気持ちよくお参りできるお墓を提案するお墓づくりのプロ奥野正宏

気持ちよくお参りできるお墓を提案するお墓づくりのプロ

奥野正宏

メンテナンスやリフォーム、霊園・墓地の紹介、納骨、墓じまいにも対応

　「当方は、墓石の加工や建墓に30年以上取り組んできました。培ってきた経験を生かし、皆さまが末永く気持ちよくお参りしていただけるお墓づくりをいたします」

　そう話すのは、群馬県前橋市にある「石縁堂」の代表、奥野正宏さん。縦長の石碑を建てる従来型の和式、横長の石碑を施す現代的な洋式、五つの石を積み重ねる五輪塔と、各種墓標を手掛けています。

　「基本的に、打ち合わせから設計、施工まで私が一貫して担当します。気になることがあればいつでもお伺いしますので、心配ごとや疑問点があれば遠慮なくお声掛けください」

　石材は、日本を代表する庵治石や大島石、ノルウェー産のブルーパール、インドのアーバングレーなど幅広い種類を用意。色みや模様、耐久性に関わる石質など、顧客の要望と予算、墓地の周囲の状況なども勘案しながらデザインを提案しています。

　「例えば、ご家族に足元が不安な方がいらっしゃるなら、ベンチがあるタイプをお薦めしています。ご親族が向かい合って座り、故人の思い出話ができるように墓碑の左右に配置したり、座面の角は丸みを持たせて優しい印象にしたり、細部まで配慮しています」

　奥野さんのもとでは、補修や清掃を行うメンテナンス、外柵の段差をなくすバリアフリー化といったリフォームにも対応しています。

　「霊園・墓地をお探しの方には宗派をお聞きして紹介しております。納骨の際は立ち会ってご遺骨を納め、生花やお供え物も準備いたします。墓じまいや、永代供養墓などへの改装もたまわりますので、お墓に関することは何でもご相談ください」

家業で修行し、「石でご縁がつながるように」との思いを社名に込めて創業

　奥野さんは1969年に前橋市で生まれました。実家は、祖父が戦後間もない頃に興し、現在まで続く石材屋です。「私は次男で後を継ぐ予定もなかったので、高校を出た後は自動車整備士を目指して東京の専門学校に入りました」

　卒業後は地元に戻ってディーラーで整備士として勤務しますが、24歳のとき、人手が足りずに困っていた父に頼まれ家業に入ります。以来、営業から設計、文字彫刻、設置工事まで石にまつわる工程を一通り経験し、スキルを磨いてきました。

　長らく現場に立ち家業を支えてきましたが、実家は兄が継ぐことになり、奥野さんは2020年9月に独立。「石でご縁がつながりますように」という思いを込めて、「石縁堂」と名付けました。
　
　「2021年に、福島のご出身で前橋に暮らしている方から、お墓の移転を依頼されました。お彼岸やお盆のたびに遠く離れた故郷へ足を運ぶのは大変だけれど、本家のご先祖さまが代々眠っておられるので、手入れが行き届かなくなるのは忍びないとのことでした」

　墓所を整地した後、近くにあった分家のお墓をそこへ移し、前橋に本家の新しいお墓を建立。「全てを終えるまでに時間がかかりましたが、お客さまは『これからは側にいて供養ができる』と感謝してくださいました」と顔をほころばせます。

　実家で働いていたときも会社を立ち上げてからも、奥野さんが心掛けてきたのは顧客と長きにわたる関係性を築くこと。建てておしまいではなく、そこから本当の付き合いが始まると考えています。

多様化するニーズに合わせ、一人一人に寄り添ったサービスを目指す

　職人の道に進んで以来、一人一人に寄り添い、真心を込めてものづくりをしてきた奥野さん。大勢の人が力を貸してくれたおかげで、今日まで会社を続けることができたと言います。

　「昨今はお墓に対する考え方が柔軟になりました。刻む文字も一家の名字だけではなく、好きな花だったり、大事にしている言葉だったり、ニーズも多様化しています。お客さまのご希望に応えられるよう、今後さらにサービスや体制を充実させたいと思います」

　創業当初は奥野さん一人で全ての仕事をこなしていましたが、現在は息子の哲平さんも一人前に頑張ってくれています。「ある日突然、『一緒にやりたい』と言ってくれたんです。昔、私の父が哲平に『将来は石屋になれ』とよく話していました。もしかしたら、それを覚えていたのかもしれません。お客さまからも、20代の跡取りがいるので先々まで管理をお願いできると喜ばれています」

　次代を担う息子に期待を寄せ、じっくり知識や技術を伝授。かつて実家で一緒に働き、今は独立して自分で事業を営む元同僚も哲平さんをかわいがり、いろいろ教えてくれるそうです。「親から子、孫へと受け継いでいくお墓の文化を守るためにも技能を身に付け、次の世代に伝えてくれることを願います」

　日本の伝統に携わる奥野さんの趣味は寺社仏閣めぐり。「仕事柄、仏教や神道に興味を引かれます。西国、坂東、秩父巡礼、いつかは四国八十八カ所を巡礼したいですね」と語ります。

（取材年月：2024年2月）

打ち合わせから設計、施工まで手掛け、真心を込めたお墓づくりを提案

メンテナンスやリフォーム、霊園・墓地の紹介、納骨、墓じまいにも対応

家業で修行し、「石でご縁がつながるように」との思いを社名に込めて創業

多様化するニーズに合わせ、一人一人に寄り添ったサービスを目指す

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