ブロック塀の点検・改修で地域の安全を支えるプロ澤尾昌広

ブロック塀の点検・改修で地域の安全を支えるプロ

澤尾昌広

ブロック塀診断士が、点検から解体・改修まで一貫対応

　「古いブロック塀をそのままにしていませんか。建築基準法の改正前に建てられた古い塀は、耐震基準を満たしていない可能性が高いため、耐用年数にかかわらず点検が必要です」
　そう話すのは、佐久市に事務所を構える「澤尾工業」代表取締役の澤尾昌広さん。同社は、土木工事やエクステリア・外構工事の分野で30年以上の実績を積んできました。澤尾さんはブロック塀診断士として点検や改修に力を入れています。

　「2018年の大阪北部地震では、ブロック塀の倒壊により小学生を含む2名が亡くなる事故が起きました。これ以降、国や自治体で点検の呼びかけが強まりました。南海トラフ地震など大規模地震が懸念される中、地域の安全性を高める取り組みは欠かせません」

　ひび割れや傾きなど目立った劣化がなくても、早めの点検が安心です。
　「万が一、所有するブロック塀が倒れて通行人がけがをしたり、車が傷ついたりした場合、所有者が責任を問われる可能性があります。『気になっていたけれどそのままにしていた』という事態を避けるためにも、気になることがあれば早めにご相談ください」

　診断では、ブロック塀の高さや厚さ、鉄筋の有無、基礎部分の根入れの深さなど、国の基準に沿ってチェックします。一つでも基準に満たない場合は、解体のほか、高さを抑える“減築”や補強など、状況に適した方法を提案し、施工まで一貫して対応。解体などに補助金制度が利用できる自治体もあります。
　「古いブロック塀を造り替える際には、より耐久性の高い素材や軽量フェンスの提案も行っております。ホームページには簡易版の無料診断ツールもありますので、気軽に活用してください」

土木や外構工事で長年培った技術力で、細部まで美しい仕上がりを追求

　澤尾さんは、2025年4月からブロック塀診断サービスを本格スタートさせました。個人宅だけでなく、公共施設などの塀撤去などにも対応しています。

　最近は、「実家のブロック塀が一部倒壊したので修繕したい」という相談が寄せられました。石垣の上に塀が立ち、その下を川が流れるという慎重な判断が求められる現場でしたが、小型クレーンを使いながら一つ一つの工程を確かめ、無事に仕上げたといいます。
　「お客さまからは、『難しい現場で、頼める業者が見つからず不安だったので、すぐに対応してもらえて本当に助かりました』と声を掛けていただき、私自身も胸が温かくなりました」

　創業以来、道路やインフラ工事、カーポートや玄関アプローチなどの外構・エクステリア工事などを通して、技術力を磨いてきた同社。外構工事では、デザインだけでなく、使いやすさや耐久性など経験に基づいた提案力も発揮します。
　「私は現場に30年以上携わっています。もともと細かいところが気になるタイプなので、細部まで美しく仕上げることをスタッフにも徹底しています。お客さまにも『見えにくいところまできれいにやってくれた』と気付いていただけることが多く、やりがいを感じますね」

　澤尾さんの丁寧な対応の根底にあるのは、「おもてなしの心」。
　「『ここに頼んで良かった』と思ってもらえるよう、お客さまの気持ちに寄り添ってお話を聞くことを心がけています。ちょっとしたことでも気軽に頼んでいただき、現場施工を通して、安心で快適な暮らしづくりに貢献したいですね」と思いを語ります。

資格取得と継続的な学びで、専門性をさらに深める

　18歳から土木の世界に入り、腕を磨いてきた澤尾さん。「もともと、ものづくりが好きで、自分が手掛けたものが完成する喜びを味わえるところに魅力を感じました」と振り返ります。

　澤尾さんの熱心な仕事ぶりや人柄を評価する取引先の社長からの勧めをきっかけに、2006年に個人事業として「澤尾工業」を開業しました。
　「現場で培ってきた技術力やアイデアを生かして、自分でやってみたいという思いもありました。その時々で人との出会いに恵まれ、紹介だけで、順調に業績を伸ばせたことはありがたいですね」

　2017年に法人化し、事業の幅を広げるため、全国の外構施工企業を会員とする公益団体である日本エクステリア建設業協会に入会。エクステリア関連やブロック塀診断士などの資格を取得し、現在は、同協会の長野県第二支部長を務め、一般社団法人首都圏エクステリア協会にも所属しています。
　「専門知識をきちんと身につけたいと思い、講習などを受けました。今も活動報告などを通して、全国の事例などを共有し、学び続けています」

　そんな澤尾さんのもとには、「ブロック塀に不安があっても、どこに相談すればいいかわからなかった」という声がよく寄せられるそうです。
　「私たちが専門家として窓口となり、情報も発信しながら、危険なブロック塀を地域から減らすことで、地域全体の減災につなげていきたいですね。事故などが起こってからでは遅いので、一人一人が意識を高めることが大切です」と力を込めます。

（取材年月：2025年11月）

危険なブロック塀を診断し、安心安全な街づくりに貢献

ブロック塀診断士が、点検から解体・改修まで一貫対応

土木や外構工事で長年培った技術力で、細部まで美しい仕上がりを追求

資格取得と継続的な学びで、専門性をさらに深める

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