自身も物件を経営する不動産仲介・管理のプロ森山拓真

自身も物件を経営する不動産仲介・管理のプロ

森山拓真

スピーディーに空き部屋を成約に導き、創業4年目で約1000部屋を管理

　宮崎県の都城市を中心に、北諸県郡三股町、曽於市、日南市の賃貸物件を仲介・管理している「ROOM不動産」。代表の森山拓真さんは三股町出身で地域の事情に精通しているのが特長。地元の不動産所有者とのネットワークも生かして、立地や間取り、家賃など個々の要望に適した物件を紹介しています。

　「創業4年目で約1000室を管理するまでに成長しました。近隣の同業者の中でも指折りのスピードで『空き部屋を成約に導く決定力』が躍進の理由だと思います。借り手がおらず、収入を得られない空室リスクを抑えることで、オーナーさまの信頼を得てきました」

　2019年に26歳で起業した森山さん。いずれの業界でも高齢化が進む中、同世代のメンバーが集結。顧客も20代や30代が多く、ニーズの把握やWEB集客などの戦略で優位に立っていると考えます。

　「売買に比べて仲介は一度に動くお金が少ないかもしれません。それでも生活の場を提供する重要な職務と自負し、毎月40件前後を契約できるようになりました。メンバーも意識が高く、安定した収益を出せることを誇りに思います」

　各自が働きやすいよう業務効率化を進め、例えば入居者との連絡を電話からSNSに変更。時間の制約などから解放されただけでなく、双方のコミュニケーションが密になったと感じています。

　「電話のように気構えず連絡できるのがSNSの長所でしょう。お部屋に不具合が生じた際も口頭での説明は困難ですが、動画を送っていただければ業者とも迅速に情報共有できます。ITやデジタルの活用も弊社のテーマですね」

野球に打ち込み、チームメートの活躍に影響を受け、不動産業界での成功を誓う

　森山さんは小学生の頃から野球に打ち込み、主に4番・ファーストで活躍。中学時代の県大会で自分よりも優れた選手と出会い「負けたくない」と同じ高校に進学します。

　「親しくなるほど能力や素質でかなわないと痛感しました。身長は約190cm。高校生で時速150kmを超える球を投げ、見事ドラフトで1位指名されプロに入りしました。私も推薦で大学に進んだものの、以前のような情熱はうせてしまいました」

　一方の“彼”はオールスターゲーム出場や日本一連覇など華々しいキャリアを形成。森山さんは元チームメートの飛躍を目の当たりにし「自分はビジネスで大成し、プロ野球選手以上の収入を得よう」と就職活動でモチベーションを取り戻します。

　「結果を出せば報酬が拡大する不動産業界に引かれ、都城市内の会社に就職しました。仕事に没頭し、入社から約半年後には社内最年少の21歳で店長に選ばれ、翌年には売り上げでもトップに立ちました。成功をイメージして具体的に行動できたのは彼のおかげです」

　5年後には新たなステージに向けて独立。創業時は来客も少なく孤独を感じ、出費もかさんで落ち込みましたが、メンバーの支えと頑張りもあり程なくして事業を軌道に乗せます。

　「この仕事は不思議です。入居者さまからは『希望をかなえてくれてありがとう』と、オーナーさまからも『契約を成立させてくれてありがとう』と感謝されます。私も絶えずお礼の言葉を口にしていて、こんな職業は他に無いと感じています」

移住者の増加でチャンス到来。次世代オーナーの支援も自身の大切な役目

　「目標は市内で1番の不動産会社になることで、人員がそろえば達成できると考えています。仲間を増やすためにも職場環境の向上に努め、今も定時退社を推奨してプライベートを充実させるよう伝えています。自分を大切にし、趣味も楽しむ人間性豊かな人材が集まれば会社の魅力も高まりますよね」

　自身は会社員時代から集合住宅2棟を運用。不動産の世界には大きなチャンスがあることを若い世代に知ってほしいと言います。

　「成功を目指すのに年齢は関係ありません。私も自分の経験や知識を惜しみなく伝えるので、一緒に高め合える方が当社に興味を持ってくれたらうれしいです」

　なお、都城市は2022年度のふるさと納税で受入額全国1位。恩恵を生かして移住者を支援し、例えば単身で100万円以上、1世帯あたり200万円以上の応援給付金を用意しているとのことです。

　「都城は鹿児島市と宮崎市の間にあり、利便性が高く年間を通して温暖です。宮崎牛や焼酎もおいしくて人気の街ですね。市の施策も不動産業界にメリットをもたらしてくれますが、現実的には若い人が減っているので危機感を持っています」

　さらに一帯では世代交代が進み、物件を次世代に継承する傾向にありますが、不動産経営の経験が浅いケースもあり動向を注視しています。

　「家賃収入を得ていくには、ビジネスと同様に戦略も必要です。実践的なノウハウで、オーナーさまをサポートするのも私どもの役目です。受け継いだ大事な財産を守るお手伝いをいたします」

（取材年月：2024年3月）

都城市、三股町、曽於市、日南市の賃貸物件を仲介・管理。オーナーと入居者のニーズを満たす

スピーディーに空き部屋を成約に導き、創業4年目で約1000部屋を管理

野球に打ち込み、チームメートの活躍に影響を受け、不動産業界での成功を誓う

移住者の増加でチャンス到来。次世代オーナーの支援も自身の大切な役目

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