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的確な調査とプランニングで、さまざまな雨漏りに対応

雨漏りの原因を探り、適材適所の処置を施す防水改修のプロ

塚田友幸

塚田友幸 つかだともゆき
塚田友幸 つかだともゆき

#chapter1

経験よりも理論を大切に、難易度の高い防水改修工事に取り組む

 二十余年にわたり、建物の防水工事や塗装工事を行う「TUKAX(ツカックス)」の代表・塚田友幸さん。新築物件の防水工事のほか、高度な技術と専門的な知識が必要とされる雨漏りトラブルに実績があり、官公庁の公共工事や建設会社からの依頼に数多く応えています。時には難易度の高い雨漏り改修を頼まれることもあり、県外に赴くこともあるそうです。

 「雨漏りが発生するのは屋根だけにとどまらず、壁や窓枠、ベランダなどさまざまです。綿密に調査をした上で、正確に漏れを止めなければいけません。中には『どこから雨水が侵入しているのかわからない』と首をひねるようなケースもあり、ファイバースコープなどの特殊な機材を使ったり、実際に水をかける散水検査などをして、慎重に問題点を探っていきます」

 雨漏りの原因が判明し、適切な処置を施して改善できた時、達成感を得るとともにやりがいを感じるという塚田さん。これまで大小さまざまな案件に携わってきましたが、現場で大切にしていることは「経験よりも理論」とのこと。

 「経験に頼ってしまうと、『きっとこうだろう』という思い込みから、重要な事実を見落としかねません。過去の経験則は一度忘れて、まっさらな状態で現場に立ち、理論最優先で調査や分析をするように心がけています」

 疑問に思ったことはすぐに調べ、自分なりの答えを出すようにしている塚田さん。先入観に縛られることなく、柔軟な視点をもって雨漏り箇所を見極めていくと言います。

#chapter2

多様な選択肢の中から適材適所で素材をチョイス。外壁補修では複雑な質感を再現

 学生時代はデザイナーを志し、デザイン系の専門学校に通っていた塚田さん。当時、アルバイトをしていた防水工事業にひかれ、防水施工技師の道へ進みました。

 二つの防水施工会社で実務を重ね、2005年に独立。その後も学びの姿勢を忘れず、アスファルト、改質アスファルト、塩化ビニル系シート、合成ゴム系シートなど、防水関連の資格を取得しました。素材を限定して改修を請け負う業者もあるそうですが、塚田さんの場合は「限定解除」状態。多様な選択肢の中から、改修箇所に適した素材を用いて施工することを強みとしています。的確な仕事が評判を呼び、2020年に手がけた市営住宅の防水改修工事では、越前市から表彰されました。

 また、繊細な造形も得意とする塚田さんは、コンクリートなどの表面を整えていく「斫(はつ)り肌」と呼ばれる外壁補修も、セメントやモルタルなどを用いて元の質感を再現。雨漏り修理をした後、外観をきれいに修復し見栄えにもこだわります。他にも、施工現場の足場材を使ってオリジナルのテーブルを作成するなど、ものづくりにも意欲的です。

 「雨漏りしか直せない防水屋にはなりたくないんです。私は破損箇所に手当てを施すだけでなく、他の工事との兼ね合いも考えながら総合的にプランニングできる『防水工事のエンジニア』でありたいと思っています」

 「トータルで捉えるためにも防水に関わることは全てやりたい」と話す塚田さんから、仕事に対する熱意が伝わってきます。

塚田友幸 つかだともゆき

#chapter3

顧客の困りごとに対応するため、防水工事のほか建築分野も視野に入れていきたい

 塚田さんは他業種の勉強にも励んでいます。新たな挑戦へと背中を押したのは、顧客からの相談でした。

 「防水工事のとき、お客さまから『入り口の扉を変えたい』『駐車場にコンクリートを打ちたい』といった声を聞くことが増えてきました。しかし建築に関わる事柄は、施工管理技士や建築士の資格がないと着手できず、お断りするのが心苦しい限りでした」

 雨漏りが建物全体に影響を及ぼしていたり、雨漏り修理の一部に建築施工が絡んでいたり、「防水施工技師」としての業務範囲に歯がゆさを感じるようになった塚田さん。顧客の困り事に幅広く対応するため、資格取得を決意しました。

 また、2021年6月に完成したばかりの社屋の倉庫を「防水資材輸送のハブ(中心地)」として活用予定とのこと。その理由を問うと「万一の時も、物資の流通を滞らせないため」と答えます。

 「福井には資材屋がなく、材料を仕入れる際は県外に発注しなければいけません。配達業者が休みの日や、災害があって物流がストップした時のために、頻繁に出る品物はうちの倉庫に搬入してもらい、顧客が取りに来られるような仕組みを作りたいのです。『ここにくれば必要なものがそろっている』という場所にしたいと考えています」と今後の事業展開について語る塚田さん。

 「これまでのご縁に恩返しができるよう、これまで私が培ってきたものを地域とお客さまに還元していけたら」と笑顔で締めくくりました。

(取材年月:2021年8月)

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塚田友幸

雨漏りの原因を探り、適材適所の処置を施す防水改修のプロ

塚田友幸プロ

一級防水施工技師

株式会社TUKAX

屋上や外壁など、あらゆる部分の雨漏りトラブルに対応。経験に頼らず、欠損箇所を正しく見抜き、解決へと導く。取り扱う防水素材も多岐にわたり、幅広い選択肢の中から適材適所で防水工事を施す。

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