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学校や塾になじめない子どもの学び舎として、一人一人に寄り添い能力や可能性を引き出す

勉強が苦手な子どもの特性に合わせて指導する教育のプロ

岡本康志

岡本康志 おかもとやすし
岡本康志 おかもとやすし

#chapter1

それぞれの特性や習熟度、目的に合わせて学習プランをオーダーメードし、進路指導

 「勉強を教えるのではなく、勉強の仕方を教え、自ら考えて行動する主体性を育みます」と話すのは、「個人特性別指導塾 サポーツ京田辺」の代表・岡本康志さん。「教育には変える力がある」という信念のもと、学校や塾といった既存の学習環境になじめず、つまずきや戸惑いを感じている児童、学生、若者らに、新たな学び舎を提供しています。

 「小学生には主に、理解の仕方や考え方に焦点を当てた認知指導を行います。例えば『割り算』を間違う場合、単なる計算ミスではなく、『均等に分ける』という基本概念が形成されていない子がたくさんいます。当方では、計算問題通りにトランプを配ったり、おはじきを並べたり、実践の中で数の概念を身につけます」

 中高生には、「なぜ勉強するのか」という目的設定を重視。実行可能な学習計画でモチベーションを高め、「将来どうなりたいか」「なぜ、その高校や大学に行きたいのか」など、目標に即した進路指導で寄り添い、進学・就職先を一緒に考えます。

 「既製のカリキュラムに子どもを当てはめるのではなく、一人一人の特性に合わせてオーダーメードしています。勉強ができないのではなく、できない原因がありますので、本人に適した解決方法を探り、その子らしい能力や可能性を引き出すことを心掛けています」

 岡本さんは、個々の習熟度や学習ペースに合わせて細やかにプランニング。「読み書きや計算など特定の領域が苦手」「集中力が続かない」「コミュニケーションが不安」「勉強することに意味を見いだせない」といった子どもが、遠方からも足を運んでいます。

#chapter2

塾講師時代に課題を抱えた生徒らと向き合い、多様な子どもたちの成長の場を用意

 岡本さんの教育への関心は、中学時代に生徒会長を務めた経験から始まりました。候補者がいないため、教諭の勧めで就任したそうですが、「周囲を導く様子が楽しそうだから先生に向いているのでは?」と進路面談で言われ、教職を志します。

 「学業に励むも、大学卒業時は就職氷河期と言われた時代。教員免許は取得したものの採用枠が少なく、高校・大学で熱中したスキーのインストラクターを始めました」

 感覚に頼るのではなく、理論的に競技のテクニックなどを手ほどき。指導に関するノウハウを蓄えたのち、京都の進学塾「京進」に入社して講師になりました。転機となったのは、新設された個別指導塾で、さまざまな課題を抱える子どもが集う教室を担当したことです。

 「発達障害や不登校の子どもたちと向き合うようになり、画一的ではなく、それぞれの個性や困りごとに応じたサービスの必要性を感じました。何とか手を差し伸べたい一心で独立を決意。2010年、勉強が苦手な子も歓迎する方針を掲げ『サポーツ京田辺』を立ち上げました」

 発達の特徴に配慮し、研究を重ねながら独自の教育法でアプローチ。「グレーゾーンの子が多く通っている塾がある」と興味を持った医療機関の関係者から、子どもを紹介されるように。

 「次第に、専門的なサポートが必要な支援学級や支援学校の生徒さんが増えました。受験対策など成績アップに注力する進学塾とも、障害者のための福祉機関とも異なる『成長の場』として発展してきました」

岡本康志 おかもとやすし

#chapter3

フリースクールや就労支援の機能を備えた「京田辺リメディアル教育学院」も主宰

 岡本さんは、2017年に「京田辺リメディアル教育学院」も設立。フリースクールや就労支援の機能を併せ持ち、就学前の幼児から、学校に行きづらい、高校や大学を中退したり、卒業後も行く場所がないといった若者まで幅広く迎え入れています。

 「気持ちがやさしくて思いやりがあり、人の言うことをよく聞いたり、親に申し訳ないと感じていたり、素直でいい子たちが、学校や会社に合わずに追い詰められ、ひきこもっているんです。ギターなどの楽器を弾いたり、和室でくつろいだり、心穏やかに過ごせる居場所となるだけでなく、本人も気づいていなかった個性特性に寄り添うことで、一歩踏み出すきっかけになればと願っています」

 仕事に就くことができず悩む若者をケアし、スタッフとして起用したりすることで社会性や職務に必要なスキル、英気を養い、就職や独立開業ができるよう支えていきたいと語ります。

 また、視機能トレーニングセンター「ジョイビジョン京田辺」を併設。図形が書けない、字の形を覚えにくい、球技でボールが受けられないなど、目で見た情報を解釈し、適切な行動へつなげる機能が弱い場合、眼球運動や視覚処理などの訓練を実施。「サポーツ京田辺」とも連携し、学力向上もバックアップしています。

 「昨今は学習スタイルが多様化し、自分に合った方法、場所で進級や進学を目指す子どもがいます。勉強や就職で苦労をしているお子さんや保護者の皆さんに、私たちの取り組みを知ってもらいたいですね。療育や就活など専門家の方にも力を貸していただき、新しい教育モデルや働き方を提案できたら幸いです」

(取材年月:2025年8月)

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岡本康志

勉強が苦手な子どもの特性に合わせて指導する教育のプロ

岡本康志プロ

教育・就労支援

個人特性別指導塾 サポーツ京田辺

学校や塾などの既存の教育環境に合わず、勉強が苦手な子どもの原因に合わせ、オーダーメードで指導。知識を理解し使いこなす認知指導も実施し、グレーゾーンの子どもも導く。フリースクールや就労支援なども併設。

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