楽しい気持ちを届けるグラフィックデザイン&イラストのプロ
赤松佐助
Mybestpro Interview
楽しい気持ちを届けるグラフィックデザイン&イラストのプロ
赤松佐助
#chapter1
「デザインの力で、わくわくと楽しい気持ちを届けています」と語るのは、京都市を中心に活動するグラフィックデザイナー兼イラストレーターの赤松佐助さん。ロゴや名刺、ショップカード、パッケージ、ポスター、本の装丁や挿絵など幅広く手掛けています。
ビジネス、商品やサービスの強み、魅力を引き出す上で重視しているのは、対面での打ち合わせです。できる限り客先へ赴き、難しい場合もオンラインで顔を見ながらヒアリングしています。
「ご要望にとどまらず、人柄や話し方、服装、店や会社の装飾、雰囲気まで、さまざまな要素を感じ取り、制作物に反映します。見る人の心をつかみ、メッセージを的確に伝えるためにも、お客さまの思いをカタチにすることを最も大切にしています」
例えば「かわいい」も千差万別です。クライアントが求める「かわいい」の意味をしっかり言語化し、コンセプトを共に築き上げてブランディング。話し合う過程で無意識の趣向や思考に気づくことも多いとか。
さらに、クライアントの顧客であるエンドユーザーを常に意識し、売り上げや集客につながる訴求力など戦略的な視点も重視。イラストでは、絵本の1ページを切り取ったような、ストーリー性のある作風に定評があります。
「和歌山のテーマパーク『アドベンチャーワールド』のグッズの絵を依頼された際は、観客として園内を体感し、飼育員がペンギンに餌をあげる場面や、ステージ裏で休憩中のイルカに親子が呼びかける様子などを提案。動物たちとの日常の触れ合いを描き、従来の商品とは異なる視点と物語性が喜ばれました」
#chapter2
赤松さんは幼少期から絵本が好きで、高校は芸術系へ進学。色彩、油絵など絵画を中心に学び、フランスのポスター画家レイモン・サヴィニャックの作品を見て感銘を受けました。
「有名な牛乳せっけんの広告は、牛のお乳から出るミルクがせっけんになる絵で、その機能美とユーモアに魅了されました。また、デザインは人のため、アートは自分のためと目的を分けて考える説が多い中、クライアントと自身のオリジナリティーを両立している点にも驚き、自分らしい感性で商品の良さを伝えるデザインに興味を持ちました」
専門学校ではデザイン系に進み、プロダクト(商材)や映像など幅広く意匠を修学。絵を描くのが好きだったこともあり、顧客の思いをビジュアルで表現するグラフィックが一番自分に合っていると実感。京都の会社で経験を積み、2023年12月にフリーランスとして独立しました。
創作で取り入れているのは、物語があり想像力をかき立てる楽しい表現や、自然界から着想するバイオミミクリーという手法です。
「生き物や植物は地球が46億年かけて生みだした造形美に満ちています。くちばしの形や葉っぱの葉脈など細かく観察して参考にしています」
イラストでは、人も動物も天使も悪魔も一緒に食事を楽しむ様子を描いた大阪市の商業施設「あべのキューズモール」のフードコートの壁画のように、緻密に描くことが多いそう。一方、デザインでは、余分なものをそぎ落しながら個性を際立たせるシンプルさを追求しています。
#chapter3
赤松さんは京都の繁華街のカフェで、エスプレッソなどをいれるバリスタとしても活動しています。
「コーヒーの香りでリラックスできます。制作業務は黙々とパソコンに向かうことが多いので、観光で訪れた海外のお客さまとたくさん話せるのは気分転換になりますし、視野も広がります」
多様な人と交流を図る場として、元経営者の社長とバリスタ専門の知人と3人で、カフェ開業プロジェクトを始動。京都・七条エリアで開店するにあたり、赤松さんはバリスタとして店に立つ予定の他に、店舗のコンセプト立案から、ロゴをはじめとするデザインディレクションを中心に担当し、一貫した世界観を打ち出すべく尽力しています。
「1階がカフェ、2階はギャラリースペースとして活用していく構想です。海外のお客さまや近隣の大学生がターゲットで、ギャラリーでは日本の伝統工芸の展示などさまざまなイベントを開催していく予定です」
デザイナーとして目標に掲げているのは、小説の装丁と絵本の制作だとか。
「現代はデジタルコンテンツが主流だからこそ、紙の本の手触りや匂いなど五感で味わう読書体験を大切にしてほしいんです。僕が小さな頃に絵本を楽しみ、今デザイナーになったように、今度は自分が子どもたちの将来に、何かささいなきっかけを与えることができたらクリエイターとして本望です」
古き良き伝統と時代に呼応した先進性が混在する京都で、日々刺激を受ける赤松さん。台頭したAI(人工知能)との共存を模索しながら、人にしかできない「思いをくみ取る」デザインで、多くの人の心にアプローチしたいと熱を込めます。
(取材年月:2025年5月)
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Profile
楽しい気持ちを届けるグラフィックデザイン&イラストのプロ
赤松佐助プロ
グラフィックデザイナー兼イラストレーター
現場や対面を重視し、人柄や雰囲気などからも思いを言語化。顧客と共にコンセプトからブランディングし、エンドユーザー視点で戦略的にデザインを提案。楽しい気持ちを届けるストーリー性のあるイラストで表現。
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