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課題解決につながる〝経営の基本〟を伝え、経営者を後押し

経営の基本知識を伝え、事業の成長をサポートするプロ

田中智章

田中智章 たなかともあき

#chapter1

企業ごとの課題を深く掘り下げ、事業を続けるための戦略を導くコンサルティング

 創業直後や事業を引き継いだばかりで、会社経営全般について「何が分からないのか分からない」と困っていませんか。
 「経営コンサルタントTiNoM」の代表で、中小企業診断士の田中智章さんは、主に経営初心者に向けたコンサルティングやセミナーを手掛けています。
 「お金と時間とやる気があれば創業できると言われますが、本当に大変なのは事業を続けることです。創業から3年以内に廃業に追い込まれる企業は多く、その要因としてきちんと戦略を立てられていないことが挙げられます。創業や事業承継をゴールとせず、七五三に例えて、3年、5年、7年と節目ごとに成長の目標を持ちましょう」

 事業を続けるためには、自社の課題を明確にすることが重要と力を込めます。よく寄せられる悩みは、資金繰りや集客だそう。
 「例えば、売上を上げるといっても、客数を増やしたいのか、客単価を上げたいのかによって対策は異なります。また、新規かリピーターかもポイントに。ヒアリングにより課題を抽出して深く掘り下げ、一緒に解決策を見つけます」

 幅広い業種を扱う中、特に飲食店やサービス業が多くを占めます。ある創業支援では、出店場所や価格設定に悩んでいた経営者の背中を押し、店舗経営を軌道に乗せたとか。
 「今は、YouTubeなどでも経営ノウハウの情報があふれていますが、自社に合ったやり方にたどりつくのは困難で、知識だけでは〝空振り〟になるケースも多いでしょう。参謀の立場で、〝ヒット〟につながる確実な戦略を導くのが私の役割です。『こんなことは誰も教えてくれなかった』とよく言われます」

#chapter2

ゲーム形式で経営視点を養う研修など、セミナーにも意欲

 田中さんは、売り上げアップや決算書の見方など、経営の基本を伝えるセミナーにも力を入れています。ボードゲームを取り入れるなど参加型を心掛けているそう。
 「ゲームでは、一人一人が社長になり、自らの意思決定が、会社の数字にどう影響するかをシミュレーションします。与えられた経営課題に対応しながら、現金出納帳をつけ、損益計算書や貸借対照表も作成。現金がショートすれば事業が破綻するなど、ゲームを通じて経営を体感できます」

 どの層にも有効なツールとして、新入社員研修でも活用するケースも少なくないとか。
 「例えば営業なら、ただ単に販売数を増やすために値下げをして商材をたくさん売ったとしても、一見、売上は上がったように見えても会社の利益は逆に厳しくなる等、数字の謎を知ることができます。担当部署に関わらず、会社の仕組みへの理解を深め、経営視点を養えるため、自分の役割について考える機会になります」

 コンサルと2本柱で、セミナーにも力を入れていきたいと田中さん。
 「セミナーの内容はリクエストに応じてカスタマイズできます。経営の基本を学ぶ機会を提供し、多くの経営者さんに知識を身に付けてもらいたいですね」

 結果が出たときが何よりうれしいと語ります。
 「売り上げが上がった、効率化でき利益が増えた、など感謝の言葉をいただけるとやってよかったと思います。コンサルでは特に契約期間を定めていないものの、『話すだけで安心できるから』と継続いただくこともあります。いつでも相談しやすい関係づくりを大事にしています」

#chapter3

小売業の経営経験を生かして、中小企業診断士としてコンサルタントに転身

 大学卒業後、病院の経営企画室で約4年勤務していた田中さん。
 「いつか自分で何か事業を興したいと思っていましたが、まずは社会人経験を積もうと医療業界に進みました。外来や検査室の業務効率化を図ったほか、検査室の主任としてマネジメントを担当しました」

 目標だった経営者に転身し、2013年に自宅の倉庫を改装して雑貨店「TiNoM」を開きました。
 「店舗経営をしながら、社会で生き抜く力をつけたいと資格取得を考えました。たまたま見た資格の本で、〝経営者の町のお医者さん〟というフレーズが目に留まり、医療業界で抱いていた人の役に立ちたいとの思いもかなうと、中小企業診断士を選びました」

 資格取得を機に、2019年からコンサルティング業をスタート。公的機関や福岡県よろず支援拠点でも活動しています。
 「雑貨店の経営が役に立つ場面は多いです。当初、売り上げが上がらず苦労したものの、イベントを開催して集客力を高めました。事業がうまくいかない苦しみも、お客さんが増える喜びも身をもって知っているので、経営者さんの気持ちに寄り添えます。加えて、専門家として客観的な視点からアドバイスできる点が強みです」

 田中さんは、「あなたに寄り添い、実りをもたらす」をコンセプトに掲げています。
 「経営の悩みは、社員や家族には打ち明けにくいものです。資金繰りなどどんなことでも『こんなことを聞いてもいいのかな?』と遠慮せずに気軽に聞いてください」とやさしく呼び掛けます。

(取材年月:2024年9月)

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田中智章

経営の基本知識を伝え、事業の成長をサポートするプロ

田中智章プロ

経営コンサルタント

株式会社経営コンサルタントTiNoM(ティノム)

経験の浅い経営者や後継者に向け、資金繰りや集客など、初歩的な悩みを解決するコンサルティングを提供。課題抽出や解決に役立つ経営の基本を伝えます。ゲームを通して経営を学ぶ研修など、セミナーにも注力。

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