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世界大会も開催されるeスポーツ。ゲームの対戦を通じて交流も生まれ、地域や組織が沸く

eスポーツを活用して地域活性化や企業PRを支援するプロ

平川聡憲

平川聡憲 ひらかわさとのり
平川聡憲 ひらかわさとのり

#chapter1

年齢、性別、国籍、障がいの有無を超えて楽しめるeスポーツのイベントを運営

 ビデオゲームによる対戦を競技化した「eスポーツ」を軸に、イベントや大会の運営を担う「eGC」の代表・平川聡憲さん(岡山県倉敷市木見)。年齢や性別、国籍を問わず、個人でもチームでも競い合えるのが何よりの特長だと言います。

 「例えばサウジアラビアでは、王子が業界のけん引役になり世界最大規模の大会を企画しています。日本でも都道府県の代表が集結する選手権が毎年行われ、プロプレイヤーも活躍し、チームを持つ高校や専門学校もあるほどです」

 平川さんは、パズルやスポーツ、格闘系をはじめ多様な“種目”を用意し、町おこし、組織の活性化、企業広報などさまざまな場面で協力しています。

 「各地の青年会議所に呼ばれ、子ども向けイベントを開いたりしています。発達障がいのある子や不登校の児童にスポットを当てた大会を支援した際は『新たな自己表現の場になる』と先生方にも喜ばれました。自治体の事業で交流イベントを開催したこともあります」

 eスポーツは高齢者にとっても指先や脳への刺激につながり、孫世代との会話が弾むきっかけにもなるとか。レーシングゲームでクラシックカーを運転し、過去の記憶と重なって感極まる人もいるそうです。

 「スポンサーとして冠イベントを開く企業もありますね。eスポーツはテレビや紙媒体と縁遠い若年層にもアプローチでき、会社の魅力を訴求すれば人材獲得も期待できます。実際に愛媛大学の企画でサッカーゲームを用い地元企業と留学生のマッチングを試みたこともあり、アイデア次第で大きな効果が得られるコンテンツだと感じています」

#chapter2

ゲームセンターを愛し20年あまり勤務。eスポーツのプロチームに影響を受け事業化

 ファミリーコンピュータが生まれる前のゲーム黎明期から遊んでいたという平川さん。映像、音楽、操作性などテクノロジーの進化に感動し続けた結果、現在の道に進みました。

 「ゲームセンターを愛し、大学卒業後は中国・四国エリアを中心に店舗展開する企業に就職しました。当時、会社初の大型店の立ち上げに携わり、ノウハウが少ない中で運営を構築していきました。やがて本部に移りゲーム機全般の仕入れを担当するようになり、どの機種を何台設置するかで売り上げが左右される、重要なポジションを任されました。その後、マネージャーとして店舗の運営・管理、経営分析、採用など幅広い業務を経験しました」

 20年以上にわたり勤務したものの業界の流れが変わり、ビデオゲームに代わってクレーンゲームが台頭するように。平川さんも自身の存在意義に疑問を持ち始めます。

 「eスポーツとの出合いは、岡山のアミューズメント機器メーカーがきっかけです。『自社製品にゲームの世界観を取り入れるなら、まずオリジナルの作品を理解しよう』と、格闘ゲームに特化したプロチームを所有する姿勢に心を打たれ、本気でeスポーツを応援するようになりました。その後、私は独立を果たし、ゲームセンター運営のコンサルティングやグッズの委託販売を始めたのです」

 仕事の醍醐味は大会出場者に「また開催してほしい」と声をかけられる時。勝者は再び栄光を味わうために、敗者はリベンジのために発する言葉で、裏にあるドラマに思いをはせることで意欲が湧くと話します。

平川聡憲 ひらかわさとのり

#chapter3

機材持参で全国に出張可能。ゲームセンターの運営や業界不問の人材育成も相談を

 今後もeスポーツのすそ野を広げることが使命と語る平川さん。どこからでも参戦、観戦できるオンラインもさることながら、現場で白熱する闘いを繰り広げる対面でのイベントを大切にし、会場さえあれば機材をかついで全国どこでも駆けつけると続けます。これまでも自治体のホール、統廃合で使われなくなった学校、ショッピングセンターの多目的スペースなどで実施してきました。

 「特に地方では、若者を中心に住民がエネルギーを発散する場が少なかったりしますよね。地方にプロゲーマーと訪れたところ、写真撮影やサイン攻めにあったという場面も多く見ました。それほど熱心なファンがいることをより多くの人に知ってもらいたいです。会場を沸かせるためにプロやMCも手配できます」

 並行して自身の原点である、ゲームセンターの開業・運営に関するコンサルティングにも注力。2023年には音楽ゲームばかりを集めた「ゲームえの木高松店」のオープンに携わりました。上階はeスポーツ施設で、古い格闘ゲームも設置しています。

 「長く店舗運営を担ってきたのでニーズの見極めにたけています。また、スタッフの採用や人材育成の経験は他業界の中小企業にも応用できるでしょう。チームビルディングや組織の活性化において、ゲームの要素を取り入れたアプローチも提案可能です」

 「異なる部署間の連携を高めたい」「従業員の家族も巻き込んだコミュニケーションの場を設けたい」といった相談にも応じています。

(取材年月:2024年10月)

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専門家プロフィール

平川聡憲

eスポーツを活用して地域活性化や企業PRを支援するプロ

平川聡憲プロ

イベントプロデューサー

株式会社eGC

世代を問わず参加できるeスポーツの大会・イベントを企画から運営まで引き受ける。障がい者や高齢者向けのアレンジも可能で、町おこしや組織活性化にもつながる。企業アピールの場としても有効。

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