独自のデザインと技術で理想の庭をつくり上げるエクステリアのプロ筑後英夫

独自のデザインと技術で理想の庭をつくり上げるエクステリアのプロ

筑後英夫

住宅や施設、店舗など。機能的で居心地が良く、美しい庭園をプロデュース

　小川のような水のせせらぎが聞こえたり、四季折々の草花が色とりどりに咲き誇ったり、青く茂った木立から木漏れ日がさしたり、居心地が良く美しい庭園をプロデュースする「エクステリアモミの木」の代表・筑後英夫さん。岩手県花巻市を拠点に、北は盛岡市、沿岸はもちろん南は宮城県仙台市まで依頼に応じています。

　「弊社の特徴は、人と車が出入りする動線を分けるなど機能性はもちろん、遊び心も大切にした庭づくりです。階段や小窓、扉を取り入れるなど変化に富み、驚きや発見にあふれたオリジナリティーを追求しています。また、時間帯や日の当たり方で表情が変わり、飽きのこない空間を目指しています」

　無いものはつくり出すという考えから、置物を一から制作することも多いという筑後さん。住宅を購入したばかりの子育て世代から、生活の変化に伴いリガーデンしたいシニア世代まで、幅広い世代からオファーが舞い込みます。

　一戸建て住宅をメインとしていますが、集合住宅、商業施設や病院、学校、店舗のエントランス、外構といった大規模な案件も請け負っています。

　「独創的なデザインが強みで、弊社を代表する『なめらかな曲線の塗り壁』は波のように幾重にも重ねたり、一筆書きのように緩やかなラインを作ったりして外からの視線を遮る塀となります。他にも、クルクルと渦を巻く円柱型の門柱を建て、舗装面に絵を描くなど、熟練の技能を有しています」

　岩手県ならではの気候や環境に合わせた建材の選択にも注力。特に、雪や氷の落下による破損を防ぐため、硬い木材やコンクリートを使用するなどして耐久性を確保しています。

ホテル業界で培った企画力でストーリー性のある庭づくり。受賞経験も多数

　かつては、ホテル業界でイベントの企画・運営に従事していた筑後さん。花巻温泉では企画部を立ち上げ、桜まつりや盆踊りなど季節の催しで集客に貢献しました。

　「催事の内容やレイアウトを考えるのが好きだったので、毎日が充実していました。しかしホテル業界は転職と云えば同業種の異動が多く、場所に捉われず仕事を受けたい、自分の力で仕事がしたい、という思いが次第に強くなっていきました」

　将来について思案していた折、テレビ番組で見たニューヨークの屋上庭園に感銘を受け、独立を決意します。

　「ゼロから異業種に飛び込んだため、初めは遠いエリアも一軒ずつ歩いて営業しました。お客さまの理想を形にしたいという思いで真摯（しんし）に対応する中で、多彩なアイデアを蓄えてきました」

　1997年に起業して数年後には、手掛けたエクステリアが施工コンテストで最優秀賞に。その後も多数の受賞歴を重ねます。エクステリアデザインの事例として、書籍や専門誌に取り上げられることも増え、実績を蓄積。前職で培った、人が集い、和み、癒やされるプランニング力は、現職にも生きていると言います。

　「ホテルでイベントを企画する際は、限られたスペースでストーリー性のある演出を生み出す視点を学び、今では庭づくりに応用しています。リラックスできるライティングやインテリア、装飾を施す経験を通じて、ディテールまでこだわる視点も身に付きました。エクステリアでも、照明の位置や光の当たり方、植栽の配置などを計算して設計を行っています」

エクステリアを生活空間の一部として捉え、自然と共に心豊かな暮らしを創造

　今後も顧客に寄り添い、夢を具現化したいと語る筑後さん。たえず知識やスキルを研さんし、立体的で奥行きがあり、ダイナミックな庭をかなえたいと情熱を燃やします。

　「広々とした屋外テラスやプールを設けるなど、海外のリゾートにいるような非日常感も届けられたらすてきでしょう。また『光と影が生きる庭』をコンセプトに、昼と夜で違った雰囲気を楽しめるガーデンも展開していきたいですね。スポットライトや間接照明を活用し、ドラマティックな演出ができればと考えています」

　建物と庭が調和し、アート作品のような絶妙なバランス感覚と、独自のデザイン・施工技術を確立することが目標。ブランド力を高め「エクステリアモミの木に頼めば、世界に一つの庭が手に入る」という認知を拡大していきたいと語ります。

　「どんな庭がいいか迷うという場合も、『おしゃれに』『スタイリッシュに』など、好みをお聞かせいただければ、イメージを膨らませます。『除草作業が少ないローメンテナンスの庭にしたい』といった手入れに関する要望でも構いません。庭に関することは何でも気軽にご相談ください。予算に応じてご提案いたします」

　庭を単なる外構ではなく、生活空間の一部として捉える文化を広めていくことも、筑後さんの願いです。

　「エクステリアデザインの新たな価値を創造し、業界の常識を変えていきたいと考えています。自然と共に暮らせる空間づくりで、多くの人の心を豊かにできたらうれしいですね」

（取材年月：2025年3月）

顧客の理想を形にする、快適性と独創性にこだわったエクステリアデザインを提案

住宅や施設、店舗など。機能的で居心地が良く、美しい庭園をプロデュース

ホテル業界で培った企画力でストーリー性のある庭づくり。受賞経験も多数

エクステリアを生活空間の一部として捉え、自然と共に心豊かな暮らしを創造

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