相続手続や遺言書作成、家族信託の専門家佐々木勝

相続手続や遺言書作成、家族信託の専門家

佐々木勝

百貨店勤務の経歴を生かした柔らかい接客で、悩みや課題を整理

　「専門性を発揮し、皆さまに満足や安心を提供するのがこの仕事のやりがいです。地域社会に良質なリーガルサービスを提供していきます」

　そう語るのは、神奈川県鎌倉市にある「司法書士佐々木勝事務所」代表の佐々木勝さん。交通の要衝であるJR大船駅近くに事務所を構え、司法書士として相続手続や遺言書の作成、法人関係の業務などにあたっています。

　近年特に増えているのが、相続に関する相談。2024年に相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に相続した不動産の名義変更が必要になったことを受け、さらに増加しているといいます。

　「相続は一生のうちに何度も経験するものではなく、何をしたらよいか分からないと悩む方がほとんどです。そうした不安を整理し、必要な手続を分かりやすくご案内することが私の役割です」

　「司法書士の仕事はサービス業である」と強く意識する佐々木さん。百貨店で勤務経験があるという異色の経歴を生かし、柔らかく親しみやすい接客を徹底。専門用語をなるべく使わず分かりやすい説明を心掛け、初めての方でも安心して相談できる雰囲気づくりに努めています。

　開業から20年の実績を持ち、法改正の情報だけではなく社会のトレンドにもアンテナを張り、依頼者のニーズに即した対応で信頼を築いてきました。
　「ご相談を受けて最初の段階では聞き役に徹し、お客さまに言いたいことを洗いざらい語っていただくのが私のスタイル。どのような思いをお持ちか、何にお困りなのかをまずは十分に把握した上で、プロの立場で論点を整理してアドバイスをいたします」

相続人の多い難案件にも対応し、相続税の手続もワンストップでサポート

　百貨店に約4年間勤め、紳士服売り場などを担当していたという佐々木さん。
　「会社には同年代の人が多く、仕事も面白かったのですが、自分の名前で社会に貢献したいという思いが募っていき、大学時代に学んだ法律の道に進むことを決めました」

　司法書士事務所に勤務しながら勉強を重ね、2001年に司法書士試験に合格。2006年に独立し、現在の司法書士佐々木勝事務所を立ち上げました。

　事業のメインである相続では、相続人は誰なのか、対象となる財産はどれなのかなどを調査。遺言書の有無などの確認を経て、遺産分割へと進めていきます。

　「相続税の申告が必要かどうかも重要なポイント。当方では提携している税理士と協力し、ワンストップで手続を進めます。必要に応じて弁護士などの他の士業や不動産業者をご紹介することも可能です」

　中には2代前、3代前から相続登記が行われておらず、相続人が20人以上にのぼる事例も。遺産分割協議は相続人全員が参加する必要があることから、佐々木さんは対象者と連絡を取り、場合によっては足を運ぶなどして相続を進めます。

　「遠縁の方だとお互いを知らないケースもあり、突然の連絡に怪しまれることも珍しくありません。そんな案件こそ、プロである私どもが手続で力を発揮します。終了後、依頼者さまから『本当に助かりました』と感謝されるのが何よりうれしいですね」

　他にも、遺言や成年後見に関する相談や依頼も多く寄せられており、遺言者の意思を確実に実現するためにも、公正証書遺言を整えることを勧めています。

スムーズで柔軟な財産管理が可能な「家族信託」の普及に力を入れる

　佐々木さんが近年力を入れているのが家族信託。高齢者らが財産管理を信頼できる家族などに託し、あらかじめ決められた目的や条件に沿って運用していく制度です。

　「従来の任意後見では、受託者が口座から現金を下ろすために金融機関に行っても、委託者本人の同伴が求められることがあるなど、制度面で運用しづらいケースも見受けられました。家族信託では、不動産の名義が受託者に変更され、信託専用の口座を使いますので、仮に委託者が認知症などになった場合でもスムーズで柔軟な財産管理が可能です」

　実際に家族信託を利用した顧客からも「取り組んでよかった」と好評だとか。佐々木さん自身も専門性を発揮できることから、さらに実績を重ねていきたい考えです。

　また、佐々木さんは行政書士の資格も持ち、官公庁に提出する書類の作成などにも対応。在留資格に関する手続に携わることができる「申請取次行政書士」としても活動しています。
　「日本で働く外国人が増えていることから、今後は就労ビザの取得や更新の手続に多く携わり、人手不足の解消や多様性のある社会の実現に貢献していきたいですね」

　相続だけでなく、時代の要請に応じたさまざまな法的サービスに取り組み、自らを絶えずアップデートさせる姿勢が印象的な佐々木さん。最後に、今後への思いを語ってくれました。
　「人の営みがある限り相続はなくなることはないので、引き続き力を入れていくつもりです。その上で社会のさまざまなニーズに対応していき、一人でも多くの人々のお力になりたいと考えています」

（取材年月：2025年7月）

相続手続や遺言書作成など、専門性の高いサポートで満足と安心を提供

百貨店勤務の経歴を生かした柔らかい接客で、悩みや課題を整理

相続人の多い難案件にも対応し、相続税の手続もワンストップでサポート

スムーズで柔軟な財産管理が可能な「家族信託」の普及に力を入れる

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