特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理の専門家香川浩司

特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理の専門家

香川浩司

依頼者の要望にそった迅速で丁寧なサービスを提供

　「L.A.P.東海（こころテラス東海）」は、愛知県、岐阜県、三重県を中心に、住人が自宅で亡くなった際の特殊清掃、モノであふれたゴミ屋敷や汚部屋の清掃、遺品整理や生前整理を専門に手がけています。

　「特殊清掃とは、室内に付着した血液や体液、排泄物などを取り除き、物件の現状回復を目指すことです」と話すのは、同社の代表を務める香川浩司さん。最近では、特に孤独死が増加傾向にあると言います。

　「遺体の発見が遅れると、家の中には強烈な腐敗臭が漂います。時間の経過とともに発生する細菌が、壁や床に染みついて物件の資産価値を下げてしまいます」

　遺族や物件の管理人、管理会社がこうしたケースに遭遇すると、「どうしていいのかわからない」という場合がほとんどだそう。「弊社では、資格を持ったスタッフが専門の薬剤や機材、長年培ったノウハウを駆使して、依頼者さまのご要望にそった迅速で丁寧なサービスを提供しています」と香川さん。

　同社では、清掃や消臭・除菌のほか、家具・電化製品といった家財の処分やリサイクル、美術品や貴金属などの買い取りを行っています。また、貴重品探しや思い入れのある品の供養、現場のお祓い、家屋の解体、不動産会社の紹介、車売却、司法書士と税理士の紹介に対応するなど、住まいと遺品・不用品に関する困り事のほぼ全てに応えています。

　「依頼者さまの不安や悲しみに寄り添い、どんなに大変な状況であっても的確なアドバイスと適切な作業を行い、少しでもお力になれるよう努めています」

　特殊清掃やゴミ屋敷清掃は世間からの注目度が高く、同社の取り組みは、テレビや新聞で何度も報道されてきました。現在では、年間250〜300件の依頼を請け負っているそうです。

故人や遺族の心情を推し量りながら遺品整理を行う姿勢を大切に

　広島県出身の香川さんは、愛知県内の大学を卒業後、コンタクトレンズのメーカーや販売店で20数年間、営業を担当していました。35歳で実家の父親が亡くなり、その体験が「この仕事を始めた原点」と語ります。

　「父が逝ってしまった後のことを考えたこともなく、何をすればいいのか全くわからなくて…。遺品整理や死後の手続きなどを、手探りでなんとか終わらせました。そして、自分と同じようにとまどい、途方に暮れている人が大勢いるのではないか、そうした方々の役に立つことがしたいと考えました」

　独立した当初は、右も左もわからない状態だったといいます。「法律にのっとった廃棄物の処理や、古物市場での売買など、現場を踏みながら一つずつ学んでいきました。特殊清掃については、前職でコンタクトレンズのケア用品を扱っていたため、薬剤についての知識が役に立ちました」

　つらい場面にも数多く立ち会ってきました。「つい先日も、30代の男性が自死した部屋の清掃をしました。こうしたケースでは、親御さんがものすごくショックを受けておられるんです。『なんでこんなことになったのか』『生きている間に何かしてあげられることがあったのでは』『もっと会って話をすればよかった』と…」

　遺品整理では、故人が使っていた物を捨てる決断ができない遺族もいます。そんなときは「毎日、手を合わせてあげられるものだけ残しては」と提案することも。「亡くなった方にとっては、家族に自分のことをいつも思い出してもらえることが一番の幸せなのでは」と香川さん。故人や遺族の心情を推し量りながら、日々の業務に向き合っています。

困っている人の心を照らし、社会に貢献

　香川さんのもとでは遺品整理にも力を入れています。遺族など関係者と相談の上、残された物を丁重に分別。不用品を買い取ってリサイクルしたり、廃棄物として処分したり、適切に対処しています。

　「遺品を整理するときは、公共料金などの請求書、保険証書、領収書、通帳、写真、カード類、現金、印鑑などの貴重品は仕分け、ご遺族にお渡ししています」と香川さん。

　また、古物を取り扱う古物商許可証を取得しているため、資産価値のある遺品を買い取り、依頼者の処分費の負担を軽減し、安価に抑えられるのも同社の強みです。最大で、当初目安の3分の1まで費用を減らすことができた事例もあるそうです。

　「仕事はハードですが、お客さまからいただく感謝の言葉に安堵し、やりがいを感じます。毎回状況が違うので、どうやって対応するか考えながら、作業を時間内で無事に終わらせることができたときは、大きな達成感があります」と香川さん。

　「こころテラス」という社名には、「困っている人の心を照らす」との思いが込められています。「『誰かがやらなければならない』、この使命感を胸に広く社会に貢献していきたい。ご遺族の苦しみや悲しみをほんの少しでも和らげることができるよう、これからもやるべき仕事に徹してまいります」

（取材年月：2021年5月）

特殊清掃、ゴミ屋敷清掃、遺品整理、生前整理を一貫してサポート

依頼者の要望にそった迅速で丁寧なサービスを提供

故人や遺族の心情を推し量りながら遺品整理を行う姿勢を大切に

困っている人の心を照らし、社会に貢献

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