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人も建物も幸せになるリノベーションをもっと世間に広げたい

家を甦らせるリノベーションのプロ

阿部力

阿部力 あべちから
阿部力 あべちから

#chapter1

建築の知識を得ることでわかった住宅の理想と現実

 住宅や店舗を実際に建てるためには、プロによる力が必要です。デザインはもちろんのこと、安全性や使い勝手、メンテナンスのしやすさなど、目に見えるもの以外の細やかな部分まで配慮しなければ、理想の家や店舗を手に入れることは難しくなります。多賀城市で住宅・店舗の設計や施工を手がける「produce・D(プロデュース・ディー)」代表取締役の阿部力さんは、まさにその道のプロフェッショナル。新築はもちろんのこと、今まで住んでいる建造物の“リノベーション”(再生)のスペシャリストとして、今までにたくさんの人々の笑顔を演出してきました。
 「既築の住宅を見直す時期が来ていると思います。既築の住宅をリノベーション(再生)することは、想像以上に楽しい作業ですね。まさに、日本人が大切にする「もったいない」の精神が活きると思っています。『新築は無理だから中古…』の時代から、枠にとらわれず、生活スタイルに合わせて選択する時代に変化しつつあります」と力説する阿部さん。更に「修理の延長上のような単なるリフォームではなく、自分の生活スタイルに合わせることができるリノベーションは、これから業界のトレンドになっていくと思います」とも語ります。
 阿部さんは石巻市の出身。高校を卒業後、インテリア商材の会社へ入社し、営業マンとして活躍しました。内装やインテリアのことを学びながら、実際の現場で働いてみたいとの思いから内装工事の会社へと転職。商業店舗や住宅、マンションのコーディネイトや施工法の知識を得て、2000年に建材取扱会社に入社。住宅建築やリフォームについて知識を深め、2004年に起業をはたしました。
 「目まぐるしく変わる建築業界に対応するため、分からない事や知りたい事をどん欲に学んできました。“すべてはお客様のために”の精神で、これからも努力し続ける姿勢を貫きたいと思っています」

#chapter2

住宅で人を幸せにするため自分の知識を活かしたい

 阿部さんは今までに得た知識を、自身の仕事のためだけではなく「住宅の事で困っている多くの人たちのために活かしたい」と考えているそうです。そんな阿部さんが提唱しているのが「建物のセカンドオピニオン」。医療の世界では、患者さんの症例をいくつかの病院で診察して判断する「セカンドオピニオン」がすでに当たり前ですが、建築の世界では一般的ではありません。しかし、決して価格が安くはない住宅施工やリノベーション、リフォームの世界にこそ、一度足を止めて考えるためにセカンドオピニオンが必要であると、阿部さんは考えています。
 「例えば、工事について説明を受けたものの、何となく流されているような気持ちになったり、お風呂やトイレ・キッチンなどの設備の選択は他にないのかなど、悩みはたくさんありますよね。施工をお願いする業者は本当に良心的なのか、また提示された工事料金は相場的に適正なのかなどの疑問に、皆さんが抱える不安を少しでも解消できるお手伝いができないかと考えました。このような判断を要する場合に自分が第三者の立場となり、公平な立場で正確なアドバイスができる。そんな存在になりたいと思い続けています」と阿部さんは熱く語ります。

阿部力 あべちから

#chapter3

今の理想の生活スタイルは“核家族”ではなく“同居”

 多くの日本人にとって、マイホームを持つことは夢。しかし現状の日本ではその夢をあきらめている方も少なくありません。そこで阿部さんは、親世代との「同居」を提案しています。
 「親世代が住む家ベースにして、家族全員が住みやすいようにリノベーションすればいいんです。人口の減少が著しい昨今、新築住宅だけがマイホームの選択肢ではありません。空き部屋が何室もあってご両親だけが住んでいるお宅を拝見すると“もったいなぁ”と思うことがあります」と阿部さんは話します。
 では具体的に、家族全員が住みやすい住宅とはどういうものなのか。例えば最近の家はライフライン設備が便利になる一方、操作方法がどんどん難しくなっています。高齢者や子どもたちは、トイレやお風呂、台所など、生活に必要不可欠な設備の使用法が分からないといったケースも少なくありません。「私の母は膠原病を患っていますが、健康な人間の目線と母の目線はまったく違います。段差一つとってみても、世代によっては危険な障害物にもなってしまう。それらの事例を一つ一つチェックしつつリノベーションに活かせれば、建物の自体の寿命も延び、あらゆる世代の家族みんなが安心・安全に暮らせる家になるはず」とアピールする阿部さん。「リノベーションは、今後の新たなライフスタイルとして増えていくはず。そのためには住宅のセカンドオピニオンの意識を定着させ、すべての人たちが笑顔になる家づくりを目指します」

(取材年月:2011年2月)

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建築家

株式会社produce・D(プロデュース・ディー)

 次世代省エネ住宅『 両親の家 』や『ストローグ』による高耐震ガレージハウス建築(一般住宅にも適用可能)で東北随一のノウハウを保有。高い空間デザイン能力とお客様のご要望に細かくお応えできます。

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