自宅で療養するための看護を提供する訪問看護のプロ
木村麻紀
Mybestpro Interview
自宅で療養するための看護を提供する訪問看護のプロ
木村麻紀
#chapter1
「身体、精神の疾患や障害のある方が、ご自宅で療養しながら生活ができるよう、訪問看護や、専門職によるリハビリを実地しております。医師の指示やケアプランに基づいた病状の観察や医療処置、服薬管理、食事・入浴の介助などを通じて、ご本人さまとご家族さまの日常をサポート。各科での経験が豊富な看護師が多く在籍しており、どのような状態のご利用者さまでも受け入れることが可能です」
こう語るのは、訪問看護ステーションの「花訪問看護ステーション」と、居宅介護支援事業所の「ケアプラン花」を運営する「株式会社hana」の代表で看護師の木村麻紀さん。
医療保険、介護保険でカバーできない部分には自費サービスを提供。病院の受診や冠婚葬祭、行楽地といった外出に同行しています。また居宅介護支援事業所では、住み慣れた自宅で生活することができるよう、必要な介護サービスのプランニングや、介護の相談窓口も設けています。
「ご利用者さまは、人工呼吸器やカテーテルをつけている方、口から食事が取れず24時間点滴が必要な方、脳梗塞のリハビリをする方などさまざまです。体調の急変による緊急電話対応のほか、困りごとや不安が生じた際、すぐに問い合わせていただけるよう24時間365日体制で待機しています」
利用者の体の状態をリアルタイムで把握するため、専用の携帯電話で報連相を行い、タブレットでクラウド型の電子カルテを閲覧。シフトを組んで看護師が交代で訪問していますが、木村さんは勤務外の時間でも現場からの電話に備えているそう。
「ご利用者さまのお宅には、看護師や、リハビリ職が1人で向かうため、他のスタッフの意見を聞きたくなる場面もあります。命をお預かりする責任者として、私はいつでも連絡を受け、相談ができるようにしています」
#chapter2
看護学校卒業後、木村さんは総合病院や大学病院で25年間勤めました。
「大学病院では、手術室や救急部、集中治療室のほか、泌尿器科、消化器外科、脳外科、整形外科など、多岐にわたる病棟に従事しました。現在はスタッフと一緒に、より良い看護は何かを多角的に追求し実践しています」
時には医療機関へ同行し、かかりつけ医と直接話をすることもあるそう。
「がんを患っている方の痛みのコントロールについて質問するなど、医師と、緩和方向のすり合わせをします。先生の言葉をかみ砕いて、ご利用者さまにお伝えしたり、ご家族に代わって、私たちが代弁することもあります」
臨床で、きめ細やかな対応力を身に付けた木村さん。数々のオペを見てきた経験も役に立っているとか。
「例えば人工肛門増設後の方の場合、手術により、腸のどの部分を手術したのか、その方法によっても便の硬さが変わってきます。排せつ物の袋を交換するとき、『柔らかい便なので漏れないよう補強シールを貼ろう』とか、『外に出しても臭いが漏れないようにフィルター付きの袋にしよう』など、解剖生理学の視点からも検討して、少しでも快適に過ごせるように工夫をしています」
豊富な知見を持ちながらも、プロフェッショナルとして学ぶ姿勢も忘れません。
「新しい治療法や薬は、次々と登場するため、副作用がないか薬剤師に確認したり、病院時代の認定看護師の専門分野の同僚からヒアリングしたり。ご利用者さまに、できる限りの看護の提供をしたいので、勉強を欠かさず、アップデートしていきたいですね」
#chapter3
木村さんは、コロナ禍真っただ中の2020年に独立開業。
「病床がひっ迫していた3年間だったので、訪問看護に求められるものも大きかったと思います。感染拡大時は防護服を着用してご自宅にお伺いし、スタッフ全員が公私ともに細心の注意を払っていました。ウイルスに対する抵抗力が落ちている方もいらっしゃいますから、引き続きしっかりと対策を講じながら業務に取り組んでいます」
常に利用者や家族の気持ちに寄り添い、「心を込めた看護」を大切にしている木村さん。終末期の緩和ケアにおいても、住み慣れた自宅で、安心して過ごせるように気を配ります。
「入院生活では、慣れ親しんだお食事を食べられる事は少ないですが、お家なら、ご家族が作ったおみそ汁を、むせないように、とろみをつけて味わうことができます」
けがや出血などの緊急事象が発生した場合は、画像を医師に送信して、スピード感のある情報共有に取り組み、指示を仰ぐことも。現状を的確に判断し、必要なケアを施すことを心掛けてきた木村さん。
「ご本人さまとご家族が何を望み、どうすればかなえることができるのか。生活の質を高められるのか、経験を持つスタッフと共にワンチームで考えています。当方で医師やケアマネジャーとも連携させていただきますので、どんなことでもご相談ください」とメッセージを送ります。
(取材年月:2023年10月)
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自宅で療養するための看護を提供する訪問看護のプロ
木村麻紀プロ
看護職
株式会社hana
大学病院の集中治療室や救急部等での長年の経験を生かし、主治医と連携し、自宅で療養する利用者や家族に寄り添った看護を提供。受診同行や、冠婚葬祭などの不安な外出にも看護師が同行する、自費サービスにも対応。
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