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大切な住まいを守るためにも、定期的に診断を受けてメンテナンスを

赤外線カメラやドローンで外壁や屋根の劣化を診断するプロ

吉川哲男

吉川哲男 よしかわてつお
吉川哲男 よしかわてつお

#chapter1

北陸三県で赤外線カメラを用いた建物診断を手掛け、問題箇所の早期発見に尽力

 「マイホームは生活の場であり、ご家族にとってなくてはならない場所です。大切な資産を守っていくためにも、健康診断を受けるように、どこか傷んでいるところはないか、定期的にチェックすることをおすすめします」

 そう呼び掛けるのは、福井市を拠点に建物診断などを手掛ける「眞正工業」の代表、吉川哲男さん。個人のほか、多数の物件を扱う不動産会社からの要望に応え、地元福井をはじめ、石川県と富山県の北陸三県を中心に対応しています。

 「雨漏りや水漏れがしている場合は、そこで暮らすお客さまにご不便をかけないよう迅速に対処することが求められます。可能な限り短期間で問題箇所を特定することが重要で、当方では壁などをはがさずとも内部の状態を確認できる赤外線カメラを活用しています」

 赤外線カメラは、外壁や屋根など対象物の表面を撮影することで、温度分布を色の違いによって表します。周囲と比べて著しく温度差が生じている部分があれば、そこに何らかの異常が発生していると分かるのです。

 「以前、店舗の雨漏り調査をしてほしいとご連絡をいただいたことがあります。オーナーさまは、自分の手でなんとか解決しようとあちこち調べておられたようですが、分からずじまいとのことでした。当方で怪しいと思われる所を一つ一つ、つぶしていき、最終的に原因を突き止めたときは喜んでもらえましたね」

 吉川さんが使う赤外線カメラは、業界大手の「フリアーシステムズ」の製品。少しでも早く、正確に現状を把握するため、道具にはこだわっていると言います。

#chapter2

還暦で独立し、建物診断のほかドローン空撮事業やバーチャル内見ツアー事業も展開

 1954年、福井県足羽町(現在の福井市)で生まれた吉川さん。県立福井商業高校を卒業後、自動車の販売会社に経理職として入社します。以降、リフォーム会社や保険会社の営業、自動車教習所の教官など、さまざまな職を経験しました。

 眞正工業を設立したのは還暦を迎えてから。法人化する1年ほど前から、リフォーム会社に勤務しつつ、個人事業主として不動産物件のメンテナンスを請け負っていたそうです。「次第に、個人事業の方が安定してきたことから勤め先を辞め、会社を立ち上げることとなりました」

 サラリーマン人生に区切りを付けて経営者として新たな一歩を踏み出し、順調に案件数も増えていましたが、2021年、重い病気が発覚し、翌年手術に踏み切りました。「幸い大事には至らず、入退院を繰り返しながら治療を続け、現在の体調は良好です。闘病中は満足に事業に打ち込むことができなかったため、これから再スタートを切る気持ちで取り組み、さらに業務を拡充していきたいですね」

 吉川さんは、建物診断のほかに、新築の施工進捗や既存住宅の劣化状況を上空から捉える「ドローン(小型無人機)空撮事業」や、オンライン上で賃貸物件の室内の様子を紹介する「バーチャル内見ツアー事業」も展開。不動産業者や工務店などに提案しています。

 「間もなく70代を迎えますが、健康な間は続けたいなと。若い頃から、働けるうちにがむしゃらに働こうという気概で生きてきました。仕事が趣味という感じですね」

吉川哲男 よしかわてつお

#chapter3

雨漏りの被害を抑えるには、建物が発する危険信号を見逃さず早めの対処が肝心

 雨漏りや水漏れは知らぬ間に進行し、柱や梁といった構造体にダメージを与える可能性があるため、注意が必要だと吉川さんは力を込めます。「人間の体であれ建造物であれ、損傷した箇所をそのままにしておけばどんどん悪化し、取り返しがつかない事態になってしまうでしょう。人間は自分の足で病院へ行き手当てしてもらえますが、建物はそうはいきません。大切なのは危険信号を見逃さないこと。早い段階で適切な処置を施すことで、被害を小さく済ませることができます」

 調査結果を報告する際は、不安を抱える依頼主のために、どこにどのような不具合が起きているのか、丁寧な説明を心掛けているそうです。「ドローンを使った空撮は、2022年6月から始めました。危険が伴う屋根や高層アパートの外壁などを点検する際に重宝しています。私の仕事は根本的な原因を見つけることですから、作業の精度を上げるためにも先進機器への投資は惜しまずに行っています」

 また、「街と暮らし環境再生機構」という業界団体に所属し、赤外線による建物診断の技術向上にも努めています。

 「屋根や外壁のコンディションを効率よく検査できるアイテムやテクニックが登場したときには、積極的に取り言い入れていくつもりです。ただ、赤外線カメラにせよドローンにせよ、なじみのある方はそう多くはないため、有効性をご理解いただく課題も感じています。診断実績を重ねることで認知度を高め、広くご利用いただければと考えています」

(取材年月:2023年4月)

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吉川哲男

赤外線カメラやドローンで外壁や屋根の劣化を診断するプロ

吉川哲男プロ

建造物点検業

株式会社眞正工業

外壁や屋根の劣化診断に力を入れています。赤外線カメラやドローン(小型無人機)を駆使し、雨漏りや水漏れの原因を迅速かつ正確に見極めることを重視。その上で、お客さまには丁寧な説明をします。

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