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「最期まで、その人らしい日常を」。かけがえのない人生に向き合う

人生の最期まで、その人らしさを支える在宅ケアのプロ

丸山康子

丸山康子 まるやまやすこ

#chapter1

一人一人の「こうしたい」に寄り添い、最期までその人らしい暮らしを支える在宅支援

 青森県南部町・三戸町を中心に、医療・福祉サービスを提供する「絵夢プランニング」。「一人一人の『こうしたい』を大切に」との考えのもと、「訪問看護ステーション想い」「ヘルパーステーション想い」「ケアプランニング想い」「ホスピス想い」の4事業所を運営。訪問看護・介護による在宅支援から住宅型有料老人ホームまで、一体的なサービスを提供しています。

 「末期がんや難病などにより、退院後も医療的なケアを必要とする方や、認知症や障がいのある方が、住み慣れた場所で自分らしく暮らし続けられるよう支援しています。医療処置や体調管理や服薬管理などの医療的なケアはもちろん、生活面まで含め、ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパーなどの専門職がチームとなって一人の方を支えます」

 そう話すのは、看護師・主任介護支援専門員で代表の丸山康子さんです。介護保険や障害福祉などの制度の枠だけにとらわれず、本人が大切にしていることや、希望する医療・ケアを丁寧に確認することを重視。主治医の指示のもと、本人や家族、関係する専門職が一緒に話し合う「人生会議」を通して、ケアプランの作成や各サービスの調整を行います。また、在宅での生活が困難になったときの「その先」にも寄り添います。

 「病状の進行や認知機能の低下によって、昼夜が逆転したり、介護の負担が大きくなったりすると、ご本人だけでなく、ご家族や支援するスタッフも心身ともに疲れてしまいます。関わるすべての人が無理なくその人らしくいられるように、『想い』を込めてお手伝いしています」

#chapter2

人生を動かしたのは「一人の人に向き合い続けたい」という想い

 医療機関に在籍中、訪問診療に携わり、その後に訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所などの立ち上げに関わることになった丸山さん。退院後の患者の自宅を訪問すると、通院や入院中には気づけなかった、生活の場で療養することの難しさを目の当たりにします。

 「医療的なサポートがあっても、病院と同じ環境にはできません。日ごとに変わる状況の中で、家族の不安や負担は大きくなる一方です。医師と本人や家族の間に入り、病状や手当てについて説明することと同じくらい、心のケアも私たちの大きな役割だと感じました」

 病状や家族の事情をよく知るスタッフが、途切れることなく支え続けることが、心の支えになるのではないか。そう気づいた丸山さんは、「組織の規則や制度上の制限に縛られず、一人の人に最期まで寄り添える仕組みをつくりたい」との想いを強くします。

 しかし、医療現場で培った経験があっても、新たに事業を立ち上げるのは簡単ではありません。そんな丸山さんの背中を押したのは、奇しくも自身が病によって健康を脅かされた経験でした。「人生でやりたいことを先延ばしにして後悔したくない」と決意し、2020年に独立を果たします。

 まずは訪問看護・訪問介護、居宅介護支援事業所による在宅支援からスタート。2025年には町内に「ホスピス想い」を開所し、「想いグループ」としての取り組みが一つにつながりました。

 「仲間とともに現場にも足を運ぶ“プレイヤー兼経営者”の姿勢は、独立してからも変わりません。医療や介護を考える前に、一人の人間として向き合い続けることを大切にしています」

#chapter3

たくさんの「想い」がつながり、地域を支える力に

 「『ホスピス想い』では、木目調の壁と天井に囲まれた居室に、ベッドやソファ、サブベッドなどを備え、住宅のような雰囲気を心掛けました。最期の時間を家族みんなで過ごせるよう、少し広めのお部屋もご用意しています。また敷地内の小さな菜園では、スタッフが大切に育てた野菜や花々が入居者の目を楽しませています」

 空間に込められているのは、「痛みや苦しみを和らげるだけでなく、その人らしく過ごしてほしい」という願いです。丸山さんは命に向き合う日々の中、家族やスタッフが抱える迷いや葛藤、喪失感に深く寄り添います。その一方で、在宅療養の現状や看取りについての情報発信にも力を入れています。

 暮らしの中にある看取りに関わってきた専門職として、医療や介護、福祉の実務者向けの講演や研修にも登壇。医療機関や自治体、各サービス事業所との連携のあり方や、現場で見えてきた課題などを、自身の経験を交えながら丁寧に伝えています。

 「退院後に自宅での療養が必要になったとき、あるいは在宅介護が難しくなったとき、どこに相談すればよいのか分からず戸惑う人も少なくないでしょう。今後は一般の人にも制度やサービス、手続きについて分かりやすく情報を届けられたらと考えています」

 家族や介護者といった「人」のつながりが、時には薬や医療的なケアだけでは支えきれない部分を補う力にもなると、丸山さんは話します。

 「誰も一人ではありません。それぞれ立場や役割は違っても、たくさんの『想い』が支えていることを忘れないでほしいですね」

(取材年月:2026年8月)

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専門家プロフィール

丸山康子

人生の最期まで、その人らしさを支える在宅ケアのプロ

丸山康子プロ

看護師・主任介護支援専門員

株式会社絵夢プランニング

訪問看護・介護・ケアマネジメント・ホスピスを一体的に提供。本人と家族の想いをくみ取りながら、住み慣れた場所での暮らしから人生の最期まで、その人らしく過ごせるよう支えます。

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