現役オーナーが、飲食店経営を成功させるノウハウを伝授（2/3）

長野にUターンし、地域に根差したカフェレストランをオープン

　独立前に勤めていた外食企業では企画や営業部門に在籍し、首都圏をはじめ全国の店舗をサポートしていた澤栁さん。洋食レストランをセルフカフェに業態転換したり、レイアウトを大胆に変えたりと、運営や業務を効率化し、コストダウンを図る施策を具現化して実行。成功と失敗の体験も数多くしてきました。

　長野にUターンすることになり、2019年に起業。翌年、カフェ＆ダイニング「BISTORO CAFE 8」を開きます。
　「この業界に入ったときから、自分のお店を持つことは夢でした。地域を盛り上げ、地元に貢献したいという思いもありましたね」

　店づくりでは、地方ならではの視点を大事にしたそうです。
　「人口や競合店の多い都市部では、ターゲットを絞ることが差別化になります。地方では競合は少ないものの、客数も少なくなります。この周辺になかったスタイルの〝おしゃれな空間で過ごしたい女性向けのカフェ〟をコンセプトに、平日と休日でターゲットを分けて幅広い客層を狙いました」

　ウイークデーは50代・60代にも親しみやすいメニューを、週末は20代・30代向けにトレンド感のあるメニューを用意。順調に顧客を獲得するも、開店からしばらくはコロナ禍で苦戦が続きました。
　「限界まで経費を削ったほか、飲食店への食材の配送受託や黒板アート制作など新事業にも乗り出し、コロナによる客離れという飲食店の売上減をカバー。コロナが落ち着き、事業計画書で見込んだ通りの売り上げを達成し、若手社員の採用にも至りました」

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