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Mybestpro Interview

中学校教員としての経験を生かしコーチングや教育講演会、人材育成セミナーを実施

中学校の校長を10年務め、教育の場でスキルを磨いたプロコーチ

家根谷政雄

「ヤネヤコーチング」代表、家根谷政雄さん
カウンセリング風景

#chapter1

強制したり命令したりすることなく、あるがままを受け入れ、認めることが大切

 「うまくいかない時、人は他責になる傾向があります 。今の状況が不満ならそれは自分が作ったもの。質問を投げかけることで、それに気づいてもらうのが私の役割です」と話すのは「ヤネヤコーチング」代表の家根谷政雄さん。教員生活の中で培った教師や生徒指導の実績とコーチングのノウハウを生かし、教育講演家、セミナー講師、パーソナルコーチ、さらには“笑い(ラフター)ヨガティーチャー”として活動しています。

 「頭で理解しても行動が変わらなければ人は変われません。私の場合は『行動・実感』を重視しています 。行動し、結果が出ている実感が伴えば自発的に次の行動も変えられるからです」

 こういった取り組みから、何カ月も通って結果が出るカウンセリングも1~2回で早期に解決するケースが多いと話す家根谷さん。講演会やセミナー時も実感するための「体感ワーク」を活用。例えばマイナスの言葉を浴び続けると受講者本人の体に何が起こるか。逆にプラスの言葉を浴びるとどうなるのか。ワークを通して違いを肌で感じ、次の行動に移してもらうきっかけを作ると言います。

 家根谷さんの教員時代、担任した中学2年生のクラスに不登校の生徒がいました。朝、家に迎えに行っても出てこない。しかし家に行く時間を夕方に変更したところ、顔を合わせてくれ雑談をする日々が続きました。そのうち彼が将棋好きなことがわかり、週に数回自宅に寄り一緒に将棋をさすように。やがて放課後の学校で、他の不登校の生徒数人と一緒にバレーボールなどをするようになりました。卒業まで授業には戻れませんでしたが、彼自身の意志で「定時制高校に行きたい」と言って進学。その後大学夜間部に進み、今は会社員として元気に働いているそう。

「相手に対して強制したり命令したりするのではなく、あるがままを受け止め、その人本来の素晴らしさを認めることが大切」と語ります。

#chapter2

コーチングを教育現場で生かし、生徒・教職員・保護者の笑顔をサポート

 家根谷さんは38年間、名古屋市立の中学校教員として理科の授業研究、担任、部活指導、生徒指導に従事。うち10年は校長として教師の指導や学校運営に尽力してきました。

 教師が受ける心身のストレスも問題になっている昨今、文部科学省の調査では2014年度にメンタル疾患で休職した公立学校教員は5045人(全教員の0.55%)。その数は一般企業の2.5倍とも。特に中学校は全職員の0.65%と高い数値。復職後も再び休職する教員が44%、退職が18%という深刻な状況です。

 家根谷さんも校長時代に、疲弊する教員を目の当たりにしてきました。校長は、会社でいえば社員のマネジメントを行う管理職の立場。1人教員が休めば、授業が回らなくなります。全ての先生が笑顔で学校に出て生徒と向き合うことができ、生徒や保護者に笑顔や安心感を与えられる方法を模索するなかコーチングに出会いました。

 「勝手にこちらが決めたレベルで、相手ができているか否かの判断を下さないこと。誤りを指摘するのではなく、良さを認めることを心がけていました。コーチングを学び、自分にも問いかけを続け、自らを変え、与え続けることをモットーに生徒・教職員・保護者の安心感と笑顔を作ることに取り組みました」

 結果、校長として在職中、休職歴のある教員を7人も抱える中で1人の休職者も出さず学校運営を遂行できたそうです。

 コーチングを学ぶほか心理学、脳科学、哲学などについても知見を広めた家根谷さん。退職後2年間は教育センターで子どもの養育相談に携わり、約1000件の保護者・子どもの相談に対応。2016年4月に独立し教育現場の声に耳を傾けています。

セミナー風景

#chapter3

前向きに生きることをお手伝いするために幅広く活動

 「人の悩みの90%は人間関係。そのほとんどは親子関係から来ています。私たちは、今までの人生経験を通して独自の価値観や判断基準を作っています。そのため潜在意識の中に刻まれている親子関係が悪ければ、価値観も判断基準も悪くなってしまいます。親の言動が子どもの一生に与える影響は非常に大きい。ただ、親に何か問題があったとしても過去は変えられません。未来を変えるためには今の自分を変えるしかない。そのサポートをしています」

 目指すのは、悩みの元となる人間関係をよくして前向きに生きていくためのお手伝い。現在は2015年から学び始めた、笑い(ラフター)ヨガを自分のセミナーに取り入れるとともに、インストラクターとして「熱田笑いヨガクラブ」を主催。認知症のグループホームや特別養護老人ホーム、地域の高齢者生き生きサロンなどで活動しています。

 将来的には『楽学(らくがく・たのしくまなぶ)~親の学校~』を開講。「親として、子どもの魅力・能力を伸ばすためどう関わるか。親自身が家族の中で太陽として輝いていくため、どうすればいいか。楽しく学べる場を提供していくつもりです」

(取材年月:2018年12月)

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専門家プロフィール

家根谷政雄

中学校の校長を10年務め、教育の場でスキルを磨いたプロコーチ

家根谷政雄プロ

講師

ヤネヤコーチング

名古屋市の中学校教師として38年。定年退職後、ヤネヤコーチングを起業し、コーチングスキルを活かしたセミナー講師として活動。また「笑いヨガ講座」は現在年間160回以上開催し、心身の健康づくりに貢献。

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