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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

腹部脂肪増加でがんリスク上昇?

2017年6月8日

テーマ:がん予防

コラムカテゴリ:医療・病院

腹部脂肪増加でがんリスク上昇?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「腹部脂肪増加でがんリスク上昇?」という報告です。
 余分な脂肪が付くと一部のがんリスクが上昇するが、その際は脂肪の量だけでなく脂肪の付く場所が重要であるという研究結果が報告された。研究を率いた国際がん研究機関の研究者は、「今回の研究で、過剰な腹部脂肪はBMI(体格指数)と同じくらい、肥満関連のがんリスクを示す指標となることが判明した。今回の研究は、体型によるリスクに対する理解をさらに深めるものだ。生物学的な基盤による影響をより明確に示すためには、がんリスクを検討する際にBMI以外の因子についても調べることが重要だと考えられる」と話している。
 今回の研究では、平均年齢62~63歳の計4万3,000人を前向きに追跡した7件の研究結果を分析した。中央値12年間の追跡期間中に、1,600人超が肥満関連のがんと診断された。分析の結果、腹囲(ウエスト周囲長)が1標準偏差(SD)増大するごとに肥満関連のがんリスクは13%上昇していた。同様に、臀囲(ヒップ周囲長)が増大すると9%上昇し、ウエスト・ヒップ比が大きくなると15%上昇していた。ただし、この結果は過剰な腹部脂肪ががんリスクを高めると証明するものではない。
 過体重や肥満は、予防可能ながんの原因としては喫煙に次ぐ因子であり、大腸がん、乳がん、膵臓がんなど13種類のがんと関連している。がんの専門家である英国の別の研究者は、「がんリスクを減らす方法について、人々に知らせることが重要である。健康体重の維持は、がんのリスク低減に利益をもたらす可能性があり、他にも多くの恩恵が得られる」と話している。
 以前から肥満とがん発症リスクに関しての報告はありましたが、脂肪沈着の場所にまで言及した報告はあまりなかった様に思います。ただ、以前から皮下脂肪ではないいわゆる異所性脂肪沈着がメタボと関連しているという報告があり、特に日本人では肝臓や筋肉さらには内臓脂肪が付きやすい民族であるとも言われています。良く隠れメタボなどとも言われていましたが、体重がさほど多くなくても腹回りが出ているような内臓脂肪が多い方はやはり注意が必要かも?知れませんね!
17.6.7 ツバメ
 クリニックの雛ツバメ達...かなり大きく成長してきました。この様子だと近日中に飛行訓練も開始しそうです!

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