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経営成果につながるISO運用を導き、課題解決を目指す

経営に役立つISOマネジメントシステム構築・運用改善のプロ

小川充宏

小川充宏 おがわみつひろ
小川充宏 おがわみつひろ

#chapter1

約300社の審査実績をもとに、中小企業向けのコンサルティングを実施

 企業や自治体に広く普及している「ISO」。ISOとは、国際的に統一した規格を制定する国際機関、国際標準化機構の略称です。工業製品だけでなく、組織の仕組みについても標準化を推進。体制づくりや作業手順書作成、内部監査の方法などを「マネジメントシステム」として規定しています。

 代表的なISOマネジメントシステムに、製品・サービスの品質を向上するためのISO9001(品質マネジメントシステム)、環境保全・改善に関する指標達成を目指すISO14001(環境マネジメントシステム)などがあります。2015年版は事業プロセスと統合する中で、それぞれのパフォーマンスと事業プロセスのパフォーマンスの一体化を図っています。

 「和顔(WAGAO)マネジメントシステム」の小川充宏さんは、10年にわたり、ISO9001・ISO14001の審査員として活動。これまで、多種多様な業種で約300社の審査を行ってきた実績をもとに、ISOの構築や運用に悩む中小企業に向けたコンサルティング事業を展開しています。

 「本来企業がISOを取得する目的は、本業に利益をもたらすことです。一方で、維持すること自体が目的となり、運用にフラストレーションを感じている担当者も少なくありません」と小川さん。特に中小企業では、人的にも時間的にも余裕がないケースが多く、細かい業務や社内調整などを行う〝ISO事務局〟と呼ばれる社内担当者への負担が大きくなりがちです。

 「ISOの運用に〝正解〟はありません。企業それぞれの事情や風土に合わせて取り組むことで、本業への効果が徐々に表れます。コンサルタントが一方的にノウハウを伝えるのではなく、取り組み方を一緒に考えます」と話します。

#chapter2

メーカーでの運用改善業務から、メリットに触れる

 小川さんがISOに関わったのは、大学卒業後に入社した、長野県にある通信機器・医療機器メーカーでの品質保証業務でした。事務局部門及び内部監査員として、ISO9001、ISO14001、ISO13485(医療機器マネジメント)の運用改善を担当しました。

 ISOでは、「計画→実行→評価→改善」のサイクルを回す「PDCA」という手法が重要とされます。メーカーの品質保証では、PDCAを実践しながら、目標達成や再発防止・未然防止、故障解析などに取り組みました。「ISOに触れたことで、仕事の進め方が変わりました。問題が見つかったときに、個人の経験や勘に頼るだけではなく、客観的な事実に基づいて対処することができるなど、メリットを実感しました」と小川さん。

 業務への成果を感じたことで、「ISOを生かした仕組みづくりをもっと極めたい」と、ISOの審査機関に所属し、審査員として活動することを決意。メーカーでの経験から、電気・電子機器、金属加工、プラスチック加工などの製造業を得意分野としながら、幅広い業種に対応しました。数々の企業を訪れるうちに、コンサルタントとして関わりたいと考えるようになったそうです。

 「審査員の立場では、『もっとこうすればいいのに』という気持ちがあっても、一つ一つの企業に深く入り込み、コンサルティングを行うことはできません。もっと細かい部分までフォローし、課題解決につながる支援をしたいと思いました」。審査する側の目線と、企業内での運用経験を強みに、ISOを活用した組織づくりをサポートします。

小川充宏 おがわみつひろ

#chapter3

「経営に役立つISO」を実感してもらえるように

 小川さんが大切にしているのは、「ISOを企業にとって役立つものにすること」。経営者や担当者から「業務改善の参考になった」と言われたときが何よりうれしいそうです。

 「あるとき、審査で訪れた企業に、改善すべき項目を指摘しました。それでも、『改善点を見つけてもらえて良かった』と感謝されたことを今でも覚えています」

 ISOを効果的に活用するためには、従業員が全員参加で取り組むことが大事だと言います。「例えば、自社がISO9001を取得しても『管理責任者が知っていればいい』『製造関連の部署が取り組むこと』と誤解している人が多いのではないでしょうか。製造業なら、仕様書を固める営業、売掛金を回収する経理も、マネジメントシステムの仕組みの中で役割を担っています」と語ります。

 成功の鍵は、従業員一人一人が、ISOをツールとして理解した上で、「自分は何をするべきか」を認識し、実務に反映できるようにすること。「例えば、問題を見つけ、その要因を分析して論理的に解決する『QC手法』を身に付けた人材は、即戦力になります。全社的にISOに取り組むことは、結果的に経営資源の一つである、人財育成につながります」と小川さん。

 ISO取得をゴールとするのではなく、本来のあるべき姿である「企業経営のためのツール」として積極的に活用し、事業の発展につなげませんか。

(取材年月:2021年5月)

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ISOコンサルタント

和顔(WAGAO)マネジメントシステム

約300社の審査実績と、メーカーでのISO9001・14001などの運用経験で培った、豊富なノウハウをもとに構築・運用をサポート。事業内容に合わせた提案で「企業にとって有益なISO」を目指します。

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