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学びたい気持ちがあればいつでも誰でも自分のペースで学べる“勉強するための居場所”

子どもたちに多様な学びの環境+居場所を提供するプロ

大淵和範

大淵和範 おおぶちかずのり
大淵和範 おおぶちかずのり

#chapter1

不登校や発達の偏りなど事情を抱える児童・生徒に、通塾と自宅で学習機会を提供

 文部科学省が2023年10月に発表した調査結果によれば、日本の小・中学校における不登校児童生徒数は29万9048人。前年度から5万4000人以上増加し過去最多に。高校生の不登校も前年度から約1万人近く増加しました。

 「いじめや教員との関係、勉強についていけない、あるいは簡単すぎて興味が持てない、朝起きられない、給食時間がつらいなど、学校に行けない、行かない理由・原因は千差万別。理由が複数の場合や、本人も分からないケースもあります。“現状を受け入れること”が対応の第一歩とされますが、受け入れたとしても勉強の遅れや将来のことなど、悩みや不安は尽きませんよね」

 不登校生の保護者の心情に寄り添うのは、福岡県春日市で「新・個別指導塾 アシスト春日」を開く塾長の大淵和範さん。児童発達支援士の資格を持ち、不登校や発達の偏りなどの事情を抱える児童・生徒に十余年にわたり伴走。通塾による対面授業や、自宅からオンラインで受講するコースなど、多様な学習機会を提供しています。

 「どんな子どもにも未来があります。当塾は、学びたい人が学びたいことを好きなだけ学べる、開かれた学習の場。学びが、一人一人が自分の可能性を切り開くきっかけになったらうれしいですね」

 2023年度は、同塾で5教科の個別指導を受けた18人中10人が不登校の生徒。そのうち8人の中学3年生全員が高校に合格しました。さらに8人中2人はオンライン学習で合格をつかみました。過去に、中学3年で入会した生徒が小学3年の学習過程まで戻って学び直し、高校に進学した例もあります。

#chapter2

5教科のオンライン授業、英会話・速読、プログラミングなど多彩な学習を用意

 大淵さんは、春日市内外で不登校などに悩む保護者を支援するボランティア団体「えがおの会」のサポーターとしても活動中。不登校などの児童・生徒が塾に通い始めるタイミングは、本人の決断を“待つ”ことを大切にしています。
 
 「さまざまなケースを見てきましたが、一つ言えるのは、いつか必ず、お子さま自身の口から未来について言葉が出る時が来るということ。多くの場合、数年単位の時間がかかりますし、いつその時が来るかも分かりません。当塾は、学びたい気持ちがあればいつでも誰でも自分のペースで学べる“勉強するための居場所”として、学習環境を整えてお待ちしています」

 5教科を24時間・365日受講できるオンライン配信型授業のほか、AIシステムを活用した英会話、速読、プログラミング・ロボット教室・科学実験教室と多彩な講座を用意。5教科と英会話、速読は通塾か自宅学習かを選択できます。また、月謝は何度通っても定額の“学び放題”。問い合わせがあれば随時、無料体験会を実施しています。主に幼稚園生から高校生までが対象ですが、大人の学び直しの相談にも応じます。

 「『高校に行きたい』『学校でサッカーがしたい』。こんな言葉が出たその時、保護者さまから『一緒に行ってみる?』と言っていただける塾でありたい。当塾で学ぶ不登校生は、ほぼ全員がこのタイミングで教室を訪れたお子さまです。逆に保護者さまがリードして塾に連れてこられた場合、お子さまの気持ちが整っていないのでなかなか続かないことが多いのです」

大淵和範 おおぶちかずのり

#chapter3

保護者から離れて自立心を育てる「お泊まり会」など、学びの機会を拡充中

 近年は不登校が低年齢化し、大淵さんのもとでも保護者の相談を受け、年中~小学校低学年に向けた幼児教育の導入も計画しています。

 2023年から「お泊まり会」もスタート。保護者から離れて過ごす時間は、子どもが自分自身の新たな一面に出会うチャンスだと言います。

 「すごろくづくりや料理などの活動で、6年生の男の子が低学年の子どもたちを集めてリーダーシップを発揮したり、普段は静かな印象の子が周囲と積極的にコミュニケーションを取ったり、行動や心境に変化が表れます。包丁を握ったことがない子どもたちに玉ねぎを切ってもらったら、保護者さまから『帰ってきたらお手伝いをしてくれるようになりました』と、喜びのメッセージもいただきました」

 子どもたちを見守る中で手紙をもらったことも。小学5年生の時に不登校状態で入会し、中学受験用の進学塾に通うため卒塾した生徒が、2年後の春、花束を手に教室を訪れた際に渡されたものです。
 「自分が第一志望校に合格できたのは大淵先生のおかげやと言ってくれました。入塾した頃はトイレに30分以上こもってなかなか出られない状態だったのが、黙って見ているとだんだん自分で勉強するようになった。そんな子でした」と思い出をかみしめます。

 約230人の卒塾生を送り出してきた大淵さんはこう誓っています。
 「教育に携わるからには存在し続けないといけない。いつでも、どんな事情があっても、学びたい人すべてに門戸を開き、一緒に歩みを進めます」
 時代はまさしく、このような「学びの場」を求めているのではないでしょうか。

(取材年月:2024年6月)

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新・個別指導塾 アシスト春日

5教科対応のオンライン配信型授業を教室・自宅等でいつでも受講可能。プログラミング、速読など多彩な学習ツールも用意しています。不登校生への対応経験豊富な児童発達支援士の塾長が、子どもたちに寄り添います。

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