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機械式駐車装置の修繕、リニューアルを低コストで実現

機械式駐車装置の修繕、リニューアルのプロ

阿部道英

機械式駐車装置の修繕、リニューアルのプロ 阿部道英さん
機械式駐車装置の修繕、リニューアルのプロ 阿部道英さん

#chapter1

全メーカーの機械式駐車装置を研究。リニューアル工事に対応

 株式会社恭栄の阿部道英さんは、械式駐車場装置の修繕、リニューアルを専門に行っています。主力業務は、機械式駐車装置の頭脳ともいえるシステム開発――PLC回路の設計・更新ですが、それに伴う、タッチパネル設計・更新、機械式駐車場の改修工事、機械器具設置工事等もトータルで請け負っています。

「機械式駐車装置は、電機部品は7~10年、機械部品は15年で寿命といわれています。安全に機械式駐車装置を使い続けるには、改修工事が必要です。機械式駐車場は、メーカー、年代によってさまざまな機種があり、また設置される環境や条件が個々で異なるため、一つとして同じものはありません。そのため、製造メーカーにメンテナンスを依頼した場合、大規模な入れ替えが必要になるなど、コストがかかってしまいます。しかし、古くなかったからといって、すべてを新しくする必要はありません。当社では、“古くなった機械のメンテナンスをしながら、新しいテクノロジーで動かす”ことを基本に、駐車場環境に適した制御、リニューアル工事をご提案しています」

 阿部さんは、全メーカーの機種を研究。現場を視察するだけで、修繕箇所やリニューアル規模の見当がつくそうです。また、機械を動かすシステムは、「セキュリティを高くしたい」「これまでの不便を解消したい」など、オーナーの要望を叶えながら、その駐車場に合わせて、一つ一つ構築していきます。コストに関しては、メーカーと比較して、半分から3分の1程度に削減できることが特徴です。

 機械式駐車装置の修繕、リニューアルというニッチな業種ですが、ニーズに対してソリューションを提供できる専門家はめずらしく、機器の点検から、システム設計、プログラミング、機器の設置、修理工事まで、ワンストップで行い、さらに高い技術力を持つ阿部さんの存在感は、業界の中でも高まっています。

 起業して3年目。2019年には40基の依頼がありました。「駐車場オーナー様からは『依頼してよかった』と言っていただいています。最新式の操作盤の導入で、パレットが動く様子などもわかるようになり、面白がってくださる方もいますね」

 秋田を本拠地に、全国の協力会社と連携しながら、北は北海道から、南は九州まで、全国を飛び回る日々です。

#chapter2

今の仕事に必要な建築設計、駐車装置の組み立て、システム開発をすべて経験

 「街で機械式駐車場を見かけると、どうなっているのかな? と、ついつい気になって見てしまいますね」と話す阿部さん。自他ともに認める「機械式駐車場好き」です。
 「でも、まさかこの仕事で独立することになるとは思いませんでした」と笑います。

 “機械式駐車場との出合い”は、大学時代まで遡ります。建築学科で鉄鋼を専攻。将来は一級建築士の資格を取り、構造計算のスペシャリストになりたいと考えていました。しかし、機械式駐車装置の組み立てのアルバイトをすることになり、「現場で、車を乗せるパレットがすごいスピードで動いていくのを見て、感動してしまった」と言います。機械式駐車装置にすっかり魅了され、卒業後は、アルバイト先にそのまま就職。それから10年間、機械式駐車装置を組み立てる仕事に就いていました。

 「すると今度は、この装置をどうやって動かしているのか、気になり出しまして。組み立てが終わると、動作のテストにシステムエンジニアが来るのですが、その仕事をやってみたくなったのです」
 そして、機械式駐車装置のシステム開発を行うSEへと転身。順調にキャリアを築いていましたが、駐車場のオーナーから、メンテナンスの相談を受けたことで、転機が訪れます。「会社の業務外だったことから、個人的に無償でプログラミングを引き受けたところ、趣味の域を超え、会社を休まなければならないほど、依頼が増加。それをきっかけに、会社を辞め、起業することにしたのです」

 実のところ、明快なキャリアプランがあったわけではありませんが、建築設計、組み立て、システムエンジニアなど、大学時代から経験したことすべてが、“機械式駐車装置の仕事で独立”という道に続いていたというわけです。

機械式駐車装置の修繕、リニューアルのプロ 阿部道英さん

#chapter3

どこよりも早く駐車の完全自動化を目指す

 ビルに使われている補強材を見て、「これは駐車場にも使えそう」とか、駐車場のタッチパネルを見て、「こんなタイプもあるか。使いやすそうだから、今度、採用しよう」と思ったりすることは、しょっちゅう。「機械式駐車装置のことは、なんでも知りたい。もっと研究を重ねて、駐車場オーナーに選択肢を与えられるようになりたいと思っています」と話します。

 「また、どこよりも先に、入庫から出庫までの“完全自動化”の実現が、目下の目標。簡単なことではありませんが、がんばっていきたいですね」

 阿部さんのこれからに期待したいです。

(取材年月:2019年11月)

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専門家プロフィール

阿部道英

機械式駐車装置の修繕、リニューアルのプロ

阿部道英プロ

システムエンジニア

株式会社恭栄

メーカー側から大規模リニューアルを提案されることも多い機械式駐車装置の修繕、リニューアル工事に関して、必要な部分だけのリニューアル提案で、コストを削減できる。また高い技術力にも定評がある。

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