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必要最低限の内容に絞った低価格の葬儀プランで負担を和らげ、最後の時間を穏やかに

家族に寄り添い故人の見送りをサポートする葬儀式運営のプロ

松山北斗

松山北斗 まつやまほくと
松山北斗 まつやまほくと

#chapter1

「火葬式」「家族葬」などのプランを用意。役所手続きや葬儀扶助の申請も代行

 「お葬式には高額な費用が掛かると思っている方もいらっしゃるでしょう。当方は必要最低限の内容に絞ることで、低価格で提供しております」

 そう話すのは、京都府京田辺市の「ふたとき」の代表・松山北斗さん。「できるだけリーズナブルに」「身内だけでこぢんまりと」と望む人のため、一連の儀式をせず荼毘(だび)に付す「火葬式」をはじめ、通夜や告別式を行う「家族葬」、式場を花で飾る「花祭壇」といったプランを用意しています。

 「自社で葬儀場を構えず、ご自宅や市区町村の公営斎場を利用することで費用を抑え、ご予算を捻出するのが難しい方が故人さまをお見送りできるよう配慮しています。私は浄土真宗本願寺派の僧侶でもあり、つながりのあるお寺のお堂や教会を借りて葬儀を執り行うこともできます。お付き合いのあるお寺はないけれど、故人さまにお経を唱えてあげたいという方も当方へお声掛けください」

 葬儀社でディレクターをしていた松山さんは、遺族に対する細やかなサポートも大切にしています。家族が逝去して心が追いつかず、何をしたらいいか分からないという依頼主のために、役所関連の手続きを代行するほか、遺骨の一時預かりもしています。また、生活保護の受給者に向け、葬祭費用を補う葬儀扶助制度の申請も請け負っています。

 「『安いけどサービスが悪い』ではなく、お客さまのためにできる限りのことをしたいのです。あるお葬式の花入れの儀で、故人さまが生前によく聞いていたという演歌をサプライズで流したところ、喪主さまが泣いて感謝してくださいました」

#chapter2

浄土真宗本願寺派寺院の家に生まれ、大学で仏教を学び僧侶として住職も経験

 松山さんは1992年、新潟県上越市にある浄土真宗本願寺派寺院で誕生。次男だったこともあり、僧侶ではなく教員になるつもりでした。気持ちが変わったのは龍谷大学文学部真宗学科に入ってから。当時、参加必須だった10泊11日の修行がきっかけでした。

 「京都市の本願寺西山別院に赴いたのですが、本堂が実家とよく似ていました。帰省した際、祖父にその話をすると、祖父の先々代が西山別院の本堂に寄せて改修したとのことで『気付いてくれてうれしい。守ってきたかいがあった』と泣いて喜んでくれました。この日から、家族の一員として私も仏教としっかり向き合わねばと志を新たにしました」

 大学院まで仏教の勉強を続け、卒業後は東京にある築地本願寺へ。1年後、祖父の体調不良を機に帰郷します。「父がいなかったので、少しの間私が住職代務兼副住職に就くことになりました」

 ただ、当時はお寺の経営状態が芳しくなく、生活は決して楽ではなかったと振り返ります。コンビニで夜勤のアルバイトをし、そのまま寝ずに境内の掃除をする日もあったとか。お寺を盛り上げるため、チラシを自分でデザインして門徒の家にポスティング。地道に法話を開くうちに少しずつ活気が出てきました。

 「その後、兄が実家を継ぐことになり、私は京都に戻りました。お寺に就職することも考えましたが、俗世間で生活をする方々に法の教えを説くためには、自身が一般社会の中に身を置く必要があると感じ、葬儀社に入ることにしたのです」

松山北斗 まつやまほくと

#chapter3

葬儀社のディレクターを経て、一人一人に寄り添ったお葬式を提案すべく独立

 京都の葬儀社でディレクターや営業担当として約5年間勤めた後、松山さんは2024年1月に「ふたとき」を立ち上げました。 「お客さまが式を終えた後、値段が適正だったのか疑問を抱いたままお帰りになってしまうことが何度かありました。大事な人を亡くし、悲しみや戸惑いの中にいる方々の負担を少しでも和らげるため、内容が分かりやすく安価なお葬式をご案内したいと思ったのです」

 近しい人たちがゆっくりと最後の時間を過ごせるよう、経済的に厳しい状況の人も故人ときちんとお別れできるよう、一人一人に寄り添ったプランを提案。親身な姿勢は徐々に口コミで広がり、数々の相談が寄せられるようになりました。

 これからは自治体のイベントなどに参加し、より多くの人に存在を知ってもらう機会を作りたいと言います。「誰にも等しく訪れる人生の終えんに際し、皆さまのお役に立つことが私たちの務め。納得のいくお弔いができるように地域や行政とのつながりを深め、いざという時に頼ってほしいと考えています」

 地域に根差して活動し、ゆくゆくは自社で葬儀場を持つことも検討しているそうです。「ホールでお葬式をしたいというご要望もあります。ご家族さまがお住まいのエリアに適当な施設がなくお断りすることがないよう、体制を整えたいですね」

 心穏やかな旅立ちをかなえたいと願う松山さん。「慣れ親しんだ家で在りし日をしのびたい」「懇意にしてくださった方に参列してもらいたい」など、それぞれの声に耳を傾けます。

(取材年月:2024年8月)

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松山北斗

家族に寄り添い故人の見送りをサポートする葬儀式運営のプロ

松山北斗プロ

葬祭業

ふたとき株式会社

浄土真宗本願寺派の僧侶であり、葬儀社でディレクター経験もある代表が、故人の見送りをサポート。葬儀費用に不安のある方にも寄り添い、必要なものだけに絞った低価格な葬儀プランも用意。

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