卸と企画開発を手掛ける健康食品のプロ落合和馬

卸と企画開発を手掛ける健康食品のプロ

落合和馬

製造現場を熟知し、幅広い要望に対応。自社サイトや店舗の直販も好評

　「お客さまが心から納得できる健康食品を提供していきたい」と語るのは、群馬県藤岡市の「サプリックス」代表の落合和馬さん。サプリメントや黒酢、飲用水など幅広い商品を取り扱い、卸売りや小売り、OEM（相手先ブランドによる生産）など、多様な事業を展開しています。

　卸売業でありながら、商品の企画・開発も手がけているのが同社の特長。製造現場や開発ノウハウを熟知しており、顧客から「こんな商品をつくりたい」という相談があれば、その場で製品化への道筋を提示できるといいます。

　また、群馬県内外に製造協力工場や製品開発協力企業を擁すなど、生産体制も充実。製品の特性に応じて生産工場を選択し、多様な顧客ニーズに柔軟に応えます。健康食品GMP認証やISO取得など、安全・品質面の体制も整えています。

　販路は多岐にわたり、ドラッグストアやバラエティーショップ、ホームセンターなどへの供給に加え、一般消費者向けの直販にも対応。自社ECサイトでの販売のほか、2025年6月には本社倉庫に小売店舗を開設し、地域の人々に手に取りやすい価格で提供します。

　「物価高の影響で消費者の節約志向が強まり、サプリメントなど健康保持用摂取品の支出額は減少傾向にあります。そこで、多くの方々に健康食品の魅力を改めて知っていただきたいと思い、店舗開設に踏み切りました。毎月リピートで足を運んでくれるお客さまを見かけたり、『あのサプリ、とてもよかったよ』といった声をいただいたりすると、励みになりますね」

大手のPB商品から小規模事業者の小ロット品まで、多彩なOEMニーズに対応

　落合さんが取り扱う商品の中でも、近年注目を集めているのが、体内で生成できない天然シリカを含んだプロトン（陽子）水「e-ris（イリス）ウォーター」。2025年4月より代理店として販売を開始し、予想を上回る反響を得ています。

　「人間の体の70％は水分でできています。食べ物にこだわることはもちろん大切ですが、それと同じように水を選ぶことにも目を向けていただきたいと考えています」と落合さんが。家庭の水道に設置できる浄水器の販売をはじめ、農家向けには農作物の育成に使える散布用水も取り扱っています。

　OEM分野では、有名化粧品メーカーと取引があるほか、ドラッグストアのプライベート商品を請け負うなど、豊富な実績を誇ります。近年では大手企業に加え、飲食店などの小規模事業者からの引き合いも増えているとか。

　「ある飲食業のお客さまは、健康食品の原材料を独自で仕入れたものの、機械やロットの兼ね合いから加工を引き受けてもらえる工場が見つからず、最終的に私どもにご相談くださいました。協力工場で加工を担い、商品化まで支援できたことをうれしく思います」

　このほか、日本茶のサロンの要望でスティック状の抹茶を製造したり、漬物製造会社からはたくあん漬けの素の製造依頼が寄せられたりなど、健康食品の枠を超えて多彩な食品を加工しています。
　「野菜パウダーなど、まだまだ可能性は広がっています。小ロットでも対応可能ですので、ぜひ気軽にご相談ください」

父が始めた家業のバトンを引き継ぎ、地元に頼られる会社を目指す

　「弊社は1981年に父親が創業しました。当時はまだ健康食品という言葉が一般的でない時代。中国のプーアル茶やウーロン茶、蜂蜜やニンニクの加工品、モロヘイヤなどを扱っていました」

　落合さんは小学校の頃、卒業アルバムの将来の夢に「父の会社を継ぐ」と記すなど、当時から家業について意識していたそうです。機械好きが高じて、東京の医薬品製造機械販売会社へ入社し営業職として働き、グループ会社の健康食品製造工場へ異動し製造技術を学んできました。その後帰郷してサプリックスに入社。2012年に代表に就任しました。

　「健康食品の卸売りという業務の性質上、取引先の多くは県外企業です。しかし地元にも新たなビジネスの芽があるのではないかと考え、社長に就任してからは地域密着を掲げ、地元に頼られる会社を目指しています」

　コロナ禍では、仕入れていたマスクを地元企業や保育園などに優先して提供。SNSや口コミで情報が広がり、多くの購入希望が寄せられました。藤岡商工会議所にも加盟し、地域活動にも積極的に参加。「横のつながりが着実に広がっている」と実感しています。

　今後は、環境問題の解決に資する活動を通じ、より多くの人々の健やかな生活をサポートしていきたいと話す落合さん。
　「近年、発がん性が指摘される高濃度の有機フッ素化合物（PFAS）による水質・土壌汚染が社会問題化しています。環境を整えることは、食の安全や人々の健康を守るうえで欠かせません。環境と健康の両面から、誰もが健やかに暮らせる社会づくりに貢献していきたいですね」

（取材年月：2025年10月）

健康食品の卸、小売り、OEMで、人々の健やかな生活を支える

製造現場を熟知し、幅広い要望に対応。自社サイトや店舗の直販も好評

大手のPB商品から小規模事業者の小ロット品まで、多彩なOEMニーズに対応

父が始めた家業のバトンを引き継ぎ、地元に頼られる会社を目指す

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