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人の優しさは「木のぬくもり」と共にある、をテーマに、あなたのこだわりを形に、悠久の時を提供します

無垢材にこだわり、長年の経験で理想のリフォームを実現するプロ

百々路正治郎

百々路正治郎 ももじせいじろう
百々路正治郎 ももじせいじろう

#chapter1

対話を大事にし、お客さまの思いをつかみ、手描きのスケッチでイメージを形にします

 「木のぬくもり」をテーマに住まいをリフォームするのは、香川県高松市の「旭光」の代表取締役・百々路正治郎さん。創業から七十余年を数え、県庁舎・総合病院・マンションなどの大型内装工事、個人住宅またお茶室の設計施工等、数多くの実績を重ねてきました。家具工場を持ちオリジナル家具なども手掛けています。
 
 「当社では、無垢材を使い、明るく心地よい空間づくりを目指しています。天然木は年月を重ねるごとに風合いを増し、住む人と一緒に歴史を刻むことができます。また、木材内部の空気層が湿気を吸収したり、放出したり、調湿性に優れるうえ断熱性もあり、夏は涼しく、冬は暖かい肌ざわりを感じられます」

 リフォーム工事の打ち合わせでは、間取りを表す図面に加え、スケッチを用いて奥行きや窓の大きさなど室内の様子を詳細に共有。8畳程度の小さな部屋でも20枚ほど手描きのスケッチを起します。

 「私の役割は、対話を通してお客さまが本当に求めるものを具現化すること。ご要望だけでなく、人生観などを引き出すことでイメージの先にある本質をつかみます」

 「最近ではお身体が不自由な方の自宅をリフォームいたしました。クローゼットの扉は一般的に折れ戸を使用します、その方がフラットに仕上りスッキリ見えます。今回は動作負担の軽減の為、3枚の引き戸といたしました、そしてクローゼット内部に可動式の鏡パネル、ネクタイ掛け(50本ほど収納できる)も可動式で作りました。『使いやすい、ネクタイが全部見えて楽しい』とお話しされました」

 「床材には衝撃を和らげるため、まず8mmのクッションを置き、その上に特別なタイルカーペットを採用しました、転倒した際にケガをせずに済んだと伺いました。『細やかに配慮してくれてありがとう』との言葉をいただきました」

#chapter2

1953年に創業した家業を継ぎ、茶室づくりで本質を見極める意義を再認識

 百々路さんは神奈川大学建築学部を卒業後、1953年に設立された「百々路木工」に入社。学生時代から現場を手伝っていたこともあり、自然と家業に入りました。

 「1989年に代表に就任し、翌1990年には株式会社化して社名を『旭光』としました。事業の幅を広げたいという思いで、新たな一歩を踏み出しました」

 大手ゼネコンの協力会社として大規模案件に数多く携わり、50年近いキャリアの中でも印象に残っているのが、茶室の建設工事です。事業者の設計部が描いた図面を見て、「これでは茶室として機能しない」と直感します。

 「母が茶道の師範で、私自身も茶道の心得があったため違和感を見抜きました。専門家に確認のうえ、元請けに図面の修正を提案しましたが、難色を示されました。しかし懇意にしていた所長が施主に相談してくれ、最終的には間取りがすべて変更になったんです。お施主さまが『あなたのおかげで、茶をたてるのにふさわしい場になった』と喜んでくださったことが忘れられません」

 目的や意図に合わせて、空間を適切に整える意義を再認識した百々路さん。「参ったと言わなければ負けはない」を信条に、困難な状況でも諦めずに予算の組み立てや施工方法を粘り強く検討してきました。

 「お客さまの思いを最優先にしながらも、動線や設備仕様の最適化、安全性の確保など建築の根幹に関わる部分は譲れません。常に本質を見極め、納得できる形で依頼を受け、納得のいく仕事を提供する。それが私の理念です」

#chapter3

先人の知恵が息づく手仕事の価値を伝え、職人による木の家づくりを追求

 和室を広々としたワードローブに作り変えたことも。入り口の引き戸を絵本ラックに、内側はネクタイ掛けに。収納棚の側面には、ホールド(突起物)に手や足をかけて壁を登るボルダリング用の遊具を設置。大容量の衣服を収めながら、子どもの遊び場も兼ね備えました。

 長年の経験値と柔軟な発想力で、住まいをリフォーム。今後はものづくりを担う「職人」という職業を守っていきたいと言います。

 「かつては職人が重宝され収入も高かったのですが、バブル以降は落ち込んでいます。日本全体が手に職を持つことに無頓着になり、建築業は若い人が入ってこない業界になってしまいました」

 建築業を、ヒト、モノ、コトをつなぐ「プラットフォーム産業」と捉える百々路さん。住宅や店舗、施設など、家族や利用者が集い、暮らしやビジネスを営む場をかなえるには、職人の知識や技術を継承していくことが重要だと考えています。

 「失われつつある職人文化を残すためにも、先人の知恵が息づく、伝統的な木の住まいにこだわっています。次の世代に手仕事の価値を伝えていきたいですね」

 年輪や節など木肌が一つ一つ異なる無垢の木は表情が豊か。自然素材ならではのやわらかい空気も魅力で、朝起きたときに「気持ちがいい」と感じられる住空間を目指しています。

 「床や壁、天井はもとより、建具や家具も無垢材で仕上げることができます。木のやさしさに包まれ、経年変化を楽しみたい方は当方にお声がけください」

(取材年月:2025年10月)

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専門家プロフィール

百々路正治郎

無垢材にこだわり、長年の経験で理想のリフォームを実現するプロ

百々路正治郎プロ

建設業

株式会社旭光

50年にわたる経験と木材への深い知識を生かし、対話を通して表面的な要望の奥にある本当の思いを読み取ります。得意の手書きスケッチでイメージを共有しながら、住まい手の人生に寄り添う空間づくりを実現します

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