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家族の未来を見据えながら、日常の中に非日常を感じられる「リゾートのような」家づくり

未来を見据えた「リゾートのように」くつろげる家づくりの専門家

大越雅也

大越雅也 おおこしまさや
大越雅也 おおこしまさや

#chapter1

心身ともにリラックスできる、「家庭を包み込む空間」を大切にした家を設計

 「心と体が解放され、リラックスできるリゾートのような空間で毎日を過ごしませんか」と語るのは、「アーキテック・デザイン」代表で一級建築士の大越雅也さん。横浜市港南区を拠点に、日常の中に非日常を感じられる家づくりを手掛けています。
 例えば、登山好きの施主には無垢材を使ったロッジ風の家を。大家族の施主には無垢の一枚板のテーブルを使った掘りごたつを設け、家族全員で食卓を囲める家など、家族構成やライフスタイルに寄り添った設計が特徴です。

 「今は家族の形もさまざま。夫婦と子ども二人という典型的な家庭像ではなくなりました。だからこそ、表面的なデザインではなく、その方たちに本当に合った『家庭を包み込む空間』を考えます」

 間取りの工夫にも大越さんらしさが光ります。2階建て住宅では階段を玄関ではなくリビングにつける設計にすることが多いとか。「お子さんが学校から帰ってきて2階の自室に行くときに、自然に家族の顔を合わせる。そんな日常の積み重ねが大事なんです」と強調します。

 また、不動産会社と連携し、土地探しの段階から施主をサポート。土地の特性を踏まえたプラン例を示すことで、より具体的な暮らしのイメージを共有します。

 「土地選びでは、日当たりや立地など欠点に目が向きがちです。実際の生活をイメージできるようにすることで、納得感を持って選んでいただけるようお手伝いしています。完全オーダーだと迷ってしまう方のためには、規格住宅もご用意しています。具体的なモデルがあると話がしやすく、費用の目安も分かりやすいでしょう。モデルプランを出発点に、理想の住まいへと仕上げていきます」

#chapter2

ゼネコン、デベロッパー勤務経験を生かし、時代に合わせたコンバージョンも提案

 神奈川県藤沢市で生まれ育った大越さん。湘南の海と自然に囲まれた環境が、リゾート感覚の家づくりの原点となりました。

 「父が自動車関係の仕事をしており、幼い頃は部品をおもちゃ代わりにして遊んでいました。仕組みを知るのが好きで、家を建て替えるときに『自分ならこうしたい』と思ったことが、建築家を志すきっかけになりました」

 大学で建築を学んだ後、ゼネコンに入社し、現場で培った実践的な視点を養いました。その後、マンションデベロッパーに転職し、企画から設計までを幅広く経験。「暮らしをつくる」ことへの関心が一層深まったといいます。

 「分譲したマンションをアフターサービスで訪ねると、間取りはほとんど同じなのに、家庭ごとに暮らし方が全く異なることに気づいたんです。その姿を見て、それぞれに合った家をつくりたいという思いが強まりました」

 1995年に独立して以来、大越さんは戸建て住宅を中心に数多くの建築を手掛けてきました。設計から施工まで一貫して対応できる強みを生かし、近年は建物の再生にも力を注いでいます。賃貸マンションを高齢者施設へと用途変更するなど、コンバージョンにも積極的に取り組んでおり、法的基準を踏まえたうえで新たな用途へと生まれ変わらせることができるのは、設計と施工の両方に精通しているからこそ。

 また、リフォームやリノベーションにおいても、これまでの経験に基づいた提案が光ります。
 「ゼネコン時代に多くのマンションを手掛けてきたので、年代ごとの構造や配管の特徴が分かります。壊してみないと分からないではなく、事前に『ここまでできます』と具体的にアドバイスできるんです」

#chapter3

家づくりの過程も楽しむ経験を一人でも多くの人に

 10年後、20年後の暮らしを施主と一緒に想像し、未来の変化にも対応できる家づくりを提案してきた大越さん。最初に手掛けた注文住宅から20年以上が経ち、今ではリノベーションの相談も増加。その中でも特に印象に残る家族として、夫婦と男の子2人の4人家族のエピソードを挙げます。

 「建設途中の写真を年賀状に載せるほど、家づくりを楽しんでくださったご夫婦でした。お子さんたちのお昼寝スペースとしてリビング隣に小上がりの和室を設けたのですが、成長してからも家族4人で『川の字』になって寝ていたそうです。そんな微笑ましいお話を伺うと、本当にうれしい気持ちになりますね」

 大越さんは、設計段階から完成後まで、施主との密な対話を何よりも大切にしています。図面や模型、CGだけでは家の全貌をつかむのは難しいもの。だからこそ、現場で空間が立ち上がっていく過程を施主と共有し、「ここはやっぱりこうしたい」という要望には臨機応変に対応します。
 「家は完成して終わりではなく、家族とともに成長していきます。だからこそ、一緒に作り上げる時間を大切にしたいと思っています」

 どんな家も、施主と建築家が信頼し合い、喜びを共有してこそ、幸せな住まいが生まれる——。「これからも、家づくりの過程そのものを楽しんでくださるお客さまを、もっと増やしていきたいですね」と、大越さんは笑顔で語ります。

(取材年月:2025年9月)

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専門家プロフィール

大越雅也

未来を見据えた「リゾートのように」くつろげる家づくりの専門家

大越雅也プロ

一級建築士

株式会社アーキテック・デザイン

ゼネコン、デベロッパー勤務の経験をもとに、設計から施工管理まで一貫して手掛けます。施主との丁寧な対話を重ね、家族の未来を見据えた「リゾートのような」家を提案。事業用物件のコンバージョンも対応します

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