PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

日常の中に本当に美味しいコーヒーを!そして世界中の人を笑顔に

本当に美味しいコーヒーを追求するプロ

中塚茂次

中塚茂次 なかつかしげじ
中塚茂次 なかつかしげじ

#chapter1

本当に美味しいコーヒーを家庭で味わって欲しい

 芳醇な香りや澄んだ味わい…美味しいコーヒーを味わえば、疲れが和らいだり会話が弾んだり、幸せなひとときが感じられるといっても過言ではありません。中塚茂次さんが目指すのは、そんな“本当に美味しいコーヒー”を“家庭で”飲めるようにすること。

 『三洋産業』は、コーヒーに関する業務を中心に、時代に即した食文化を提案する会社。中でも特に力を入れてきたのが、コーヒーを抽出するコーヒーペーパーフィルターの研究開発です。現在、コーヒーペーパーフィルターを製造している企業は、九州では『三洋産業』のみ。全国でも数社しかない希少性の高さも注目すべきところです。

 「たとえばレストランに行くとして、食事が美味しい上に、食後のコーヒーが本格的な味わいであれば、満足度はぐんとアップしますよね」。今や缶コーヒーも当たり前に出回り、カフェやコンビニでも、コーヒーは身近な存在ですが、懸念すべきは、美味しいコーヒーについての、正しい知識を身に付けている人が少ないという現実。「プロでないと美味しくドリップできないと思っている人も多いのですが、コツさえ覚えれば誰でも簡単にご自宅でドリップすることができるのです」。

 このような思いから、2016年に立ち上げたのが、自社製造のコーヒー関連商品に総称した新ブランド「CAFEC(カフェック)」。そのなかでも特に中塚さんが開発し、世界から注目を集めているのが、浅煎り、中煎り、深煎りという豆の焙煎度別の抽出に適した、厚さの異なるコーヒーペーパーフィルターです。「美味しいコーヒーを淹れるには、ドリップをする時、焙煎度具合に合わせた抽出の速度が大切になってきます。この抽出速度を焙煎度別ペーパーで調節することができるので、あとは温度とちょっとしたコツをしっかり押さえれば、絶対に美味しくなります」。
 これまでの経験と理論に裏付けされた手法と器具が、確かな味を約束してくれます。

#chapter2

調理や営業などあらゆる経験を糧に

 中塚さんは、父親を先代とする2代目で、子どもの頃からコーヒーを身近に感じて育ちました。三洋産業に入社する決心のきっかけは高校生の時。三洋産業が自社開発をしたコーヒーフィルターを成型する機械をオランダへ逆輸出することになり、先代社長と当時の工場長が2週間オランダへ渡航したのを見て、海外への憧れや眩しさを感じたそうです。
 しかし、大学でアメリカに留学し、帰国後入社しようとした中塚さんに、先代が進めた就職先が、セントラルキッチンの構想をふまえた上での料理の仕事。「右も左も分からないまま『杉乃井ホテル』へ入り、洋食のコックとして経験を積み、ケーキやパン作りの腕を磨きました」。

 その後さらに、京都のセントラルキッチンへと移り、冷凍食品の製造の経験を積んだ後、27歳の時に三洋産業へ戻ることに。
 修行の経験が活かせるかと思いきや、会社の事情が変わっており、商品開発の業務や、九州や四国、中国、関西、中京、北陸と広範囲にわたる地域の営業にまわることになったのです。コーヒー器具のほかギフト関係の営業を担当したものの、もちろん営業経験はゼロ、新規の飛び込み営業をするにも抵抗があったそう。そうした中でも徐々に得意先が増えて成績を上げられるように。

 そんな時に中塚さんの胸に湧いたのは、「これからの時代、コーヒーはもっと進化する」という思いでした。「これからはインスタントコーヒーからレギュラーコーヒーの時代になると確信していました」。そこで、上司に提案してコーヒーバックを作ると、目論見は見事に当たって売れ始めるように。自社製品だけでなく、PB商品、特にコーヒーペーパーフィルターのPB商品の依頼も増え始めたのです。そして、もともと構想を温めていた円錐形コーヒーペーパーフィルターも、実は、世界に先駆けて三洋産業が開発したのです。

中塚茂次 なかつかしげじ

#chapter3

世界で広がる「家庭で楽しむコーヒー」の需要

 「CAFEC」ブランドができてからは、ブランドサイトや海外の展示会などでPRを重ね、瞬く間にCAFECのコーヒーペーパーフィルターが評判に。特にコロナ禍で自粛生活を余儀なくされたさまざまな国でCAFECの品質が認められ、アジア、オセアニア、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパや中東などでもCAFECが高く評価され、広く受け入れられるようになってきました。海外での販路拡大が進む中、現在(2020年11月)およそ40カ国の代理店と取引を開始し、売上高も順調に伸びています。

 代理店向けには、抽出の理論と方法についてのセミナーも国内外で行うなど、焙煎コーヒーの普及にも積極的に尽力する中塚さん。これからは本社の敷地の一角にセミナールームをつくり、家庭で美味しく淹れられるコーヒーセミナーを開くことも視野に入れています。
 「ただただ美味しいコーヒーを知って頂き、一人でも多くの方に幸せを届けたい」情熱あふれるその思いは、変わることなく広がっていきます。

(取材年月:2020年11月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

中塚茂次

本当に美味しいコーヒーを追求するプロ

中塚茂次プロ

コーヒーペーパーフィルター製造

株式会社 三洋産業

豆の選び方や焙煎について、抽出方法など、美味しいコーヒーについての知識を、一人でも多くの人に広めて、豊かなライフスタイルを過ごして欲しいと願っています。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ大分に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または大分朝日放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO