PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

地域社会の中で心穏やかな日常をあきらめることなく、誰もが自分らしく暮らし続けるために

自宅からのSOSに臨機応変に応える在宅医療と介護のプロ

川北朋子

川北さん
ふくろう3羽

#chapter1

臨機応変なフットワークで、難しい状況にも可能な限り力を尽くす在宅ケア

 「住み慣れた場所で自分らしく心穏やかに暮らしたい」という声を受けとめ、日常を支えているのは、介護支援事業所「CHOUETTE」(シュエット)の代表・川北朋子さん。札幌市で訪問看護事業と居宅介護事業を展開しています。
 
 「自宅で療養する人の元へ看護師や理学療法士・作業療法士が訪問し、主治医の指示に沿って、服薬、点滴といった医療サービスや、日常動作のトレーニング、嚥下訓練などのリハビリを提供します。またケアマネジャーが、ご本人のコンディションやご家族の要望、担当医の意見などを踏まえてケアプランを作成し、生活面でも地域やほかの事業所などと連携してサポート体制を整えます」

 「支援が届かず途方に暮れている人にこそ、応援の手を差し伸べたい」と語る川北さん。チームの先頭に立ち、看護師・ケアマネジャーとして「寄せられたSOSには必ず応える」という姿勢を貫いています。
 
 「訪問看護チームは24時間体制を敷いているので、緊急時に駆けつけることも可能。対象地域は市内全域ですが、白石区の事務所を拠点に、片道1時間程度までなら市外にも足を運びます。

 医療的な依存度の高さや年齢に関わらず、また特別なスキルを要する認知症や精神疾患、慢性疾病、さらには終末期まで、例外を設けずに受け入れているのも特長の一つ。即日対応や短期集中、早朝や夜間、年末年始といった通常受け入れが難しい状況にもできる限り力を尽くします。

 スタッフ一人一人が高い専門性を備え、リアルタイムで利用者の情報を共有することで、迅速かつ臨機応変なケアを目指しています。

#chapter2

「今、この瞬間にも困っている人々のもとへ」と、志を同じくする仲間たちと事業所をスタート

 「幼い頃、札幌医科大付属病院に1カ月ほど入院。退院したくないほど楽しかった記憶だけが心に残り、5歳にして早くも人生の進路を決めました」と振り返る川北さん。
 「将来必ず、この病院で働く」という決意がブレることなく、一直線に同大学の看護科へとつき進み、ついに思い出深い病棟勤務を果たします。

 「憧れだけで務まる職務ではないと承知していましたし、重い責務の分、やりがいもありました。ただ家庭を持つと、子育てとの両立は想像以上に簡単ではありませんでしたね」

 家庭を優先しつつキャリアを生かせる地域包括支援センターへ転職するも、10年後に閉所に至ります。
 「センターは、自治体の依頼を受けた地域の相談窓口。私は保健師やケアマネジャーとして、主に高齢者のケアマネジメントに携わりました。閉所後、当時の同僚たちは別の職に就いていたんですが、『今、この瞬間にも困っている人のために、長年の経験を役立てられないか』と、皆、同じような思いでいたことが分かったんです」

 志をともにする当時の同僚を中心に、これまでの職場を通して出会った人や新たに加わった仲間たちと、「相談に応じるだけではなく、直接サービスを届ける側に」と、訪問看護ステーションを立ち上げることに。
 目標が明確になると、5歳から証明済みの実践力を発動。既に起業していた知り合いを指南役に、独学で事業運営を学びました。
 
 川北さんがまとめ役となりスタートしたステーションは、医療的知見を持ち、地域の実情を知る女性たちによって動き始めたのです。

ふくろうカウンター上

#chapter3

地域に暮らす一員として、スタッフのライフワークバランスも尊重

 地域に暮らす一員として、誰もが自分に合った生活をかなえてほしいと考える川北さんは、現場を担う実務者の働き方にも目を向けます。

 スケジュールをリアルタイムで把握できるソフトを採用し、動線に配慮した自由度の高いコース設定や、直行直帰推奨といった独自の〝シュエットルール″を構築。ICT化やペーパーレス化により事務作業や各種手続きを簡素化するなど、サービスに専念しやすい環境づくりに努めています。

 「20代から60代まで、在籍するスタッフは、流動的ではあるものの常時20人前後と、ワークシェアも可能なレベルを意識して稼働人員を確保しています。シフト管理を効率的に行い、男性スタッフも含め子育て中や介護中でも無理なく、ライフワークバランスを大事にして活動しています」

 チームを超えてそれぞれの仕事ぶりを目にする機会も多く、個々の課題意識を刺激することも。個人が自主的にスキルアップに取り組み、サービスの内容も日々更新されているようです。

 「利用者さまやご家族にとっては、公的サービスの仕組み、医療保険や介護保険の適用範囲などは、なかなか理解が難しいでしょう。制度の活用のほか、暮らしの中の困りごとは、なんでも当方におたずねください。制度だけでは対応できないことも、ご家庭ごとの〝おうちルール″に合わせてお手伝いいたします」

 川北さん自身の元気の源は「目下、練習中」と言うダンスやピアノの演奏だそう。週末どこかのストリートピアノから力強いメッセージが聞こえてきそうです。

(取材年月:2024年6月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

川北朋子

自宅からのSOSに臨機応変に応える在宅医療と介護のプロ

川北朋子プロ

介護支援事業所代表

株式会社CHOUETTE

「寄せられたSOSには必ず応える」を理念に、ICTを活用した情報共有とペーパーレス化で、医療的依存度の高さや個別の事情に関わらず、休日・夜間にも臨機応変に対応する在宅医療と介護サービスを提供

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ北海道に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北海道テレビ放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO