演劇を中心に人と人をつなぎエンタメ文化の醸成を担うプロ
原尻さちこ
Mybestpro Interview
演劇を中心に人と人をつなぎエンタメ文化の醸成を担うプロ
原尻さちこ
#chapter1
「演劇はとても幅が広いもの。セリフだけでなく歌やダンス、立ち回りもあれば、美術の力も借ります。そして、完成した舞台をより多くの方に届けるためには集客も欠かせません。さまざまな力が合わさり、一つの作品が生まれる。その凝縮された世界を、私はずっと見てきました」
そう語るのは「アートワーク」代表で、「劇団吉祥じゅん&ワルキューレ」の制作を担う原尻さちこさん。俳優・演出家の吉祥じゅんさんの右腕として、長年にわたって舞台づくりの裏側を支えてきました。
劇団は1986年の旗揚げ以来、固定の劇団員を持たず、公演ごとにメンバーを編成するスタイルを貫いています。「劇団維持のためではなく、お客さまのために作品を作りたい」という思いが背景にあり、原尻さんは大分県内外に幅広いネットワークを築いてきました。
その活躍の幅は舞台にとどまりません。映像作品のキャスティングコーディネート、クラウドファンディングサポート、イベント企画など、表現の場を広げながら「人と人をつなぐ」役割を果たし続けています。大分が主要舞台となった映画作品で出演者の手配を依頼されたことをきっかけに、以降は「大分市ロケーションオフィス」の推薦を受け、多くの映画やドラマで現地キャスティング担当として尽力。ときには大分弁の指導を行うこともあるといいます。
「最近はテレビCMや企業のブランディングムービーのキャスティングも増えています。人と人をつなぐ役割は、舞台でも映像でも変わりません」
#chapter2
劇団の公演では、1000人規模の動員を実現してきました。一方で「地方でも質の高い舞台に触れられる機会を増やしたい」という思いから、早くからクラウドファンディングにも取り組んできました。その経験を生かし、現在はクラウドファンディングサイトのキュレーションパートナーとして、企画立案から広報支援まで伴走しています。
「リターンの設定や発信方法について悩まれる方は多いですね。ページを作っただけでは支援は集まりません。最終的には、直接のPR活動が欠かせないのです」
また、イベント企画においても、大型商業施設でのステージショーや、遊園地で本格的なセットを使用したお化け屋敷の運営など、多彩な場での実績を重ねてきました。こうした積み上げてきた現場経験が、現在の幅広い活動の基盤となっています。
そんな原尻さんの原点は、小学校から高校まで続けた演劇活動にあります。吉祥じゅんさんの劇団旗揚げ公演に出演したことが、大きな転機に。「学生演劇しか知らなかった私にとって、本番中に拍手や笑いが起こり、お客さんが涙を流して帰る姿は衝撃でした。またこの景色を見たいと思い、何度もオーディションを受け続けました」と振り返ります。
やがて劇団に寄せられる依頼を調整する役割も担うようになり、事故の後遺症をきっかけに制作業務を主軸に据えることに。裏方として舞台運営を支える道を歩み始めました。
「予算管理、PR、スケジュール調整など業務は多岐にわたりますが、演出家や出演者が力を出し切れるように整えるのが私の役目です。大変ですが、舞台が完成すると、やってよかったと心から思えるんです」
#chapter3
近年、特に力を入れているのが次世代育成です。2017年に子ども演劇教室を開き、本格的な演技を学べる機会を整えてきました。
「演技表現を学べる環境は、地方ではまだ多くありません。本当にやりたい子に来てほしいですね」と原尻さん。教室では小学1年生から受け入れ、1クラス最大4名の少人数制。指導は吉祥じゅんさんが直接行い、一人一人の個性を引き出すことを大切にしています。
「台本を覚えるのではなく、気持ちを伝えることが大切だと伝えています。ここ大分で実力をつけて、夢を持った子が次のステージへ進んでくれたらうれしいですね」
子どもたちの夢を応援する取り組みとして、「キッズシアタープロジェクト」も展開。大分県が大きなスポーツイベントの開催地となった際、ステージ企画に携わったことをきっかけに、「実際の舞台に立つからこそ学べることがある」と気付いたためです。オーディションで選ばれた子どもたちは、約1年をかけて稽古に取り組み、照明やセットの整った舞台に立って観客と向き合います。
私生活では、家族を亡くし、自身も事故の影響で杖が必要な状態ですが、それでも活動を止めませんでした。「やったことがなくても、無理と決めつけず『できるんじゃないかな』から考えるんです。実行力と継続力が私の強みかもしれません」と笑顔を見せます。
「自分が舞台からもらった感動を、次の世代にも、そして多くの人と共有したい」。その思いが、原尻さんの活動をこれからも前へと進めていきます。
(取材年月:2025年12月)
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Profile
演劇を中心に人と人をつなぎエンタメ文化の醸成を担うプロ
原尻さちこプロ
制作プロデューサー
アートワーク
演劇制作で培った現場経験と、舞台・映像・イベントを横断する幅広いネットワーク。キャスティングやクラウドファンディングサポートなど、企画力と実行力で人と人をつなぎ、地域に感動の場を生み出します。
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