企業の資産となる動画資産を作る。共感を呼ぶ映像を制作するプロ百市道徳

企業の資産となる動画資産を作る。共感を呼ぶ映像を制作するプロ

百市道徳

ノンフィクション、コメディータッチなどを演出し、採用で大きな反響が出た事例も

　ドキュメンタリー番組や映像制作を得意とする「CMC」の代表兼プロデューサー・百市道徳さん。InstagramやTikTokの普及で誰もが動画を配信できるようになった今、特に企業には価値ある「動画資産」を作ってほしいと話します。

　「創業者の起業ストーリーや熟練スタッフの職人技、社外活動する社員の姿をはじめ、映像にすることで組織内のメンバーや取引先も共感しやすくなります。骨太のノンフィクション、コメディータッチ、低予算のサブスク型YouTube番組など演出方法も提案します。一時的なバズより、10年後も価値あるコンテンツを展開し“未来の従業員候補”の感動も得られるようにしましょう」

　時に元お笑い芸人のディレクターらも交えて企画を練り、撮影から編集、配信方法の提案までワンストップで対応可能。公共性が高いテレビの番組やCMを手掛けていることもあり、コンプライアンスも重視しています。

　「これまでテレビ番組制作を通して200人以上の経営者を取材してきたのも強みです。例えばある美容関連の企業では、代表が肉体美を競うコンテストに出場して優勝するまでの軌跡を映像化しました。日々の努力、情熱、美意識の高さなどが求職者にも伝わり、その年の応募者数が急増したと聞きます。採用活動ではよく経営者や従業員へのインタビュー動画を目にしますが、黙々と夢に向かう“社長の背中”を見せたことが反響につながりました」

　なお制作スタッフは固定せず、顧客の課題に合わせてフリーランスのカメラマンやエディターを編成。プロジェクトごとに専門人材を結集し、時代に即したクリエイティブを実現しているのも特長です。

ミュージシャンとして表舞台を経験。被写体として見せ方を理解しているのも特長

　幼稚園教諭だった母親の影響を受け、福岡の専門学校で幼児教育を学んだ百市さん。卒業後は“うたのおにいさん”を目指して芸能事務所に入り、エレクトロポップの音楽ユニットを結成します。

　「地元でテレビ番組のレポーターを務めたり、韓国の音楽番組に出演したりもしました。後に東京に進出し、メジャーデビューも果たしました。同じレコード会社に所属するトップアーティストのライブやミュージックビデオから刺激を受ける中で『表舞台に立つのも魅力だが、主役を引き立てるクリエーターになるのも面白そう』と思ったことが現在に至るきっかけです」

　宮崎の実家に戻ってからは、農作業を手伝う傍ら個人事業主として映像編集やホームページ制作に従事。顧客の反応も上々で、本格的にビジネスにしようと福岡市で「CMC」を立ち上げます。

　「社名は『クリエイターズ・マーケット・カンパニー』の頭文字で『表現者が集まり安心して活躍できる場を提供したい』との思いを込めています。私はプロデューサーとして彼らとお客さまの橋渡し役を担い、福岡発の映像で日本中を盛り上げたいですね」

　提携クリエーターは30人を超え、今後も隠れた人材を発掘したいと意気込みます。

　「種をまき、芽生えた才能を育てていくのは農業の経験から学びました。私は自らカメラの前に立ってきたこともあり、被写体が自らをどう見せたいのか、いかに振る舞えば“らしさ”を引き出せるかも理解しています。リラックスして本番をお迎えください」

東京、バリにも拠点を展開。グローバルチームの編成も視野に企業の発展に貢献

　東京にも拠点を持ち、インドネシアのバリ島では子ども連れに配慮したプール付きの宿泊施設を建設している百市さん。現地にも優れたクリエーターが多く、サポートを強化するのも目標だと言います。

　「神々への信仰に基づく彫刻、絵画、舞踏などが有名で、芸術家が集まる村もあります。暮らしに根付いたアートに幼い頃から触れてきたカメラマンやエディターがいる反面、資金不足で機材が買えず、満足に活動できないケースが少なくないのも事実です。本領を発揮できずにいる彼らと日本の案件に取り組み、正当な報酬を還元したいと考えています」

　バリで映像制作の仕事に夢を持たせるのも自ら役目と語る百市さん。オンラインで働ける環境を拡充させ、世界規模でチームを構築し、地域や国を越えたグローバルなクリエイティブの市場を創出したいと意欲を見せます。

　スキルを持ったメンバーとともに資産としての動画の役割を訴求し、企業の課題解決や発展に貢献。世界遺産ならぬ「動画遺産」の制作に携わることも展望しています。

　「例えば毎年の入社式で必ず流れる創業者のインタビュー動画や、歴代の経営者や幹部が閲覧すべき教訓集など、思いや歴史が詰まった映像が何世代にもわたり引き継がれることを願っています。まずは気軽に、Zoomなどでアイデアを出し合いましょう。私たちとの会議はワイワイとにぎやかな雰囲気になるのも自慢です。ぜひ一緒にプロジェクトを楽しんでいただけたらうれしいですね」

（取材年月：2025年5月）

企業の思いや歴史を映像化し、価値ある「動画資産」として次世代にも継承を

ノンフィクション、コメディータッチなどを演出し、採用で大きな反響が出た事例も

ミュージシャンとして表舞台を経験。被写体として見せ方を理解しているのも特長

東京、バリにも拠点を展開。グローバルチームの編成も視野に企業の発展に貢献

専門家プロフィール

Other Interview