交通安全教室で活躍するカースタントのプロ
佐藤憲
Mybestpro Interview
交通安全教室で活躍するカースタントのプロ
佐藤憲
#chapter1
テレビや映画の中で見るスタントマンは、信じられないような激しいアクションを繰り広げています。そうした現場の第一線で活躍してきた佐藤憲さんは、「株式会社アッシュネクストプロモーション」の代表取締役。高校まで長崎で過ごし、俳優を目指して上京。養成所で学んだ後、実際に俳優として活動していくうちに、スタントに興味を持つようになったのだそう。
「最初は俳優の仕事の幅を広げるためでした。自分の特技が欲しいと思って、アクションの世界に入ったんですね。でも、すごく魅力を感じて、徐々に過激なスタントに夢中になっていった感じです。いい意味で洗脳されたんだと思います」。
21歳の時、体を使って危険な事故シーンなどを行うボディスタントを始めて、26歳で車やバイクの運転に特化したカースタントにも取り組むようになった佐藤さん。他の人と同じことはしたくない、他の人ができないことをしたい、チャレンジするのはおもしろい……。そんな気持ちで、スタントの世界で日本一を目指していました。実際、走行中のジェットコースターから飛び降りたり、バンジージャンプでスイカを割ったり、佐藤さんにしかできないことも多く成功させました。また、当時はまだ、テレビもコンプライアンスが緩く、スタントマン自体にスポットが当たる番組や、お笑い芸人さんたちと一緒にアクションをする番組などもあったそうです。
#chapter2
ボディスタントとカースタントの両方をこなせる実力派として頭角を現していた佐藤さんは、29歳の時に首の骨を折る大けがに遭います。幸い奇跡的に後遺症もなく回復できたものの、周囲からは「危険なスタントは引退するように」という助言ばかり。しかし佐藤さんは、逆境に強く、こんな時にこそ闘志を燃やすタイプ。こんなことでやめられないと思い、古流武術を学んだりして精神的にも肉体的にも鍛錬を重ねました。そうした中で出会ったのが、現在手がけている交通安全教室なのです。
九州を拠点に交通安全教室を主体とした会社を起こそうと長崎に戻りました。そして、2016年に「株式会社アッシュネクストプロモーション」を設立。もちろん、映画やテレビの仕事も受けていますが、佐藤さんが力を注いでいるのは、恐怖を実感させることで、交通事故につながる危険行為を未然に防ぐ教育手法・スケアードストレート方式を導入した交通安全教室です。実際に起きた交通事故の模様や事故につながる危険な行為、事故の発生しやすい場所や状況を再現し、プロのスタントマンがその場で実演。事故の状況や原因を具体的に伝え、交通ルールを守ることの大切さを実感させることがねらいです。最近は、交通ルールを徹底する方法として広く採用されています。
#chapter3
交通安全教室をやっている会社は全国に6社、九州でカースタントができるのは、「アッシュネクストプロモーション」だけです。日本でボディアクションができる人は10,000人以上が存在しますが、一方でカースタントができる人は50人ぐらいだとか。両方できてキャリアも豊富な佐藤さんは、かなり貴重な存在ということになります。また、東京から九州に交通安全教室一式を運んでくると100万円ほどがかかるところ、長崎に拠点を持つ佐藤さんに頼めば、おおよそ1/3程度の料金で実現できるというのも大きなメリットです。
「スケアードストレート方式の交通安全教室を見た人は、車に注意を払うようになって、飛び出しをしなくなります。そういった意識が長崎中に広がって、長崎の交通事故が減っていけばいいですよね。長崎が全国で交通事故がいちばん少ない県にしたいですよね」と、思いを語る佐藤さん。今後は、さらに地元九州、長崎のために力を尽くしたいと考えているのだとか。将来のビジョンは、1人でも多くの人に交通安全教室を見てもらって、交通安全意識の向上と交通事故の削減に貢献していくこと。今は、県や市、自治体、警察、学校関係からの依頼がほとんどですが、人が多く集まるスポーツのイベントや各企業の新人研修、社員研修なども視野に入れて、より安全で、より暮らしやすい長崎づくりを目標にしています。
(取材年月:2020年2月)
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株式会社アッシュネクストプロモーション
ボディスタントとカースタントの豊富なキャリアを持ち、広く信頼を得ている
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