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目指すは「100年マンション」。資産価値の維持を目指す修繕計画やルール作りは専門家と共に

マンションの管理組合を支え、共に資産価値の維持を目指す専門家

中田泰行

中田泰行 なかたやすゆき
中田泰行 なかたやすゆき

#chapter1

マンション管理士の国家資格を持つホームドクターとして、住民の悩みを聞き解決へ

 約40年にわたり東京急行(東急)電鉄やそのグループ会社に勤務し、主に国内外の不動産の開発や売買に携わってきた中田泰行さん。定年退職後の現在は川崎市内に「中田泰行・マンション管理士事務所」を構え、管理組合のサポートへ。

 「複数の人が暮らす分譲マンションでは生活ルールや将来に向けた資金計画を適切に決めることが大切です。そのためには土地や建物、法律の知識が重要で管理会社に頼るケースがほとんどですが、それでも見積書の内訳や諸経費の相場が分からなかったり、各業者の評判を知らなかったりしますよね。そこで私はマンション管理士の国家資格を生かしたホームドクターとして、組合や理事を多方面で支えます。特に『資産価値を落としたくない』という方々からの依頼をお待ちしています」

 総会や理事会への参加をはじめ、長期修繕計画へのアドバイス、管理会社との交渉、住民間トラブルの仲介なども相談可能。中でもステージごとの課題に着目してほしいと話します。

 「例えば新築の場合、まずは部屋や共有部に欠陥が見当たらないか念入りにチェックする必要があります。また、分譲会社が販売時に作った各種規約を見直すことも大切ですね。一方で年月が経過したマンションでは、老朽化を抑えるためにも大規模修繕工事が鍵になります。『細部までメンテナンスしてほしい』『積立金の負担が増えるので最低限の内容で構わない』といった意見がある中で何を取捨選択するのか、専門家の目線でアドバイスします」

#chapter2

ハワイ島では管理組合の理事長にも。高い語学力や国際理解力で外国人入居者との関係構築も引き受ける

 中田さんは筑波大学の社会工学類で数値解析を中心とした経済計画を専攻。卒業後は「街づくりに携われる会社を」と東急に入社し、人事部や海外事業部、社長室などで多彩なキャリアを形成していきます。

 「1994年からはハワイ島のマウナラニリゾートに出向し、別荘などのオーナーから成る管理組合の理事長としてコミュニティー形成のノウハウを身に付けました。続いて2002年からはシンガポールの高級ホテルを運営する会社の社長に就任し、同じくベトナムでも住宅開発の大規模プロジェクトに参画して現地法人の代表を務めました。さらにMBA取得のためアメリカに留学するなど、高い英語力や国際理解力も私の強みでしょう。同じマンション内、あるいは近隣に住む外国人との折衝でもお役に立てます」

 2010年には東急電鉄の社長室長に就任して、コンプライアンスや危機管理を経験。2018年以降は映画興行や不動産事業を手掛けるグループ会社の執行役員になり、株主総会における質疑にも対応しました。

 「企業人として長く働き、組織のまとめ役も担ってきたため、組合の円滑なマネジメントやコンプライアンス遵守のルールづくりでも力を発揮できます。なおマンション管理士の資格は20年ほど前に取得しており、定年退職後も社会の役に立とうと1年にわたる研修や実務を経て2024年に事務所を設立しました。同業による専門集団『有限責任事業組合マンション管理士プロフェッショナルパートナーズ(プロナーズ)』のリソースも活用可能で、幅広い知見で支援できます」

#chapter3

業務に集中するべく担当マンションの数を限定。改正された区分所有法の施行に向けて、まずは無料相談を

 モチベーションの原点は、住民の大切な資産を守りながら日々の安心や快適性を提供できること、と中田さん。関わる誰もが真剣に自宅の未来を見据えており、悩みを解消しつつ共に前進できることにやりがいを感じています。

 「私も全力で応援し、手厚くサポートするので、一度に引き受けられるマンションは5棟までが限界でしょうか。なお、管理組合の理事は1年ごとの交代が基本だと思いますが、大規模修繕工事は12年~15年周期で実施されるため、ぜひ専任のメンバーによる委員会を設置していただけると幸いです。一緒に時間をかけ、綿密にプランを練っていきましょう」

 今後の目標は自身との交流を通じて「管理と運営をしっかりして、100年も視野に入れたマンション」を目指す組合を支えること。長く住み続けるための決め手こそ管理だと続けます。

 「この仕事はどうしても現場を直接見る必要があるため、支援対象は原則的に首都圏の皆さんに限らせてもらいます。あくまでも当初の相談は無料で、料金が発生する段階では事前に金額とタイミングをお伝えします。互いに誠実な信頼関係を続けたいですね」

 現在は築40年以上のマンションが100万戸以上あり、今後20年で約425万戸に達すると中田さん。所有者の高齢化による管理組合の活動停滞が社会問題になっていると言います。

 「2026年4月からは『決議の要件のハードルを下げる』『所在不明なオーナーの議決権を除外できる』『管理不全マンションに対する行政や裁判所の関与が可能になる』などを柱に改正された区分所有法の施行も始まります。アップデートされる標準管理規約に併せて管理規約の見直しも求められるので、お困り事があればどうぞお声がけください」

(取材年月:2025年8月)

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中田泰行

マンションの管理組合を支え、共に資産価値の維持を目指す専門家

中田泰行プロ

マンション管理士

中田泰行・マンション管理士事務所

大手企業のグループ会社代表を務め、組織のマネジメントや国内外の不動産開発、物件オーナーによるコミュニティーの運営を経験。現在は長期修繕計画から住民の意見調整まで、マンション管理組合を総合的に支援する。

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