集客のためにキャッチコピーを作成したいものの、どのように作れば良いか分からず困っている人もいるでしょう。考え方や作り方を理解せずに、やみくもにキャッチコピーを作っても集客につなげるのは難しいです。
そこで、本記事ではキャッチコピーの考え方を10個紹介します。10個の中には、自社で取り入れられるものがあるはずです。また、具体的なキャッチコピーの作り方を3ステップで解説するため、すぐに行動に移せます。
本記事を読めば集客に有効なキャッチコピーを作成できるため、ぜひ参考にしてくださいね。
そもそもキャッチコピーとは?実例も紹介
キャッチコピーとは、消費者の注意を引く宣伝文句のことを指します。例えば、カルビーかっぱえびせんの「やめられないとまらない、カルビーかっぱえびせん」や、コスモ石油の「ココロも満タンに」、ニトリの「お、ねだん以上。」などがキャッチコピーに該当します。
顧客の心に響くキャッチコピーを作れれば、企業のブランディングを高めたり、売り上げが向上したりするでしょう。一方、魅力的でないキャッチコピーを打ち出しても、効果は期待できません。短いテキストではありますが、キャッチコピーを作成する際には慎重になる必要があります。
キャッチコピーには2種類ある
キャッチコピーには、主に以下の2種類があります。
- ブランディングのためのイメージキャッチコピー
- 商品を売るためのセールスキャッチコピー
それぞれの特徴や目的について詳しく解説するので、自社で作成したいキャッチコピーはどちらなのか考えてみましょう。
ブランディングのためのイメージキャッチコピー
ひとつめは、ブランディングを目的としたイメージキャッチコピーです。比喩表現を用いたり、目を引くような面白い言葉を並べたりすると、企業のイメージが強く印象付けられるでしょう。
イメージキャッチコピーが消費者に浸透すれば、企業に対するイメージが定着し、有名になります。また、セールスキャッチコピーとは異なり、企業の知名度を上げることが目的のイメージキャッチコピーは、すぐに行動を促せなくても問題ありません。
商品を売るためのセールスキャッチコピー
ふたつめのキャッチコピーは、消費者に商品購入を促すためのセールスキャッチコピーです。見た人の行動を促す必要があるため、リズミカルさや面白さだけでなく、商品の特徴やベネフィットを盛り込む必要があります。
売り上げを向上させられるキャッチコピーを作ることは容易ではありませんが、効果的なものを作れれば高い成果を得られるでしょう。
キャッチコピーを作る際の考え方
ここでは、キャッチコピーを作る際の考え方を10個紹介します。具体的には、以下のとおりです。
- 対象とするターゲットを明確にする
- ベネフィットを伝えて興味関心を抱かせる
- 自分ごとと感じさせて行動につなげる
- 実績や具体的な数値を入れる
- 時間や期間を入れて「今しかない」と思わせる
- 顧客の感情に訴えかける
- 先に比較対象となる数値を提示する
- 漢字・ひらがな・カタカナをうまく使い分ける
- 顧客が抱きそうな不安を取り除く
- 集客に成功しているキャッチコピーの例を参考にする
それぞれについて詳しく説明するので、実際にキャッチコピーを作るときに役立ててください。
対象とするターゲットを明確にする
消費者に刺さるキャッチコピーを作るには、対象とするターゲットを明確にする必要があります。その際、「20代女性」や「定年後の高齢者」といった幅の広いターゲット設定ではなく、1人の人物像を詳細に決めましょう。
具体的には、以下の項目を詳細に決めるのがおすすめです。
- 年齢
- 性別
- 世帯規模
- 所得
- 職業
- 学歴
- 居住地
- 価値観
- ライフスタイル
対象者の人物像を細かく設定してキャッチコピーを作成することで、消費者が自分事として捉えやすくなり、購入や契約といった行動に繋がります。逆に、ターゲットを幅広く設定してしまうと、かえって集客しにくくなるため、注意が必要です。
ベネフィットを伝えて興味関心を抱かせる
ベネフィットを伝えて興味関心を抱かせることも、キャッチコピーを作成する際に重要なポイントです。ベネフィットとは、商品やサービスを購入した消費者が受けられる恩恵のことです。一方、メリットとは商品やサービスのおすすめポイントのことです。
ベネフィットとメリットを混同する人が多いですが、キャッチコピーを作成する際にはメリットだけでなくベネフィットも考えましょう。消費者は、商品を購入したことで自分にどのような恩恵があるのか分かれば、行動しやすくなります。
自分ごとと感じさせて行動につなげる
キャッチコピーは、商品の購入や契約といったゴールに消費者を誘導するためのものです。そのためには、見た人が「これって私のことだ!」と感じるようなキャッチコピーを作成する必要があります。
情報に溢れる世の中でも、自分に必要な情報や声は入手できるものです。このことは、「カクテルパーティー効果」と呼ばれています。誰にでも当てはまりそうな言葉ではなく、ターゲットに刺さる具体的な文言を入れることで、目に留まりやすくなるのです。
実績や具体的な数値を入れる
なにかを評価するときには、目立つ特徴に注意が向き、他の特徴が印象に残りにくくなると言われています。これは、「ハロー効果」と呼ばれており、キャッチコピーを作成する際に活かせます。
具体的には、キャッチコピー内に実績や数値などを強調することで、商品やサービスへの印象を高められます。また、著名人による評判を掲載するのも効果的です。ただし、不当な数値や実績を使ってしまうと、炎上する恐れがあるため、裏付けされた数値や実績を使いましょう。
時間や期間を入れて「今しかない」と思わせる
消費者の行動を促すためには、「今しかない」と思わせることも重要です。消費者に「今しかない」と思わせるためには、期限や期間を強調することが有効でしょう。特に日本人は、「期間限定」という言葉に弱いと言われています。
その他にも、「本日限り」「在庫残りわずか」「週末限定」といった文言もおすすめです。期限や期間が定まっていないと「あとで考えよう」と後回しにされてしまうため、すぐに行動を促すためにも期限や期間をキャッチコピーに盛り込みましょう。
顧客の感情に訴えかける
人は感情で動く生き物なので、理屈よりも消費者の感情に訴えかける方が集客に繋がりやすいです。「購入したら楽になりそう!」や「行動したら楽しい気持ちになりそう」と思わせられれば、消費者は進んで行動します。
体験や五感などを盛り込んだキャッチコピーを作ると良いでしょう。具体的には、「ホッとする○○」「一度使うと○○の虜になります」「忘れられない○○」などの文言がおすすめです。消費者の心を刺激することで、同調による行動が期待できるでしょう。
先に比較対象となる数値を提示する
限られた情報を与えられた際に、先に得た情報を元に判断する「アンカリング効果」という心理現象があります。この心理現象を利用して、「今なら通常価格の75%オフ!」「3点まとめると200円お得!」といったキャッチコピーを使うと、消費者は商品を購入しやすくなります。スーパーなどの小売店やECサイトで使うと特に効果を実感しやすいでしょう。
ただし、景品表示法違反となる恐れがあるため、注意が必要です。ガイドラインを見て、違反しないかよく確認しましょう。
漢字・ひらがな・カタカナをうまく使い分ける
キャッチコピーを作成する際には、内容も重要ですが読みやすさや印象に残るかどうかといった観点も大切です。日本語には漢字・ひらがな・カタカナがありますが、同じ言葉でもどれを使うかで印象が変わります。
漢字はかっちりした印象を、ひらがなは柔らかい印象を、カタカナは冷たい印象を与えやすいです。また、一般的には漢字やひらがなで書かれることの多い言葉をあえてカタカナ表記にして、違和感を感じさせて印象付けるテクニックもあります。
顧客が抱きそうな不安を取り除く
商品を購入するか迷っている状態の消費者は、少なからず不安を抱いています。「購入して思うような成果を得られなかったらどうしよう…」「他のお店でもっと安く買えたらどうしよう…」といった疑問を解消できるようなキャッチコピーを掲示しておけば、消費者は安心して商品を購入できるでしょう。
具体的には、「顧客満足度99%」や「地域最安値」といった文言を盛り込むのがおすすめです。ただし、事実と異なる文言を入れてしまっては、クレームや訴訟に繋がる恐れがあるため、注意が必要です。
集客に成功しているキャッチコピーの例を参考にする
キャッチコピーによって高い集客効果を得たいなら、実際に集客に成功しているキャッチコピーを参考にするのが近道です。とはいえ、イメージキャッチコピーの事例はたくさんあるものの、セールスキャッチコピーの事例をインターネット上で探すのは困難でしょう。
セールスキャッチコピーの実例を探す際には、実際にスーパーなどの店舗を見て回るのがおすすめです。その場でメモを取れば、あとから見返せます。
ただし、実際に使われているキャッチコピーはあくまでも参考にするためのものです。すでに企業が使っているキャッチコピーをそのまま使うのは控えましょう。
キャッチコピーの作り方3STEP
具体的なキャッチコピーの作り方は、以下の3STEPです。
- STEP1:誰に訴求したいか決める
- STEP2:伝えたい強みやベネフィットを明確にする
- STEP3:抽出した強みやベネフィットをキャッチコピーに落とし込む
難しく考えすぎてしまう人もいますが、キャッチコピーはたったの3ステップで作成可能です。各ステップの詳細を説明するため、ぜひ実践してみてください。
STEP1:誰に訴求したいか決める
まずは、誰に訴求するためにキャッチコピーを作るのか明確にします。先述したとおり、ターゲットは明確に決めるほど効果的です。
商品やサービスを多くの人に使ってもらいたいという想いから、万人受けするキャッチコピーを作るケースがありますが、逆効果です。誰の心にも響かないキャッチコピーでは、商品購入に至る人は少ないでしょう。
「誰もがお客様です」ではなく、「あなたがお客様です」という想いで作ったキャッチコピーは、高い集客力を発揮します。そのため、思い切ってターゲット像を細かく設定しましょう。
STEP2:伝えたい強みやベネフィットを明確にする
次に、ターゲットに伝えたい強みやベネフィットを明確にします。競合他社のなかから、自社商品が選ばれる理由を考えてみてください。「価格の安さ」「質の高さ」「提供の速さ」「デザイン性の高さ」「美味しさ」など、商品によってさまざまな強みがあるでしょう。
また、強みだけでなく、消費者にとってのベネフィットを洗い出すことも有効です。商品を利用することで、消費者はどのような恩恵を受けられるか考えましょう。「悩みを解決できる」「時間を節約できる」といったベネフィットを洗い出せば、集客できるキャッチコピーを作りやすくなります。
STEP3:抽出した強みやベネフィットをキャッチコピーに落とし込む
最後に、 STEP2で抽出した強みやベネフィットをキャッチコピーに落とし込みましょう。単に強みやベネフィットを盛り込むだけでなく、ターゲットに刺さるために工夫する必要があります。
本記事で解説したように、数値や実績を盛り込む・感情に訴えかける・消費者が抱きそうな不安を取り除く、といったテクニックを実践して、魅力的なキャッチコピーを作成してみてください。
まとめ
キャッチコピーとは、消費者の注意を集める宣伝文句のことで、ブランディングのためのイメージキャッチコピーと商品を売るためのセールスキャッチコピーの2種類があります。集客につながる魅力的なキャッチコピーを作成するためには、ターゲットを明確にすることや、自分ごとと感じさせて行動につなげることなどが有効です。
また、「誰に訴求したいか決める→伝えたい強みやベネフィットを明確にする→抽出した強みやベネフィットをキャッチコピーに落とし込む 」といった順番を意識することも大切です。キャッチコピー作成後にターゲットを変更するとなると、最初からやり直しになるため、はじめのうちにターゲットを固めておきましょう。
ぜひ、本記事の内容を参考にして、キャッチコピーを作成して集客に成功させてくださいね。