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見えない部分にこそ誠実さを。安心を届ける地盤調査、地盤改良のプロフェッショナル

建物の安全を支える地盤調査・改良工事のプロ

遠藤修平

遠藤修平 えんどうしゅうへい

#chapter1

コスト、納期、品質、クライアントニーズに合わせた地盤改良方法を提案

 福岡県を拠点に九州・沖縄で地盤調査や改良工事を手掛ける「アズケン」。代表取締役の遠藤修平さんは、住宅から大規模建築まで幅広い案件に対応しています。
 
 「地盤改良の工法は日進月歩。住宅だけでも何百種類もあります。適したものをご提案できるよう、常に新しい工法を研究・導入し、お客さまの条件に適したものをご提案できるよう努めています。自社でも改良機械を保有していますが、機械を持つとどうしても自社機でできる工法を優先しがちになるものです。そこで当社では自社施工は全体の2~3割程度に抑え、より現場にあった技術や機材を持つ協力企業への委託など、あくまでもお客さまを第一に考えた工法を選択しています」

 顧客が求めるのはやはり、コストの低さ、納期の早さ、安全性、そして品質の高さ。同社では、同じ調査結果でも複数の工法をを提案し、納得できる方法を検討します。「お客さまに満足いただいて初めて利益をいただくのが当社のスタイルです」と遠藤さん。ただ単に建築確認申請を通すためだけでなく、胸を張れる仕事を常に心掛けています。

 建物完成後に施工不良が判明すれば、改修費用は新築時の3〜4倍に膨らみます。そのため、工事開始時には必ず自身や責任者が現場を確認。「一本目の杭が設計どおりに打てたらまずはほっとしますが、最後まで気が抜けません。どの現場も大変ですよ」と話す姿からも、誠実な姿勢が伝わります。

 また専門的知見を求めて、建築トラブルを扱う弁護士からの問い合わせも寄せられるとか。「住宅が傾いた場合に責任の所在はどこか」「工事のやり直しにどの程度の費用がかかるか」といった相談にも応じるなど、豊富な知識で法律家からも頼られています。

#chapter2

現場で培った知識と経験、コミュニケーション力で地盤のプロへ

 遠藤さんが建設業に足を踏み入れたのは、大学時代に始めたアルバイトがきっかけでした。「就職活動をして一般企業に進むか悩んだのですが、建設業で汗をかくのも悪くないと思ったんです」と振り返ります。

 足場の組立てやコンクリート打設、設備工事など多様な職種を経験。将来は営業職に携わりたいと考え、1年間は徹底して修行に励みました。
「飛び込み営業で断られることも多々ありましたが、その経験が人に伝える力や粘り強さを養うことにつながりました」

 その後出会ったのが地盤調査・改良の世界でした。建物が建つ最初の一歩に関われ面白さを感じ、約5年間施工を担当します。
「20歳も30歳も年上の職人さんに鍛えられました。現場で揉まれたことで自然とコミュニケーション能力が磨かれました」と笑顔を見せます。

 2012年には大手地盤改良会社に入社し、営業職に就くことに。九州進出から間もない時期で、遠藤さんは現地採用の一人でした。現場で培った経験と知識を武器に営業成績を伸ばし、翌年には支店長に抜擢されました。

 役職に就いても現場への思いは人一倍。支店長でありながら頻繁に現場に足を運び、「そんなフットワークの軽い支店長はいない」と社内から注意されるほどでした。2022年には執行役員・九州ブロック長に就任し、本社経営陣の道も見えていましたが、「福岡を離れたくない」という強い気持ちが勝りました。「やはりお客さまと直接向き合える現場が好きなんです」と率直に語ります。

 そして2024年、かねてから声をかけてくれていた現在の会社を引き継ぎ、代表取締役に就任しました。

#chapter3

「凡事徹底」と「経営力の強化」で、建物の安全と安心を根底から支える

 代表として会社を率いる立場になった今、遠藤さんが掲げるテーマは「凡事徹底」と「経営力の強化」です。前職では60人規模の組織をマネジメントし、資金調達以外のすべてを経験。「日々の当たり前を徹底することこそが信頼につながる」と確信しています。

 「例えば納期の伝え方ひとつでも、『明日まで』ではなく『明日の何時までに』と具体的に約束する。当たり前のことを積み重ねるだけで、お客さまは安心できるんです。難しいことはしていません。当たり前をきちんとやるだけです」
 また現場主義も徹底しています。「事務所で考え込むより、現場に行けば答えがある。職人さんの声やデータが教えてくれる。現場こそが商品です」と強調。支店長時代から続く姿勢は、代表になった今も変わりません。

 地盤改良業は建物完成後に見えなくなるため、一般には理解されにくい職種です。しかし近年は災害の頻発や都市開発の進展で、安全性への意識は確実に高まっています。

 「以前は金額だけを気にされる方が多かったですが、最近は『安心できるかどうか』を重視されるようになりました。昔なら建てなかったような土地に住宅が建つケースも増えており、地盤に関わる私どもの責任はますます大きくなっています」と遠藤さん。クライアントに「価格以上に満足できた」と思ってもらえるのが理想だと話します。

 「地盤は普段目に見えませんが、建物の安全と安心を根底から支える存在。だからこそ、真摯(しんし)に取り組みたいです」と言葉に力を込めます。

(取材年月:2025年8月)

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専門家プロフィール

遠藤修平

建物の安全を支える地盤調査・改良工事のプロ

遠藤修平プロ

建設業

株式会社アズケン

九州・沖縄で地盤調査や改良工事を展開。豊富な現場経験に基づく判断力と正確なデータ解析力で、数ある地盤改良工法の中から、安全性とコストを両立させた方法を提案。建物の安全と安心を支えます。

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