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ビッグデータや生体情報などの科学的エビデンスに基づき、個人の生きやすさや集団の持続性を提案

心身ストレス評価、五感教育、災害・防災教育のプロ

中山ユウキ

中山ユウキ なかやまゆうき
中山ユウキ なかやまゆうき

#chapter1

健康、地域、教育を軸にデータを収集・解析して地域や企業のコミュニティーづくりを支援

 自治体や企業、学校などに所属する人が幸せや安心安全を追求できるよう支援する「Refinecollege」の研究者で文化人タレント・中山ユウキさん。これまで大学教授なども務め、スポーツ医工学や災害・防災工学、コミュニティーデザインの専門家として国内外で活動しています。

 「取り組みは多岐にわたり、例えばeスポーツの普及を目指す群馬県に協力し、ビデオゲームによって神経伝達がスムーズになることを唾液の変化などで証明したこともあります。高齢者の運動不足解消や仲間づくりにも役立つとニューロン(神経)スポーツであると再定義し、健康長寿社会に向けた有効な手段の一つとして科学的エビデンスの構築に貢献しております」

 また、全国的に防災や防犯の意識が高まる中、自治会や大規模団地に見られる住民の高齢化や外国人の増加といった現状をヒアリングし、それぞれが快適に暮らすためのアイデアを提示。企業の社員研修も引き受け、サバイバルゲームやキャンプを実施して各自の性格やチームワークを評価し、人材育成やジョブローテーションに役立てています。

 「最近は、学力テストでは数値化できない非認知能力として『人生や将来を豊かにする力』の育成について、幼稚園などからカリキュラムの考案を頼まれることも増えています。特に従来の防災教育は避難訓練など事後対応が中心でしたが、私は危険を事前に察知できるよう嗅覚や聴覚を鍛える五感教育に力を入れています」

 小中学校の総合学習で採用される機会も多く、中山さんは健康、地域、教育をテーマに各種データを解析し、コミュニティーづくりを支えています。

#chapter2

災害救助に従事し、隊員の育成やストレス研究、海外との交流を視野に入れ研究所も設立

 中山さんは大学を卒業後、総務省消防庁に就職して後に災害派遣部隊のリーダーに就任。東京消防庁に移り、大規模な特異災害に対応するハイパーレスキュー隊長として数々の現場へ赴きます。

 「当時は、自分に体力や知力が備わっていれば人を助けられると考えていましたが、一人の力では不十分で人材育成が優先だと判断しました。消防士や警察官を目指す学生が多い国士舘大学の専任講師になり、救急救命システムなどを研究する中で東日本大震災を経験しました」

 第一線に立つ、仲間の消防隊員たちの精神的な疲弊を目の当たりにした中山さん。メンタルケアに着目し、岩手大学に移ってストレスについても研究。緊急時における救助の経験知を踏まえ、国内にある財団の支援を受けて海外でも災害に強いまちづくりを手伝い、防災・減災をはじめ組織の枠を超えた柔軟な連携を求めて研究所を設立しました。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に、毎年のように講演会やフィールドワークに招かれ、研究の成果を伝える身でありながら、現地で学ぶことが多いと語ります。

 「インドネシアは日本と同じく地震や津波、火山の噴火などに見舞われますが、災害時に避難所に残っているのは子どもと教師ぐらいです。日本のように行政の支援が望めないからこそ、動ける人は“待ちの姿勢”にならず積極的に復興に関わります。災害を自然の営みとして受け止め“ハーモニー”と呼び、コミュニティー全体で乗り越えていこうとする文化に胸を打たれます」

#chapter3

プロスポーツ選手のパフォーマンスや、地域や企業のコミュニケーションアップもサポート

 神経伝達の領域における知見を生かし、スポーツ選手もサポートしている中山さん。地元群馬の前橋市や、東京・町田市を中心に活動するプロサッカーチームの依頼を受け、視力で対象を捉えて運動機能に連動させるビジョントレーニングを実施することもあります。

 「専用装置を使い、光が点灯した箇所を瞬時に手で押していくなど、眼筋を鍛えつつ神経伝達の速度を上げてパフォーマンスの向上を図ります。欧州のチームではオフシーズンのトレーニングに採用されており、特に『ボールを受けるまで』と『次の行動に移すまで』の判断時間を短縮することに役立ちます」

 また、スノーボードのジュニアチームにメンタルトレーナーとして携わり、トリックを決めた時の心地よさと唾液検査を結びつけて客観的に評価するなどモチベーションについても考察。

 さらに近年は、デジタル庁認定の地域DX(デジタルトランスフォーメーション)プロデューサーを務め、地域の課題に向き合う中で「人と人とのコミュニケーションをおろそかにしてはいけない」と考えるように。行政の業務効率化を進めつつ、窓口で職員と住民の交流が減らないよう提言を続けています。

 「企業で活用されているチャットやメールは便利ですが、対面の会話で生まれるビジネスのアイデアやヒントがありますよね。業務に必要なスキルや知識を習得するリスキリングが浸透していますが、組織の活性化において、外部コンサルタントの立場でチームワークを学び直すワークショップも提案します」

(取材年月:2024年11月)

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Profile

専門家プロフィール

中山ユウキ

心身ストレス評価、五感教育、災害・防災教育のプロ

中山ユウキプロ

生体工学者・コミュニティーデザイナー

株式会社Refinecollege(文化人タレント専門 芸能プロダクション)/ 一般社団法人地域社会継続研究所

大学教授として生体医工学に基づくストレス評価,コミュニティーデザインを科学的エビデンスに基づき地域や企業、学校の組織づくりに着手。「社員研修」「自治会や団地の結束」「五感教育」などをテーマに活動。

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