集客を仕組み化することでさまざまなメリットがあります。
本記事では、集客がなかなか上手くいかないという方に向けて、集客の仕組み化の特徴や得られるメリットを解説していきます。
集客の流れ
集客を仕組み化するためには、まず集客の流れについてしっかりと把握しておく必要があります。
それでは、集客の流れについて解説していきましょう。
ターゲットの選定
集客の際はまず、商品やサービスをどのような顧客に提供するかのターゲット選定を行います。
ターゲットを選定する際には「ペルソナ」が重要です。ペルソナとは「性別」や「年齢」をはじめとした「住まい」「家族構成」「年齢」などの細かい項目を絞りって設定した架空の人物像のことです。
細かく項目を絞ることで、後述するニーズや宣伝の際に大きなメリットが生じます。
顧客のニーズを把握する
ターゲット選定の後は、定めたターゲットのニーズ、すなわち顧客が求めていることを把握します。
顧客が商品の購入やサービスに申し込む際には、何かしらの問題があり、その問題を解決するために行動します。
顧客のニーズを把握することで、自社で提供する商品やサービスでどのような強みを活かせるのか、そのニーズを持っている顧客に対してどのような宣伝を行うべきかに影響します。
また、適切なペルソナ設定によって、設定した顧客の像がどのような問題を抱えているのか、どのようなことを求めているのかなどが明確にわかりやすくなるのです。
例えば、スポーツジムの集客を行う際に、ペルソナを「肥満気味の40代専業主婦」と「落ちてきた筋肉を取り戻したい20代中盤男性」のどちらに設定するかによって「脂肪燃焼」と「筋力アップ」のどちらを宣伝するかが異なります。
このように、ペルソナ設定を行ったとしても、顧客が求めていることとズレが生じている商品やサービスを提供しても集客はできないため、明確に顧客のニーズを把握することが重要なのです。
競合をリサーチする
集客の際には自社の商品やサービスの強みや顧客のニーズを理解することは重要ですが、それに加えて顧客の商品やサービスも把握しなければいけません。
競合とは、自社と似た商品やサービスを提供している企業のことであり、競合の企業ではどのような商品やサービスを提供していて、どのような強みやウリを活かし、どのような顧客を獲得しているのかなどを把握します。
競合のリサーチを顧客のニーズを照らし合わせることで、競合では満たしきれていない顧客のニーズや顧客では対応していないサービスが浮き彫りになってきます。
提供する商品やサービスを差別化する
顧客のニーズと競合をリサーチしたあとは自社の商品やサービスについてです。
差別化とは、自社独自の特徴や強みを活かして周りとの違いを際立たせることです。
さまざまな商品やサービスが溢れている中、どこにでもあるようなものを提供していてはなかなか集客できません。そのため、差別化をして自社独自のアピールをすることで、顧客から「ここの商品だから購入したい」「ここのサービスに申し込みたい」など興味や関心を引きやすくなるのです。
差別化するポイントが見つかりにくいときは自身が顧客の目線となり、自社の商品やサービスを利用することで得られるメリットや利点を考えてみるといいでしょう。
宣伝する
ターゲット選定やニーズ、商品に関する理解を深めた後は宣伝をしていきます。
宣伝には有料で広告に出稿するケースと無料で宣伝できるツールやサービスがあります。しかし、たとえ費用がかからずとも宣伝を行うための時間がかかるため、時間コストが発生します。
ここでも重要なのが選定したターゲットです。ターゲットによって適切な宣伝方法が異なり、ターゲットが商品やサービスの情報をどのように仕入れるかの行動を予測して情報を発信します。
例えば、商品やサービスを若い層と高齢者層に提供する時では宣伝方法が異なります。若い層は日頃からスマートフォンを利用しているため、インターネット上やSNSなどのオンラインで宣伝が有効です。それに対して、高齢者層はあまりスマートフォンの利用に慣れておらず、オンライン上の宣伝は効果が出ません。そのため、高齢者層に対してはチラシや看板などのオフラインの宣伝の方が効果は出やすいのです。
顧客に提供する
宣伝を通して来た顧客に対して商品やサービスを提供します。
この際の注意点として「顧客の対応」と「顧客のルート」が挙げられます。
顧客が商品の購入やサービスへの申し込みをしたからといって適当な対応をしてしまうと、その後のリピーターにつながりにくくなってしまいます。それは対面で接客を行う来店型だけでなく、メールや電話も同様です。
また、仕組化において顧客が来たあとの分析が重要です。その顧客はどこから情報を仕入れ、何に興味や関心を持ち、どのような流れで購入や成約に至ったのかという点の分析や情報を収集します。
オンライン上の広告やWebサイトを利用している際には、広告の掲載を任せている業者やWebサイトの分析ツールで情報取集が可能です。来店型の際には直接顧客に聞く、もしくはアンケートを取るなどの方法があります。
このように顧客がどのようなルートでどのようなところを魅力に感じたのかという傾向を把握しておくことで、集客の仕組み化を作る際に大きな情報となります。
集客の仕組み化とは
集客の流れについて解説したところで、そもそも集客の仕組み化とはなにかについてご紹介します。
集客の仕組み化とは「誰がやっても同じような集客効果を得られる状態」のことです。
特定の人物しか成果を出せなければ、その人物がいなくなった場合に成果が出ず、売上が安定しません。そのため、売上を安定させるには、新しく入った従業員にも安定して成果を出せるような仕組みを確立させる必要があります。
次の章では、集客を仕組み化するために重要な要素について解説していきます。
集客を仕組み化するために重要なこととは
先述したように、企業が集客を安定させるためには仕組み化の確立が重要です。仕組化を確立するために重要な要素は「顧客の誘導」「マニュアルの構築」「人員」の3つありますので、それぞれご紹介していきます。
顧客を誘導する流れを作る
集客の仕組みを作る際には、顧客が商品やサービスの情報を知ってから購入や成約をするまでのルートを確立させることが重要です。
顧客の誘導の主な例は下記のようなものがあります。
- 商品やサービスの情報を発信して入口を作る
まずはじめに、自社ではどのような商品やサービスを提供しているのかに関する情報を発信します。主な手法は「広告」「チラシ」「SNS」などがあり、設定したターゲットに合った宣伝場所で発信します。
発信の際はキャッチコピーなどで簡単に情報やメリット・効果などを発信し、軽い興味をつけて主な情報が掲載されているところへ誘導します。 - 商品やサービスの興味や関心を強める
誘導をしてきた顧客が商品やサービスに対してより興味・関心を抱くように、詳細な情報を掲載します。主な誘導元は「ホームページ」や「ランディングページ」「ブログ」などがあります。ここでいかに顧客のニーズに合った情報を発信できるかによって成約率に影響します。 - 購入に誘導
最後は顧客が商品の購入やサービスの申し込みができるように、購入ボタンや申し込みボタンへ誘導します。この時に購入までの誘導がわかりにくく、購入しづらいフォームだと顧客がアクションを起こさず離脱してしまいます。そのため、自身が顧客目線に立ち、どこにボタンを設置すればわかりやすいか、どのようなフォームなら使いやすいかを考慮したうえで設置が必要です。
再現性のあるマニュアルを作る
誰にでも安定した成果を出せるようにするには、再現性のあるマニュアルを作る必要があります。再現性とは「同じ手法を行う際に同じ結果になる度合い」のことであり、マニュアルの再現性が高さければ高いほど、人のスキルに問わず同じような成果を出しやすくなるのです。
再現性の高いマニュアルを作るには明確な根拠が必要となります。マニュアルを作る人が「どの宣伝からどれくらいの効果が出ているのか」「顧客はどのようなところに興味や関心を抱いて購入や成約に至っているのか」など、成果が出ている要素を把握していなければいけません。
そのため、集客の流れで先述したように、顧客が購入や成約後の情報収集や分析が必要となるのです。
人員の確保
再現性の高いマニュアルを構築できたとしても、それを実現する人員がいなければ成り立ちません。特にマニュアルを作る際にはチーム内で役割分担を行い、特定の業務を割り振るケースもあります。そのため、マニュアルを落とし込んで実行する人員が必要となります。
また、マニュアルの精度を上げるだけでなく、より効率の良い戦略を立てるのであれば、少数でも実現可能なマニュアルの構築が必要となります。
集客を仕組み化するメリットとは
集客を仕組み化することで得られるメリットはさまざまあり、企業にとっても大きなプラスとなります。それでは、集客の仕組み化によって生じる主なメリットを4つご紹介していきます。
売上が安定する
1つ目に得られるメリットは「売上の安定」です。
先述したように、特定の人物でなければ成果を出せない場合、売上が安定しません。なかなか売上が安定せず倒産に追いやられてしまう企業が多い中、企業を存続させるためには売上の安定は必須といえるでしょう。
集客の手間が軽減する
2つ目に得られるメリットは「集客の手間削減」です。
集客をする際には試行錯誤してさまざまな手法を行い、情報収集や分析、打ち合わせなどの時間コストも生じてしまいます。また、時間を費やしても必ず集客できるというわけではないため、対策の終わりが見えなく感じる方も多いでしょう。
その点、仕組を作り宣伝場所や誘導先、訴求分などが絞られることで、新たに集客方法を考える必要がなくなり、集客にかける手間が大きく削減されるのです。
規模が拡大しやすい
3つ目に得られるメリットは「規模の拡大がしやすくなる」という点です。
企業が規模を拡大する際には売上を増やしやすくなる反面、出費などのコストも増えるため大きなリスクが伴います。そのため、現状の売上が安定していないにも関わらず、規模を拡大してしまい倒産してしまう企業も多くあります。
その点、現状で安定した売上があれば、規模を拡大した際に失敗をしたとしても既存の売上でカバーできるため、ダメージを軽減できます。
また、人員を増やして規模を拡大する際には、新たな人員がなかなか成果を出せずに売上が伸びないというケースもあります。しかし、再現性のあるマニュアルを構築しておくことで、新たな人員でも安定した売上を出せることで、規模拡大のリスクが軽減するのです。
広告費を削減できる
4つ目の得られるメリットは「広告費の削減」です。
集客を獲得するためにはさまざまな費用が発生し、特に大きな出費は広告費です。
顧客に商品やサービスを認知してもらうための広告費やホームページやランディングページなどの訴求を目的としたWebサイトの制作費などがあります。また、SNS上でも広告を掲載が可能となっているため、SNSに掲載する広告にも費用が発生します。
集客が安定しない際は、次々に新たな広告に掲載することで広告費がかさんでしまいます。しかし、集客の仕組みを作ることで掲載先の集客が定まり、必要以上の広告費が不要となるのです。
集客の仕組みを作るには「顧客の誘導」と「適切なマニュアル構築」が重要
今回は、集客の仕組み化についての特徴やメリットについて解説してきました。ここまでで記述したように、集客を仕組み化することでさまざまなメリットが発生し、企業にとって大きなプラスになります。
中でも特に重要なのが「顧客の誘導」と「適切なマニュアル構築」です。
いかに顧客が見やすい場所への情報発信から誘導し、興味や関心を引く内容を掲載のうえでスムーズに申し込めるかが重要です。
また、経営を安定させるために、しっかりとした根拠を持っており誰でもわかりやすく実行しやすいマニュアルを構築しておく必要もあります。
企業を存続させるには売上の安定や業務の属人化を改善する必要があります。その点、集客を仕組み化することで解決できる問題は多いでしょう。
今後も集客の仕組み化について問題が生じた際には参考にしてみてください。