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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

コーヒーは心臓の健康にも良い?

2017年3月6日

テーマ:コーヒーの効用

コラムカテゴリ:医療・病院

コーヒーは心臓の健康にも良い?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「コーヒーは心臓の健康にも良い?」という報告です。
カフェインは心疾患のリスク因子につながる炎症の抑制にも役立つ可能性があることが、米スタンフォード大学の研究で示唆され、論文が掲載された。同研究者らは成人100人超を対象とした調査で、過去10年間にわたり血液検体を採取し、病歴を精査。若齢者群と高齢者群の血液検体を比べ、高齢者でのほうが「活性化」する遺伝子を調べた。強力な炎症性蛋白(IL-1β)の産生に関わる2つの遺伝子に着目した結果、高齢者は一方または両方の遺伝子の活性化が高い群と低い群に分けられた。
 「高活性化」群では12人中9人、「低活性化」群では11人中1人のみに高血圧を認めた。高活性化群では動脈硬化の可能性も高く、血液検査では炎症性蛋白と核酸代謝産物の値が高かった。低活性化群のほうがカフェイン入りコーヒーの摂取量が多かった。高活性化群の血液にみられた核酸代謝産物を用いて免疫系細胞を培養したところ、炎症性遺伝子の1つでこの代謝産物が活性化し、炎症性蛋白が大量に生成された。これをマウスに注射すると、広範囲の炎症と高血圧が生じた。
 次に、核酸代謝産物とカフェインの両方で免疫細胞を培養すると、カフェインがこれらの炎症誘発物質を阻害することが判明した。同氏は、「人体にはおそらく、慢性炎症やさまざまな疾患に寄与する経路が数多くあるが、われわれはその1つを特定した」と述べている。
 コーヒーはどちらかというと体にとってはあまり良くない飲み物に思われがちですが、最近の研究でカフェインを含めて健康に寄与することが結構明らかにされてきている様です。今回の研究結果もその一端でカフェインの摂取で体にとって害をなす可能性のある炎症性蛋白が抑制される可能性が示唆された様です。ただ、心臓の健康に良いとは言っても飲み過ぎは良くありませんし、砂糖やミルクのたくさん入ったものではカロリーオーバーになりますからそこは当然の如く注意が必要です。
       
17.3.3 天保山イルミ
 先日訪れた天保山のイルミネーション。クリスマスから2ヶ月以上が経過し、期間限定のイルミネーションは終了しているところも多い昨今ですが、それなりのスポットではイルミネーション健在の様です!

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