスファルトの凹凸に合わせて平らにならしていかないと、走行時のストレスが増したり、最悪の場合、事故につながったりするからです。さらには、新しいアスファルトと古いアスファルトの境目となる外縁部分も、はがれが起こらないように、しっかりと施工します」
 
 陥没、損傷といった問題がないか巡回する道路パトロールにも、丁寧かつ慎重に臨みます。
 「国道2号は阪神高速道路に接続し、物流の基幹となります。大型トラックの通行量が多いため、道路が傷みやすいんです。例えば道路の傾斜が変わってしまうと、大雨の際に近隣への水の流れが変わり、住宅などが浸水してしまう恐れがあります。日々のパトロールでは細心の注意を払い、小さな異変も見逃さないようにしています」

 先代からは、「自分の名前を掲げても恥ずかしくない仕事をしなさい」と言われ続けてきた上田さん。この言葉を胸に刻み、事業に取り組んでいます。

#chapter2

道路に関わることには、社員全員が専門性の高い技術を持つ

 上田さんのもとで働く社員は4人。小規模な会社ですが、道路工事の一環として、橋梁や側溝のコンクリート補修工事、木の伐採を含む高所作業、草刈りなど、全員が専門性の高い作業に対応できることも同社の強みです。
 「高所作業車に乗って、台風で倒れた沿道の木を伐採することもありますが、車が行き交う中で、木を落下させないように切断するには相応の技術が求められます。こうした高所の業務も技能講習を受ける義務があり、私どもでは社員全員が修了しています。他にも、チェーンソーの取り扱いや重機の操作など、実務に必要な講習はすべて済ませているため、道路に関わることは、ほとんど当社で請け負うことができます」

 社会インフラを支えるため、精力的に活動する上田さんですが、時に「キツい」と感じることもあるそうです。
 「特に夏場ですね。炎天下で160℃にも及ぶアスファルト材を扱うため、現場は灼熱状態です。熱中症にならないように水分と塩分をとるなど、体調の変化には十分に気をつけています。一方、冬は、雪に備えて道路に凍結防止剤を散布しなければなりません。雪が降りそうな日は、いつでも出動できるように準備をしています」

 また、エサを求めて山から下りて来る動物も多く、車にはねられてしまうことも。死骸の撤去のため、夜中に出て行くこともあります。「ほぼ24時間体制」と苦笑しますが、「一人一人が技能を備えたプロ集団として、務めを果たしたい」と力強く語ります。

災害時の情報収集のためドローン事業を推進中

#chapter3

災害時の情報収集のためドローン事業をスタート

 1967年に創業し、半世紀余の歴史を持つ会社を率いる上田さん。「大変なこともありますが、地域の方々に『ありがとう』と言われることが原動力になっています」と笑顔を見せます。

 道路工事を行うときには、安全管理を徹底し、周辺の住民に迷惑をかけないように対策を講じています。ボランティアで道路を清掃してくれる人もいて、見かけたら必ずあいさつをするなど常に配慮を心がけているそうです。
 高い技術と誠実な仕事ぶりで、2012年頃からは備前市の道路舗装を受注。昨今は土木工事を請け負うなど業務内容を拡充しています。

 さらに、地震や台風といった自然災害が発生した際に役立てたいと、ドローン事業にも着手しています。「2018年の西日本豪雨では、岡山県も甚大な被害を受けました。災害時に、人が入っていけない場所の状況を把握し、情報収集をする必要性と重要性を痛感したことがきっかけとなりました。経年劣化が進むコンクリートの構造物も多いので、崩落の危険を調査するような事業も立ち上げたいと思っています」
 
 ドローンの操縦資格も社員すべてが取得。ベテラン社員の体力的な負担を軽減するために、また、新しいテクノロジーを取り入れることで若い社員にやりがいを感じてもらえるように、ドローン事業を軌道に乗せたいと意気込みます。

 「道路舗装事業を通じて人々の生活を支え、まちの発展に貢献することが私どもの役割と自負し、地元に根を下ろして歩みを進めてきました。これまでの経験がドローン事業にも生かせると考えています。お世話になってきた備前市のために、今後も力を尽くしたいですね」

(取材年月:2022年1月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

上田喜海也

確かな技術と高い専門性を持つ道路舗装工事のプロ

上田喜海也プロ

道路工事・管理事業者

有限会社上田組

社員一人一人が高い技術を持ち、安全性と強度の高い道路をつくっている。さらに、車の安全な走行と周辺の住環境への影響がないように、道路の損傷等を見逃さないように日々パトロールを行う。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ岡山に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または山陽新聞社が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO