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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ビール・赤ワインでリラックス効果?

2017年12月26日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

ビール・赤ワインでリラックス効果?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ビール・赤ワインでリラックス効果?’という報告です。
 酒を飲んでどんな気分になるかは、飲んだ酒の種類によって左右されるという研究結果が掲載された。英国の研究グループが21カ国の約3万人を対象とした調査データを分析した結果、赤ワインやビールはリラックスした気分をもたらす一方、蒸留酒は攻撃的な気分や涙もろさにつながりやすいことが分かったという。
 この研究を実施したのは英パブリックヘルス・ウェールズNHSトラストの研究者ら。アルコールや薬物に関する世界的な調査である世界ドラッグ調査のデータを分析した。今回の結果を踏まえ、同氏は「アルコールによる情緒への悪影響を知ることは重要だ」と話している。
 対象は、2015年11月~2016年1月に実施された調査に協力した21カ国の18~34歳の男女2万9,836人。その結果、「飲んだ時に攻撃的な気分になる」との回答率が29.8%と最も高かったのが蒸留酒だった。これに対し、赤ワインを飲んで攻撃的な気分になると回答した人の割合は7.1%だった。また、リラックス効果が最も高かったのは赤ワインで、回答者の52.8%が「赤ワインを飲んだ時にリラックスする」と回答していた。ビールについても約半数の回答者が「リラックスする」としていた。
同氏は「アルコール濃度の違いを考えれば、酒の種類によって脳や情緒への作用が異なるのは当然である」とした上で、「蒸留酒は早いペースで飲まれることが多く、アルコール濃度も高いため、短時間で気分に刺激を与える一方、それ以外のアルコール飲料は食事とともにゆっくり飲まれることが多い。こうしたことが今回の研究結果に影響しているのではないか」との見方を示している。
 さらに、アルコール依存症患者は飲酒によってポジティブな気分になる確率が高いことも示された。例えば、飲酒した時に活力がみなぎると回答した人の割合は、依存症でない人の5倍であった。「自分の酔い方に問題があると感じる場合は、飲む酒を蒸留酒からビールや赤ワインに変えるのも場合によっては有効である」と同氏は助言する。ペースを守って飲み、アルコール度数の低い酒やノンアルコール飲料を選ぶのもよいという。ただし、アルコール依存症の人の場合は1杯飲めば抑制できなくなる可能性が高いため注意が必要だと専門家は呼び掛けている。
 以前から‘酒は百薬の長’とも言われている様に体にとってはいい効果もあるとされていますが、最近ではその種類によっても効果に様々な差があることも分かって来ています。少し前に抗酸化作用を有する赤ワインが体に良いと持て囃され飲み過ぎた方もいた様ですが...所詮、アルコールはアルコールですから基本は適量飲酒ということが大前提であることは言うまでもありません!
17.12.25 虹

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