PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

手入れがしやすく長くきれいな状態を保ち、「ご先祖さまに会いにいきたくなるお墓」を提案

お墓の状態を長期にわたり保つために尽力する専門家

近藤洋

近藤洋 こんどうひろし

#chapter1

墓石の新規建立やリフォームを手掛け、要望をくみ取りプロの目線からアドバイス

 「故人さまを偲んで手を合わせ、何世代にもわたってご先祖さまに会いにいきたくなるお墓をお作りします」と話すのは、千葉県八千代市の「近藤石材店」の代表・近藤洋さん。千葉県をはじめ、関東エリアで新規建立やリフォームを手掛けています。

 「私どもが重視しているのは、長くきれいな状態を保てるお墓づくりです。複雑な形状はほこりやゴミがたまりやすく、汚れが蓄積してしまいます。うっそうとしたお墓を子や孫に残すのはかわいそうだからと墓じまいを決断する方は少なくありません。末永くご家族の心のよりどころとなるよう、きれいが長く続きやすいシンプルな形を提案しています」

 風雨にさらされ石が傷んだり、地震で傾いた時は修復し、雑草対策として石張りも行います。問い合わせがあれば一人一人と丁寧に向き合い、顧客の要望を聞いた上でプロの目線からアドバイスをしています。

 「以前、敷石の目地から雑草が生えふさいでほしいというご依頼をいただきました。同様の事態を繰り返さないように、原因はお墓の中の土から根が生えてしまうので、土をすべて取り除いたほうがいいとお伝えしたところ、ご納得いただき、『お墓がきれいになった』と大変感謝されました」

 近藤さんはメンテナンスなどを施した際は各工程を写真に収め、アルバムにして手渡すサービスも実施しています。「それなりの金額が掛かるため、お客さまはどんな工事をしたのか気になるでしょう。特に外から見えない所の施工内容にも自信を持っていますので、しっかりとご説明したいという意味もあります」

 後を引き継ぐ者がいない、地元を離れ管理が難しいという人のために墓じまいにも対応。お墓の悩みに幅広く応えています。

#chapter2

大学で建築を学び3代目の逝去により家業へ。東日本大震災で倒壊したお墓を修繕

 1984年に「近藤石材店」の長男として生まれた近藤さん。幼い頃から石材加工の工房を見て育ち、ものづくりに興味を持ちます。地元の高校から東洋大学工学部建築学科に進学し、構造計算、図面作成などを学びました。

 「絶対に家を継ぐんだという気持ちがあったわけではなく、かといって実家が自営業でしたからサラリーマンになるつもりもありませんでした。漠然と、自分の手で大きい家を建てたい、大規模な建物の建設に携わりたいと考えていたのです」

 卒業後は現場監督として学んだ知識を生かしたいと展望していましたが、家業へ入ることに。きっかけは3代目である父、英夫さんの他界でした。

 「私が大学3年時のことでした。母が代表になりましたが、仕事に詳しいわけではありません。手伝ってほしいと言われたので、内定先を蹴って在学中から実家で働き始めました」

 大学4年の夏休みには知り合いの石屋で修行し、入社後しばらくは1人の石工として現場を回っていた近藤さん。いずれは会社を率いる立場になるという意志も希薄でしたが、2011年の東日本大震災以降、「心構えが大きく変わった」と振り返ります。

 「関東でもお墓の倒壊が多数あり、3月からの半年間でほとんど休みなく約300件もの修繕工事に奔走しました。毎日現場で職人をまとめるなかで、技術に秀でた人はいるけれど、自分が決断をしなければ会社が回っていかないという意識を強く持つようになりました」

#chapter3

初代から100年近い歴史を持つ石材業の技術を生かし、和風庭園づくりにも対応

 2024年9月から、母昌子さんに代わって近藤さんが同社の代表に就任しました。「母が70歳、私が40歳の節目でした。青年会議所も卒業目前になりましたので、経営に集中できると思ったのです」

 代々石材業を営む家系で当主となった近藤さんが、力を入れているのが情報発信です。2024年にはホームページを刷新。SNSの活用にも積極的で、施工事例やお墓に関するさまざまなお役立ち情報を載せています。

 「当社には長くお付き合いしていただいているお客さまも多く、母はホームページ不要という考えでしたが、事業を存続していくには、数多くの方に存在を知ってもらう必要があります。会社が発展し続けるための仕組みづくりこそ私の役目です」

 最近オフィス内を掃除していた近藤さんは、偶然創業当時のものと思われる注文書を発見。そこに書かれていた最初の日付が大正14年(1925年)だったことから、100年近く続いていることになります。

 「初代は日中戦争に従軍して戦死したと聞いていました。父も早くに亡くなりましたし、1987年には工場が火事に遭い、資料の大半が焼失していたのです。注文書によって、少なくとも1925年には創業していたと分かりました。もしかしたらもっと古い歴史があるかもしれません」

 5代目として、長きにわたり継承してきた技術で石畳、庭石や灯ろうを配置するなど、伝統的な和風庭園や、現代的な和モダンの庭づくりも請け負う近藤さん。「石まわりのことはお任せください」と力強く語ります。

(取材年月:2024年9月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

近藤洋

お墓の状態を長期にわたり保つために尽力する専門家

近藤洋プロ

建設業

有限会社近藤石材店

新規墓石の建立からお墓のリフォーム、石材加工、墓じまいまで幅広いサービスを提供。100年近い歴史を持ち、その豊富なノウハウを基に、お墓に関するさまざまな悩みに対応し、解消に努めています。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ千葉に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO