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「できた」に触れ合える体操を通じて自信を育み、子どもたちのチャレンジをサポート

情熱と愛を大切にした指導を行う体操のプロ

高瀬裕典

高瀬裕典 たかせひろのり
高瀬裕典 たかせひろのり

#chapter1

幼児から高校生を中心に、運動の基礎から大会出場まで幅広く体操を指導

 「全身を伸び伸びと動かす体操を通じて、運動を好きになってほしいですね」と語るのは、福岡県北九州市で「TKS体操クラブ」を主宰する「TKS.e(ティーケーエスイー)」の代表・高瀬裕典さん。

 主に3歳の幼児から高校生までを対象にコースを各種展開。体育の授業で困らないように、体の使い方といった運動の基礎から、大会に出場するための種目まで幅広く指導しています。

 「クラブには、鉄棒や平均台など国際的な公式大会で使用されている器具を備えています。コーチ陣も日本代表やインターハイ優勝の経験があり、生徒の年齢やレベルに応じてレッスンしています」

 高瀬さんは、サッカーや野球など、どんなスポーツでも体の軸となる体幹を鍛えることが重要だと呼び掛けます。

 「当方は体を支える筋力、体勢を保つバランス感覚、しなやかに動く柔軟性などを養うことに重点を置き、身体能力を高めてケガをしにくい体づくりをお手伝いします」

 体操には個人と集団競技があり、精神面の成長にも有用とのこと。努力を重ねて自らの技を磨くことで自己鍛錬ができ、チームでパフォーマンスアップを図る中で協調性やコミュニケーション力を身につけることができると言います。

 「子どもたちと接する上で、『愛と情熱』による指導を大切にしています。どんなに教えるのがうまくても、真摯(しんし)に向き合う心がなければ生徒は上達しませんし、モチベーションが続かず辞めてしまいます。最終的には愛なんです。それぞれのできることを増やし、自信を持ってもらうことも心掛けています」

#chapter2

苦手だった体操を高校からスタートし、克服した経験から指導者の道へ

 高瀬さんが体操を始めたのは高校生のとき。逆上がりができず、どちらかというと運動音痴だったか。

 「弟が小学生のときからやっていましたが、僕は体操が一番苦手でした。跳んだり、回ったり自在に舞う姿に憧れはあって、できない自分が嫌で体操部に入りました。毎日練習できる環境があったので、自分のコンプレックスを解消するチャンスだと感じました」

 大学でも体操部に入部。専任のコーチなどはいなかったそうですが、先輩から教わる楽しさと、自分たちで掘り進めていく楽しさを学び、指導者の道を志します。

 大学卒業後は京都の体操クラブで指導方法を学び、帰郷してからは国内最大級のスポーツの祭典・国民体育大会(国体)の福岡県少年少女、成年女子の監督を歴任。経験を積み、2022年に「TKS体操クラブ」を立ち上げました。

 「独立する前に地元に帰ってくる機会があったのですが、ちょっと練習したいと思っても適した場所がない。学校の施設を借りることはできましたが、自由に使えるわけではなく。いつでも練習できる場所をつくりたいと考えました」

 今では約400人と数多くの生徒が通い、生き生きと体操に取り組む場となりました。

 「たかせの頭文字『TKS』に、息子の名前に用いる漢字『永』から『E』を加えて社名にしました。『永』は『とこしえ』とも読み、いつまでも続くことを意味します。末永く愛されるクラブにしたいとの願いを込めているので、たくさんの方に選んでいただけるのは、うれしい限りです」

高瀬裕典 たかせひろのり

#chapter3

走って跳んで登る、体操と相性がいいスポーツ「パルクール」の教室も開催

 福岡県の体操を発展させるべく尽力する高瀬さんは、世界を目指すトップアスリートを育成する施設を展開していくことを目標に掲げています。

 「教室は増えているのですが、体操選手を育てられる本格的な施設は減少傾向にあります。子どもたちの可能性を引き出し、伸ばしていく場を用意して挑戦を後押ししていきたいですね」

 加えて、フランス生まれのスポーツ「パルクール」の教室も開催。裾野を広めたいと意欲を燃やします。

 「走る、跳ぶ、登るといった動作を繰り広げ、全身を使う身体技術は体操と親和性が高く、子どもたちにおすすめです。パルクールができる公園をつくったり、体操と一緒にパルクールも習える施設を併設したり、普及に向けた展望を描いています」

 以前は試合や協会の会議に参加する立場でしたが、最近は大会を主催する側に立ち、組織を率いる場面が多くなった高瀬さん。行政や商店街、地元住民らとの関わりも増え、地方が抱える課題にも目を向けるように。体操という分野で地域活性化に貢献し、ひいては福岡県全体を盛り上げていきたいと力を込めます。

 「体操のいいところは、技ができたかできないかが一目瞭然で分かることです。他人ではなく自分自身との闘いであり、『できた』という手応えをつかんで成長を実感しやすいのが魅力です。僕は高校生から始め、成功体験を重ねることで自信がつき人生が変わりました。やりたいという意志があればできる。多くの子どもたちにぜひチャレンジしてほしいですね」

(取材年月:2024年11月)

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専門家プロフィール

高瀬裕典

情熱と愛を大切にした指導を行う体操のプロ

高瀬裕典プロ

スポーツインストラクター

株式会社TKS.e

公式大会でも使用されている器具を常設するなど、充実した設備が整った本格的な体操施設を運営。運動の基礎から体操競技まで、体操経験者によるトップクラスの指導を提供。

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