地域の移動を支える運転代行のプロ
津田浩
Mybestpro Interview
地域の移動を支える運転代行のプロ
津田浩
#chapter1
「皆さまの大切な命を守るため、私どもは安全運転を徹底し、ご家族が待つわが家へ滞りなく送り届けます」と話すのは、「あづみ野ドライブサービス」の代表・津田浩さん。長野県安曇野市や北安曇郡、松本市を中心に運転代行業を展開。お正月、お盆も休まず、年中無休で稼働しています。
「鍵をお預かりして駐車場までお客さまのお車を取りに行き、ご希望の時間にお食事をされている店までお迎えにあがります。ドライバーの約7割は20年以上の運転経験を持ち、右・左ハンドルどちらの車にも対応できます。大型免許を保有しているスタッフも在籍しており、トラックやバスの代行も承ります」
料金の割引といった特典が受けられる会員制度を用意。登録者数は約8000人に達しています。
「深夜でも伺いますので、取引先との会食やご友人との飲み会などをご堪能ください。中には、年間で350日以上ご利用くださるお客さまもいらっしゃいます。午後3時30分から営業していますので、飲酒した方に限らず、大雪で運転するのが怖い、病院で服薬し、車で帰るのを止められた際もご用命ください。お会計はキャッシュのほか、スマホによる電子決済も導入しております」
津田さんのもとではサービスの質を重視。歩合給ではなく時間給を採用しています。
「案件数に応じて報酬を支払う歩合給の場合、数をこなすことに意識がいき、接客がおろそかになる恐れがあり、リピーターになってもらえません。働いた時間に対して給与を払う時給制によって、焦らず、丁寧にお送りすることで、お客さまにご満足いただきたいと思っています」
#chapter2
津田さんは、1965年に安曇野市(旧穂高町)で生まれました。高校を出て自動車整備の専門学校へ進み、卒業後は整備士として働き始めますが、自分の裁量で稼ぎたいという気持ちが強くなり、トラック運転手へ転職します。
物流の知識を身につけ、自ら運送会社を立ち上げますが、業績が芳しくなくやむなく撤退することに。今後について思案していた折、「あづみ野ドライブサービス」の創業者と出会い、運転代行業に就きます。
「さまざまなルートを頭に入れ、遅延や事故が発生しないよう安全かつ効率的に走行するスキルを存分に生かせる一方で、苦労も多かったですね。当時は個人で営む小さな代行業者でしたから、営業しても全くといっていいくらい相手にされませんでした」
創業者と話し合い、事業者として信用度を高めるため、2000年に法人化して再スタートを切ります。津田さんは副社長として会社の経営に力を注ぎ、人材や業容を拡充。2019年に高齢の創業者に代わって代表に就任したものの、翌年にはコロナ禍へ突入。ちょうど新しい事務所の建築を進めていたタイミングで、基礎工事が完了した段階でした。
「外出自粛を背景に飲食店が休業を余儀なくされ、外でお酒を飲む機会が減り、売り上げは激減しました。苦しい時期で、お客さまの車を追走する随伴用の車両こそ数を少し減らしましたが、従業員は一人も解雇していません。企業の役員さまが乗る社用車を運行するなど、多様なニーズに応える体制を生かして苦境を乗り越えました」
#chapter3
人身事故など危険を伴い、法律で厳しく禁止されている飲酒運転を撲滅すべく尽力する津田さん。地域の飲食店や来店者に「飲んだら乗らない」を伝えてきました。
「もっと気軽にご利用いただきたいので、『運転代行=お酒を飲んだときだけ使うもの』というイメージを払しょくしたいと思っています。出先で急に体調が悪くなった、仕事で疲れて眠気があり、家までたどり着けるか心配といった際にお声がけいただけるよう、私どもの取り組みを地域に根付かせ、いざという時に頼れる存在になりたいですね」
マイカーを託して帰宅するにあたり、プライベートな空間で自宅へ赴くことに不安を感じる女性客にも配慮。心理的なハードルを下げるため、女性ドライバーの採用にも力を入れています。
「車内は密室ですから、『男性より女性の方がいい』というお客さまは少なくないでしょう。女性の皆さまの安心感につなげることも、私どもの目標です」
高齢化が進む安曇野では免許返納者が増加傾向に。車はあっても運転はできないという住民も多くなっています。
「日々の通院など、運転代行は新たな移動手段になり得ます。慣れ親しんだご自身の愛車で出掛けられるのがメリットであり、タクシーやバスに次ぐ第三の足として、暮らしを支えたいと考えています」
「地域の交通インフラの一翼を担い、利便性を高めたい」と意欲を見せます。
(取材年月:2025年11月)
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Profile
地域の移動を支える運転代行のプロ
津田浩プロ
運転代行業
有限会社あづみ野ドライブサービス
年中無休で運転代行を提供。運転経験が長いドライバーが安全運転と丁寧な接客に努め、飲酒時だけでなく体調や天候に不安がある場面でも依頼を受け付け、地域の移動を支えます
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