思いが詰まった不動産を生かしてつなぐ不動産売却の専門家茂木清治

思いが詰まった不動産を生かしてつなぐ不動産売却の専門家

茂木清治

物件の売却や買い取り、管理を手掛け、将来を見据えた不動産活用をアドバイス

　国土交通省の住宅市場動向調査によれば、注文・分譲住宅の取得が最も多いのは30代。小学生以下の子どものいる世帯が過半数を占め、子育てしやすい環境を求めてマイホームを購入する家族の姿が浮かび上がります。

　しかし、時間の経過とともに住まいのニーズは変化。ファミリータイプの広い家や庭は日頃の掃除や手入れ、修繕費が負担になることも。仕事を引退し主な収入が年金だけになった時、医療費、介護費、保険料などの支出にどう備えるかもシニア世代の課題です。

　「老後の不安を減らすには、自宅などの不動産を活用するのも一つの手段。例えば、戸建てからマンションなど、サイズダウンした家に住み替えることで、売却益を老後資金に回すことができます。また住み慣れた家で末永く暮らす場合は、段差の解消、生活動線の集約など出費を抑えながら居住性を高めたいですよね」

　そう話すのは、「リプロ不動産」代表取締役の茂木清治さん。宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士を有し、物件の売買・賃貸借契約の専門性を備えるほか、相続など終活に関する知見も持ち、東京・千葉・埼玉エリアで不動産の売却・買い取り・管理を行っています。

　「当店では、将来を見据えた不動産活用を“住まいの終活”と位置付けてサポートしています。一口に『売却したい』と言っても、その背景は多様。まずはしっかりと事情を聞き取り、お気持ちに寄り添うことを大切にします。リフォーム、法律、税務など各分野のプロフェッショナルとも連携して、お客さまが本当に望むことがかなえられるよう努めています」

AIシステムで迅速かつ的確に査定し、ホームステージングで物件の魅力を発信

　不動産売却で気になるのは、やはり価格。茂木さんのもとでは、査定にAI(人工知能)システムを導入することで膨大なデータを迅速に分析し、市場動向と連動したリアルな価格を算出します。さらに顧客の希望や地域性などを加味し、近隣の事例も確認しながら販売価格を決定します。

　「ゴールが見えてこそプロセスも組み立てられると思います。売却時期、金額など、お客さまの優先事項も明確にします。目的達成まで短くても数カ月単位のお時間を要しますので、現在地から引き渡しまでの過程を計画表に落とし込んで可視化し、共有いたします」

　また、早期・高値の売却を目指す取り組みとして「バーチャルホームステージング」と「ホームインスペクション（住宅診断）」を取り入れています。

　「購買意欲を高めるため、販売物件の室内を家具や照明、小物などで演出する手法がホームステージングです。バーチャルホームステージングサービスでは、居住中で家財道具がある状態でもCGで消し、モデルルームのようにソファやテーブルセットといったインテリアを配した画像に仕上げるので、新生活をイメージしやすくなります」

　また、中古住宅売買におけるさまざまなトラブルを目の当たりにしたことで劣化状況等を把握することの重要性を強く感じた茂木さんは、日本ホームインスペクターズ協会による公認ホームインスペクターの資格を取得。訪問査定時にはレーザーレベルや赤外線カメラなどの専門機器を用いて簡易インスペクションを実施し、住宅の劣化状況、不具合事象の有無を把握して安心できる取引につなげています。

終活相談室を開設し、エンディングノートやライフプランに関するセミナーも開催

　茂木さんの原点は、10代から約10年間勤続した陸上自衛隊。在任中に取得したFP資格を生かせる仕事を探し、たどり着いたのが不動産業でした。

　賃貸管理・売買仲介会社や一部上場分譲会社、県議会議員秘書、海外駐在員、不動産フランチャイズグループのスーパーバイザーを経て、2022年に創業。迎え入れた十数人のスタッフの前職は、ラーメン屋の店長、テニスの指導員などさまざまです。

　「約15年間不動産業界に身を置き、独立時に目指したのは“超トップ営業マンがいなくてもやっていける会社”。お客さまへの安定したサービスを保てるよう、ご提案する際のポイントを詰め込んだ独自のマニュアルを作成しました。働きやすい環境づくりにも力を入れ、仕事のかたわらグロービス経営大学院で学びを深めています」

　業務も拡充し、2023年11月には社内に終活相談室を開設。相続物件の売却、自宅のバリアフリー化、空き家の巡回管理、賃貸運用などをサポートしています。地域のNPO法人などと連携し、自ら講師を務めて、エンディングノートの書き方や老後のライフプランの立て方、生前整理などをテーマにセミナーを開催し、個別相談にも応じます。

　「自宅を手放して介護施設入居の資金に充てたいというご依頼も増えています。必要に迫られ慌てて進めると、思うような売却ができない場合がありますので、お元気な時から余裕を持って準備しておくのがおすすめです。お住まいの扱いを含め、皆さまが心豊かに人生を送るお手伝いをしていきたいですね」

（取材年月：2024年4月）

住み替えや売却など、それぞれの希望や事情に寄り添い“住まいの終活”をサポート

物件の売却や買い取り、管理を手掛け、将来を見据えた不動産活用をアドバイス

AIシステムで迅速かつ的確に査定し、ホームステージングで物件の魅力を発信

終活相談室を開設し、エンディングノートやライフプランに関するセミナーも開催

専門家プロフィール

Other Interview