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錢谷聖子

情報をデザインし商売と医療に役立てる事業支援アドバイザー

錢谷聖子(ぜにたにさとこ) / 事業支援アドバイザー

一般社団法人うちナース

コラム

データの山を放置するのは、損失です!

2023年10月8日

テーマ:コミュニケーションデザイン

コラムカテゴリ:ビジネス

わたしは、いちおう統計学というやつを学んできまして
統計・解析を仕事にしている人間のはしくれです。

こんな自己紹介をしていて、よく思うのですが
日本では、あまり「統計学」ってメジャーじゃないし、
そもそも何をしてくれる人かよくわからないらしいんですよね。

政府から出される「なんとか統計」は、ほぼ集計(データのまとめ)なので
これがなんだか代表的な「統計」みたいな感じで捉えられているため、
みなさんの正しい理解を遠ざけてしまっているように感じます。

統計学は、データをまとめる・見やすくするということではなくて
見えていないことを見えるようにしたり、予測できるようにしたりする
学問です。
そのために「分布」を見たり、そのデータのかたまりを「代表する値」を求めたり
いろいろな現象の関連を解析したり、予測モデルを作ったりします。

過去のデータから、もっと未来を良くするのが、わたしの仕事
だと思っています。


たまっていくデータを、ゴミにしないために

近年、さまざまな分野のDxに伴って、データを集めること自体はとても簡単になってきました。
ビッグデータなんていう言葉も古くなってきたような気がしますしね。
でも、その大量のデータ、きちんと見直していますか?
本当は「もっとよくなった」はずの未来を、つかみ損ねていないでしょうか?


たとえばうちのパン屋の場合

私は、自身でオーナーシェフとしてベーカリーを経営しています。
もちろん自分でも作るわけですが
このとき「統計学」がめちゃくちゃ、役に立つのです。

みなさん、ぼんやりご存知かと思いますが、
パンを作るのには非常に時間がかかります。

粉から生地を作って寝かせて、
分割して寝かせて、
形を整えてまた寝かせて、
思った通りの大きさまで膨らむのを待って・・・
そしてようやく、オーブンに入ります。
大きさにより、焼く時間も10分程度のものから1時間弱かかるものもあります。

うちの食パンだと、粉の状態から食パンになるまで、約12時間

とはいえ駅前やショッピングモールにある規模の大きいパン屋さんだと
次々にパンが出てくるイメージかと思います。
わたしたちのように小さい規模では、そうはいきません。
人も少ないし、時間をかけて作っているので
パンがなくなったら「本日は完売!」と言うしかありません。
どんなにお客さんが来てくださっても、売るものがなくては売上になりません。

ということで、お客さんの動向の「予測」が何よりも重要になります。
ここで統計学の出番です。
データから、12時間後のパン屋の状態を「できるだけ予測する努力」をするわけです。

まず、とにかく過去の購買データとにらめっこします。

お客さんの数は、日々変わります。
曜日、天気など普通に思いつきそうなことだけでなく
前日からの気温の変化(急に高くなっても低くなっても人は動かなくなります)、
昨今の感染症などの状況、
地域のお店のマスコミ報道・・・
あらゆるちょっとしたことの積み重ねで、全く人が動かない日もあれば、びっくりするほど人が押し寄せる日もあります。

さらに、品目ごとに売れる数量が違うので
(たとえサンドイッチ系はランチタイム、あんバターサンドは15時以降など)
いつ仕込むのか、いつ仕上げるなどなど、それぞれの商品ごとに変えています。

とにかくお客さんの出入りと、買おうとする行動に関して
あらゆる要因を考慮し、作る量を予測します。

少なすぎればお客さんに残念な思いをさせてしまいますし
多すぎれば当然、食品ロスとなって、廃棄の運命・・・
つまりお店としてはどちらも損失です。


パン屋は統計だ!

実はわたしの統計学の師匠は、ご実家がパン屋さん。
わたしが自分でパン屋を始めた数年前に、退官された師匠のもとへご報告に上がりました。

「パン屋ね!そうだよね、パン屋は統計なんだよ!」


今は亡き師匠が、いたく喜んでくださったのをよく覚えています。
そう、パン屋は統計なんです。
できる限り正確な予測が、パン屋の健全な経営を支えているんです。

小さいパン屋さんの廃業率は低くないとよく耳にしますが
長時間労働や材料コストの問題だけでなく、
この「統計」の素養の問題もあるのではないかと
ひっそり思っています。

せっかく、小さいお店でもほとんどがiPadのPOSレジになって、
POSがだまってデータを取ってくれているはずなのに
たくさんのデータが、売上を作ることに生かされることなく、
ただ蓄積されていっているのは、なんだか悲しい限りです。


いっしょに宝探しをしませんか

パン屋を例に出しましたが
もしかしたら、
どんな業種でも、同じようなことが起こっているんじゃないか
と思います。

私が統計解析を受け負うのは、医療・医学に関することが多いのですが
医療だからといって、べつに特別なことをしているわけではないです。

たとえば健康系のアプリだったら
血圧を何回も計って記録している人は、3ヶ月でBMIが下がっているとか
そもそも最初からBMIが高い人は、真面目にアプリに記録してないとか笑

こういう「わかっているようで、数値化できていないこと」を、しっかりデータにして事実として見ることも、重要な仕事のひとつです。
なんとなく「こういう傾向がある気がする」では、正確な予測はできませんからね。


過去のデータから未来を良くするのが、わたしたち、統計やさんの仕事。

きっと、あなたのビジネスにも、たくさんの眠れる「お宝」が、
未来のために役立つのを待っているはず。



まずは、ご相談ください

もし、ちょっとでも気になったのでしたら、あんまり構えずにお問い合わせください。
かみついたり、ぼったくったりはしません笑

無料にてデータに関するお悩みを伺います。

もしかしたら、見つかると思わなかったようなお宝も、埋まっているかもしれませんよ。

この記事を書いたプロ

錢谷聖子

情報をデザインし商売と医療に役立てる事業支援アドバイザー

錢谷聖子(一般社団法人うちナース)

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